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映画レビュー「ピクニック at ハンギング・ロック」

1975年に公開された作品をリバイバル上映で鑑賞。
監督や主演女優が亡くなったわけでもなく、なぜ今の時期に公開されたかは分からない。
僕が知らないだけで明確な理由は存在するのだろう。

ポスターのイメージは美しい少女を描くファンタジックな作品。
イメージ通りだったら観ることはなかった。
監督のピーター・ウィアーはこの作品で評価され、
国外でも注目を浴びたというのが観た理由。
本作をキッカケにアメリカでの活躍があるようだ。

80年代、90年代は素晴らしい作品が多い。
「刑事ジョン・ブック 目撃者」「モスキート・コースト」
「いまを生きる」「トゥルーマン・ショー」はリアルタイムで観た。
「いまを生きる」は10年前にブログにも書いた。

人間味を描くのがとても上手い監督という印象。
最近はどんな作品を撮っているのか調べてみたら、2010年で引退したという。
どおりで名前を聞かなかったわけだ。

本作の舞台は1900年。
オーストラリアの全寮制の女子学校を描く。
富裕層のお嬢様が通っていた学校とイメージできる。
当たり前だが、品がよく規則正しい生活を送っている。
ピクニックに出掛けた時に起きた謎めいた事件が中心のミステリードラマ。

ミステリーの場合、ピリピリとした緊張感を伴う事が多いが、本作はそうではない。
ほんわかとしたムードが逆に神秘的な雰囲気を醸し出す。
タイトルにもあるハンギング・ロックがカギとなるが、
オーストラリアではそんな象徴なんだろうか。
美しい少女が登るにはちょっと危険。
だから事件は起きるんだけど・・・。

最終的な解釈は観る者に委ねられている。
現実的と捉えるか、夢物語と捉えるか。
きっと観た人は少ないだろうから、語り合える場もないかな・・・。

失踪した女学生の一人のミランダはとてもチャーミング。
アン・ルイスではなくアン=ルイーズ・ランバートという女優さん。
全く知らない。
これも調べてみると1955年生まれ。
僕より11歳も年上のことに衝撃を受けた。
映画よりも衝撃度は大きかったかも(笑)。

本作は4Kレストア版のため当時に映像が鮮やかに映し出される。
歴史を感じさせるが昔の作品をこのような手法で観られるのもありがたい。
時々は以前の作品を映画館で楽しみたいね。

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