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浮標

1日のうち、喜びに満ち溢れた幸せと、切迫感と憂鬱に支配されたネガティブが、数時間おき交互にやってくる。

頭ではちゃんとわかっているつもりだから、本気でそう思い込んでいる訳では無い……と思う。

今日は荒天だった。



楽しいことを目の前に、何故か嫌なことばかりが浮かんでくる。それが大切であればある程に、悪い面しか見えなくなってしまうのだ。

課題を見つけると、心にカタマリがのしかかってくる。前までそれは、やりたいことだったはずなのに。

常に「考えなくてはならない」ことに頭の中が支配されていて、何かの期限が迫ってくるようで、いつだって心が休まらない。

「考えなくてはならない」と思っているそれは、もしかしたら「考えてはいけない」ことなのかもしれないけれど。



もし今、何かとてつもなく嬉しいことが起きたとしても、心はすぐに平坦に戻ってしまうような、そんな気がする。

何かとてつもなく悲しいことがあったとしても、今は泣くことさえ出来ないと思う。

僕の心が日々、そうやって平らに潰されていくのを感じている。

間延びした心に残ったものは、虚無。つまりそこには、なんにも無いんだって気がついた。

心の躍動と同時に思考も止まるのを感じて、すると自然に心が空っぽになって、とっても楽になった。



でも今はそれが怖くて、考えることをやめられない。考えると、少しだけ元気になれる気がする。でもすぐにまた、悲しくなってしまうけれど。

その感情の起伏が、今僕に生きている実感をくれている。それが無くなってしまったら、この世界から僕の存在が消えてしまうような気がするから。今はそれがいちばん、怖いと思う。

別に死にたいだなんて思わないし、絶望しているという訳でも無い。

ただ、平穏に生きていたい。温厚な気持ちで居たいし、人に優しくありたいと思う。


ふと、湖面のブイを見て、そう感じました。

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