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出来なくてもギターは弾けるけど、習得したらもっとギターが楽しくなるスキル【耳コピ】

こんにちは、ギタリストのYamatoです。

先日私のTwitterで「耳コピは得意かどうか」というアンケートを取ったところ「物(曲やフレーズ)によっては出来る」が半数、「耳コピしてみた音があってるか間違ってるかいまいちわからない」と「譜面が無いと分からない」と苦手意識を持っている方が半数と言う結果になりました。
※回答の絶対数が少ないので世の中全体でみると違うと思いますが、修羅のようなミュージシャンもフォロワーにちらほらいるのもあり、アンケートを取る人によっては変わる可能性大ですw

ちなみに私は「物によっては聞き取れるくらい」派なのですが、恐れ多くも採譜のご依頼もいただくことが年に何件かあったりして今の所クレームが来てないので、そこそこの精度があるものだと思ってます(間違ってる箇所を指摘されないだけだったらめちゃくちゃ悲しいお話ですよねw)

そして「いつ頃から耳コピが出来るようになったのか」というのは、正確な時期は明言しにくいですが、実際ここ数年(講師の職に就こうと思った2018年頃?)からは「出来るor出来ない」ではなく「やる/出来るようにする」という意識でやり始め、まるっと1曲を譜面無しでコピーしたのはたぶんRAISE A SUIRENのUNSTOPPABLEが人生初なんじゃないのかな?と思います。

この動画を公開したのが2019年の1月なので、ある程度音楽活動をしていた人間がしっかりとやる気を出して()取り組めば半年~1年くらいで出来るのでは?と思います(ガチ体験談)。

この経験からの推測ですが、楽器を始めたばかりの方や音楽の成績が良かったわけではない方でも個人差はあると思いますが、1年~3年もあれば耳コピも出来るようになると思います。
※出来るまでの期間は聞き取る聴力と、それを演奏する技術の習得も必要になってくるので、楽器(ギター)を始めて一番最初にやってみたい曲ランキングに入っていそうな曲や、誰しもがお勧めしているような課題曲での推測/仮定です。

・耳コピに必要な物(能力的な)

前置きが長くなってしまいましたが「耳コピに必要だな」と私が思うのは
◎聴力/音感
◎聴力/リズム感
◎技術/演奏力
○技術/記譜力
○知識(後述)
ざっくりこの5項目を5段階評価で【オール2以上】あれば出来ると思いますし、なんなら一番大事なのはやる気/やりたいと思う気持ちですw
※上記の中でも◎の3項目があればほぼ出来ますが、それを補ったりするためにも○の2項目があったらもっと楽になりますよ。という感じです。

音感ですが、よく「自分は音痴だから音感が無いんだな…」っていう方も多いですが、私の自論だと「マジで音感が無い人は音痴の自覚症状が無いからね(辛辣)」と思っているので、自ら音痴だと感じでいる方は相対音感はすでに持っているのでは無いかと思われます。
※私は絶対音感(特定の音を聴いただけで音名を判断する音感)は無いですが、相対音感(どれだけ音程が離れているかなどを判別する音感)で耳コピしてますし「歌やギターフレーズがバッキングと音程がズレている」のが分かる方も、相対音感をお持ちだと思います。

それとリズム感も「自分はリズム感無いからな…」と言う方も同じで「マジでリズム感が無い人は演奏ズレているのに気が付かないからね(辛辣)」と思っているので、自分の演奏が周りの演奏や音源とズレていると感じている人はバッチリリズム感はあります。

演奏力は今回の記事ではあまり深堀しないですが、聴いた音を再現するだけの技術的なボーダーラインは超えておきたいところですが、最近だとDTM等で打ち込みの技術があれば、聴こえた音程を打ち込んで再生ボタンを押せば原曲と同じフレーズか否かをすぐ確認できるので、その辺りの電子機器の操作的な技術もあったら便利だと思います。

記譜力についてですが、これは「五線譜/タブ譜でびっしり書き込みしましょう」までいかなくとも、「聞き取った音を殴り書きでもメモで残しておきましょう」というレベルです。
これが意外とやったら便利というか、逆に譜面やメモで記録しておかないと、1小節前のフレーズを忘れていたりするので、同じフレーズを何度も聞き取らないといけないので、専門用語を使わなくてもご自身が分かる書き方で何かしら記録することをお勧めいたします。

最後の知識ですが、これは理論もそうなんですが、コピーしようとしている曲の情報というかミュージシャンの情報を収集するというのも案外重要で、メタル系の曲あるあるだと思いますが、一昔前は「まずその曲のチューニングを断定する」でしたが、近年は「まずその曲のチューニングと必要な弦数とエフェクターを断定する」のが分かってからでないと、進めていくうちに弦数やフレット数が足りなくなって、最初からやり直しを強いられることも多いので事前情報大事です…w

あとは理論的なところで基本的な理論が分かっていたら、それを基に何となくの感じでコード進行やフレージングの選択肢も絞られてくるので、無数にある音の中から探し当てるよりも楽になると思います。

