MBA受験のカウンセラー選びについて

MBA受験にあたって最も大事なのは気合と根性だと思っていますが、カウンセラーはその次に大事な要素だと思います。

カウンセラーの役割

だいたいどのカウンセラーも、全体の戦略策定、Essay対策、Interview対策、
についてサービスを提供してくれます。

全体のスケジュール&戦略策定

これ結構大事です。そもそもMBAの準備しようとすると、何から手を付けていいかさっぱりわかりません。そして、ぼんやりとやるべきことがわかってきたとしても、どのタスクにどれくらい時間がかかるかもわかりません。そして悲しいかな、IELTSスコアメイク→GMATスコアメイク→エッセイ→インタビューという風に、きれいに一つ一つこなせる人は本当に優秀な上澄みの人々で、その他の凡人はマルチタスクに悩まされることになると思います。

各人のレベルに合わせて、全体の大まかなスケジュールと方針を作りつつ、あとは状況に応じて都度都度アドバイスをくれるのがカウンセラーです。
例えばアドバイスの例でいくと、
・BabsonはGMATスコア提出が免除されているし、IELTSだけスコア揃ったら1stで出願して、受験プロセスの全体像を理解しよう
・残りの学校はスコアメイクをして、2ndで出願しよう
・StanfordのEssayが一番ボリュームがあるが、一度作ると他校に使いまわせるので、ここからEssayは手を付けよう
・GMATで感覚つかんだら、早めにEAも受験して、StanfordとMITはEAのスコアを提出しよう
・GMTA660だと心許ないので、念のためGREも手を出そう・・・
などなど。
だいたいMBA受験ってほぼ全員が初めての経験なので、情報収集にめちゃくちゃ時間かかるうえに、信頼度の高い情報が少ないのが現実です。情報を調べきれる自信がない人、時間が無い人は、カウンセラーに頼ることをお勧めします。

Essay対策

エッセイカウンセラーと呼ばれる人たちなので、これがメイン業務です。Why MBA? Why School?といったベーシックなものの書き方から、強み弱みの洗い出し、面接官の琴線に触れるような魅力的なエピソード出しや、学校ごとの言い回しのチョイスと、いわば執筆のプロです。よくもまあそんなにドラマチックな内容にお化粧ができるなぁと思ったことは数知れず。
あとは、過去問に精通しているのも重要です。例えばMITだと、通常のEssayはそんなにボリュームが無いので簡単なのですが、実は例年Interviewに呼ばれる人に対して追加Essayが課されます。このあたりも事前に知っているカウンセラーですと受け身が取れるので、重要です。
ちなみにカウンセラーとのワークにおいては、ここに一番時間を割きますし、お金も取られます。

Interview対策

毎年多数の受験生をクライアントとして持っているカウンセラーになると、尋常じゃない量のInterviewの過去問を持っていますし、ラウンドによってはその年の設問も知っています。また、面接官ごとの特徴も知っていたります。MBA受験は情報戦なので、これらの情報を持っていると相当有利になります。
また、モックインタビューと呼ばれる、いわゆる模擬面接もやってくれます。単価めちゃくちゃ高いですが。就活時代を思い出すとわかるかと思いますが、聞かれたことに端的に答えるのは意外に難しいですし、聞き方が少し変わると柔軟に対応できなかったりもします。すべての学校でカウンセラーと練習する必要はないですが、1-2回は起用してみることをお勧めします。

日本人カウンセラーor外国人カウンセラー

これは賛否両論あるので何とも言えないですが、私は以下の理由で外国人カウンセラーをお勧めします。

やり取りが効率的

Essayを作る際に、まずは自己分析して、それをもとにカウンセラーと壁打ちをして、最後は綺麗な英語にする、というのが一般的な流れだと思います。そして、壁打ちが日本語でできるのが日本人カウンセラーの魅力だと思いますが、その後の英語にするフェーズで、ネイティブスピーカーが登場します。そうすると登場人物が多くなりコミュニケーションが煩雑になりますし、場合によっては内容が伝言ゲームになります。MBA受験で一番希少なものは「時間」なので、コミュニケーションロスは可能な限り避けた方が良いかなと。

英語の練習

実は、私が外国人カウンセラーを選んだ最大の理由はこれです。「英語に慣れておいた方が、後々いいかなー」ぐらいの気持ちでした。結果、この判断は間違っていなくて、まずは普通にListeningとSpeakingの練習になります、単価は死ぬほど高いですが笑。
また、Essay作るときに英語の表現をたくさん自分なりにアウトプットしていくので、それが後々インタビューに繋がっていきます。結局自分が喋るために調べて作ったフレーズは、その後も自然に自分の口から出てきます。
ちなみに壁打ちすら英語でできないような人は、Interviewでとても苦労するので、先に苦労しておいた方が身のためだと思います笑。

