秋冬作の防除について~ざっくり編~

もうすぐ秋冬作が始まります。
秋冬作でメジャーなキャベツ、白菜、ブロッコリーといったアブラナ科野菜のざっくりした防除のポイントと、農薬のざっくりした選び方をまとめてみたいと思います。

※土地土地で出やすい病害虫は違いますので、それも含めてざっくりです。

ざっくりポイント①
前半はチョウ目害虫と軟腐病に注意

定植直後の温度の高いタイミングはチョウ目害虫による食害に注意です。
食害が多いと病気にもかかりやすくなるので、病気を出さないためにも害虫防除をしっかりやりましょう。

多くの方は定植前にプレバソン等のジアミド系潅注処理剤を使うと思います。
地域によって虫の薬剤感受性が異なるので細かくは違いますが、ざっくり3週間はしのげると思います。
コナガのジアミド低感受性個体が多い場合は定植前にプリンス粒剤を追加してもいいと思います。
自分の場合はコナガの低感受性個体がそれほど多くないので、は種時のダントツ粒剤+定植前のプレバソンでやってます。

同時にオリぜメートは必須で使って欲しいです。
軟腐病はじめ細菌病の類は有効な薬剤が少ないので、予防できるオリぜメートは手札を無駄に切らなくて済むので活用必至です。
自分はオリぜメートの顆粒水和剤を定植時に潅注処理で使ってます。

ざっくりポイント②
中盤もチョウ目害虫に注意し、糸状菌病害対策も入れる

10月になってくると少し気温が落ち着いてきます。大型のチョウ目害虫が増えてくるのでローテーションで適度に防除していきましょう。
基本的には前半に虫が多く、気温が下がってくると虫が減るので、プレバソン等の効果が薄れてきたら出し惜しみせず防除しましょう。
またBT剤を混ぜていくといいと思います。
自分はプレバソン後のグレーシアをよく使います。この系統は大事にしたいので、この1回で後は別の系統で回します。
少し注意が必要なのはアブラムシです。
結球野菜の場合には結球前に1回は入れておくといいと思います。
特にそれぞれの薬剤の感受性に問題がなければお好きなものでいいと思います。
自分はウララ、トランスフォームが好きなのでどっちかを使うことが多いです。

気温が下がってくるとだんだん細菌病から糸状菌病害に移ってきます。
長袖を着る季節にはべと病、上着を羽織る季節には菌核病が出てきます。
出てくる前に叩いておきたいので、ダコニールやトップジン、ロブラール等の予防剤を一緒に使うといいと思います。
菌核病なんかは出るほ場はずっと出るので、パレード、アフェットのようなSDHI系、アミスターやストロビーのようなストロビルリン系も入れていきたいです。
ただし耐性菌が怖いのでロブラールやトップジンなんかを併用や混用するといいと思います。
自分は銅剤と上述の予防剤を併用または混用しています。

ざっくりポイント③
終盤は切った方が早いかもしれない。
11月から12月になると気温が下がり、虫病気ともに出にくくなります。
中盤までしっかり防除をしてあれば、終盤は病害虫があまり気にならないと思います。
少し見えても収穫した方が早い場合がありますので、収穫タイミングをみながら適宜防除をしてください。

ざっくりポイント④
番外編 台風対策について
台風がいつ来るのかで対策も変わってきますが、軟腐病対策では台風後スターナ+化成の液肥いいと思います。
黒腐病対策ではスターナからバリダシンやカスミンのような抗生物質がいいと思います。
気温が低い時に台風がくることは少ないと思うので、基本は細菌病対策でいいと思います。

ざっくりポイントをまとめてみました。
薬剤選びの中ではしっかりポイントもあるんですが、大きくは変わらないと思うのでこれで大丈夫かと思います。
もし細かいのが知りたいという方はコメントください。
また、全然当てはまらないという方は自分が興味があるので詳細教えてください。

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