・耳コピであったら便利な物(物理)

基本的にパワーコードゴリ押しのロック/メタル系のコピーでも、細かいフレーズは聞き取りにくかったりするので「音源をスロー再生出来る何かしら」があると便利です。
最近だとDAWに標準的に装備されている「再生速度」を変化させる機能を活用するといいと思います。

一昔前だとTASCAMからCDやMP3データを、スロー再生させるアイテムがありましたが、なんだかんだ私は使った事がないので精度は分かりませんが、DAW環境を揃えるよりは遥かに安価ですし、持ち運びも余裕なので職場や学校の休憩時間に耳コピをしたいと言う猛者にはいい感じのアイテムだと思います。

DAW環境をお持ちの方なら再生速度の変更と、最近のソフトだったら取り込んだ音源のコードをざっくり解析してくれる機能もついています。
近年の技術発展のおかげでかなり正解だと思われる解析能力ですが「1音1音を正確に解析する」という機能ではなく「そのタイミングで鳴っている音程を組み合わせたらこのコードなんじゃないかな?」という機能です。

なので私の場合はPresonusのStudio One 4を使っていて、ソフトの自動解析をおこなって解析された大体のコードを見てなんとなくのキーを判断(予測)してから、指板上のポジションに当てはめていきます。
そして解析されないような細かいフレーズのセクションで、再生速度を落として聴き取っています。

※下のPrimeは無料版ですが、再生速度の変更(タイムストレッチ)もできるみたいです。

最近の技術に感謝しつつ再生速度を落とすと、若干ながら音程感がルーズになってしましますが、①50%の再生速度で大まかな予測を立てる。
②10%戻してフレーズであっているか確認する。
③問題無さそうなら10%刻みで戻していくor何か違和感を覚えたらまた一段前の速度に落として聴き取り&予測。
この作業を繰り返しおこなって、最終的に元のテンポに戻せば速いフレーズでも聴き取りやすいです。

この時に譜面や殴り書きメモでも記入しておけば「5分前に聴き取ったはずのフレーズどんなのか忘れた…」という悲しい事態も避けらますので、何かしら記録できるアイテムも用意しておきましょう。
私はGuitar Pro(譜面ソフト)に聴き取ったフレーズを、1小節や1拍単位で書き込んでいるので忘れる心配もないですし、原曲っぽいフレージングになっているかの確認(あっているかどうか)も、再生ボタンを押せば実際は弾けないようなフレーズも原曲と同じテンポですぐに確認出来るので、無料の譜面ソフトやDAWのMIDI音源でメモを取ると耳コピ作業の効率と精度が上がると思いますのでお勧めです。

また耳コピをする際は、コピーする音源と自分が弾いている楽器が同じスピーカー(ヘッドホン/イヤホン含む)から再生できる環境だと聴き取りやすい(予測/確認がしやすい)ので、なんだかんだDAW環境を整えてしまった方が費用対効果は高いかもしれません。

・最後に

耳コピは長年特殊な訓練を受けた特殊な人種が出来るスキルだと思われがちですが、広義での耳コピだと「関西人が標準語に違和感を覚える」のも相対音感(聴き馴染みのあるイントネーション/発音時の音程の違いを聞き分ける)だったり、ガキの使いで流れる効果音「デデーン」を口ずさむのも相対音感を使っているので、案外誰でも出来てしまうんですよ。

このように地方ごとの訛りだったり、一つの効果音を聴き取るのは簡単ですが「多種多様な楽器(音程)が目まぐるしく流れている曲の中から、自分が聴き取りたい楽器だけを抽出してさらに音程の判断をする」という皆さんが想像している耳コピになると、やはりある程度の訓練/練習は必要になってきます。

が、先述の通り大体の方は相対音感をお持ちなので「各楽器を聴き分ける」という点でも、歌とかはすぐにメロディを口ずさむことが出来るようになると思いますので、その感覚をギターでやれば不思議と耳コピが出来るんですよ(なんとなく出来ている人間の暴論…)。

今後はその感覚の置き換えだったりを文字にしたり、実際耳コピの練習になるようなテキストも月刊で展開していこうと思いますので、練習のお供にお使いいただければと思います。

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2021年2月現在、私はオンラインレッスン&リハスタでの対面レッスンを行っております。実施しているレッスン料金はこちらをご参照ください。

それと「こいつのレッスンだと不安だな…」とお考えの方は、小林信一さんが運営しているONLINE MUSIC DOJO内で、私も所属している全国ONLINE GUITAR LESSONには様々な先生がいらっしゃるので、気になる先生を探してみるのも良いかと思います。

2020年10月から、Twitterにてフレーズリレーという企画が開催されたので、「#MusicDOJO #ギター講師リレー #StayGuitarHome 」で検索していただけると各先生の特色が分かるかと思いますので、ぜひ一度検索してみて下さい!

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