実績

定量的な裏付けがなく大変申し訳ないのですが、やっぱり外国人カウンセラーにトップ校の合格者は集中している気がします。私の同級生も日本人カウンセラーを起用したという人はあまり聞いたことがありません。
自分の希望する学校の合格者がどれくらいいるかは、カウンセラー選びの際には聞いておいた方がいいと思います。

いつ・どうやって申し込むか

ネットで自力でたどり着くか、紹介してもらうかです。手続きはそんなに重要な話ではないと思います。
大事なのは申し込むタイミングです。早ければ早い方がいいです。例えば私は5月にJessicaにアプローチしたところ、「クライアント数が定員に達したのでメインカウンセラーとしての契約はできない」と断られました。
中にはスコアメイクできてないと契約してくれない人もいるみたいですが、少数派だと思うので、思い立ったタイミングでなるべく早くパッケージを購入して契約に踏み切るのが良いと思います。ちなみに、私のような純ドメの人がいきなり外国人にコンタクトを取ってミーティングするのは抵抗があるのはよくわかりますが、向こうも商売なので、最低限の質問リストを携えて、さっさと突っ込むことをお勧めします。

John Couke

こちらが私のメインカウンセラーで、命の恩人レベルの御仁です。
まず、有名カウンセラーなので実績十分で、情報量がすごいです。私の受験校にはすべて精通しており、情報戦では完全に優位に立てました。いくつかの面接官に至っては、Admissionのイベント等で登壇しているYoutube動画まで送ってくださり、「これ聞いてアクセントに慣れておきなさい」という手厚いサポートまでもらえました。

そして、Johnはクライアント数に定員を設けているので、仕事がとても丁寧かつ速いのですが、その中でもレスの速さは際立っていると思います。私の場合は年末年始はスコアメイクとエッセイ提出とインタビュー準備が並走しており、多忙を極めて気が気じゃなかったのですが、大晦日と元旦以外は安定して即レスをもらえていました。それに加え、Johnはカナダ(トロント)からカウンセリングサービスを提供していることも大きかったです。こちらが夜にメールをすると、朝起きた時にメールのレスが届いている、というサイクルができるので、時間を無駄にしている感じがまったくしませんでした。

最後に、人柄が大変素晴らしいです。Zoomでしか会ってないですが、満面の笑みでいつも迎えてくれます。MBA受験は長丁場なのでモチベーションをキープするのは結構大変で、特にスコアメイクに苦戦していると本当に暗い気持ちになります。そんな時に、厳しいコメントを言われたりすると、ポキっと折れかねませんが、彼はチアアップがとても上手なので何度も助けられました。カウンセラー選びはFit感、とよく言われますが、私にとっては「優しそう」がFit感の基準でしたので、その点素晴らしいカウンセラーに出会えたなと思っております。

Jessica King

これまた素晴らしい御仁です。上述の通りメインとしては起用できなかったのですが(結果的に私はJohnの方が自分に合ってて良かった)、Interviewの練習で起用しました。なお、カウンセリング単価は、MBA界隈で最高値だと思います。

自分が実際にご一緒した感想としては、切れ味鋭すぎ(笑)、です。悪いところは容赦なくビシバシと指摘してきます。彼女をメインカウンセラーで起用してた人も、同様の感想を持っていたので、おおむね事実だと思います
ただ、めちゃくちゃロジカル&正論なのと、言い方がすごくさわやか(笑)で、どんなに厳しいことを言われてもまったく不快感を抱きませんでした。結果的には彼女にコンテンツをしっかりと叩いてもらったおかげで、志望度の高いInterviewに自信を持って臨むことができました。

ちなみに超小ネタ&余談ですが、「学校生活で不安はある?」というMBAの定番質問に対して「英語が不安です」と答えたところ、フィードバックの際にコテンパンにやられました。「英語はツールだろ、そんなくだらないこと言うんじゃない。だいたいおまえ面接の質問は英語で答えてるじゃないか。もう一回その答えを言ってみろ、許さないぞ、Takeshiiiiii!!!!」という感じで、ほぼ初対面でこんなにも激詰めされたので、英語は言い訳にしちゃいかんなと、心に刻まれました。

ロジカルな人としっかり仕上げていきたい人にはとてもお勧めですね。そしてパッション溢れるチャーミングなお方です。もう一度受験をするとしても、彼女には必ず相談しますね。

お金の話

最後に、お金の話です。だいたい相場的には20,000~30,000円/hするので、どこまで課金するかは、よくよく考えたほうが良いです。何も考えずに使うと、凄まじい金額になります。
一方、私はもう腹をくくっていたので言われるがままに湯水のようにお金を使いました。時間と安心を買ったと思い、後悔はありません。今もう一度受験をするとしたら、スコアメイクの部分でもう少しお金を減らしますが、カウンセラーへの投資額はそこまで変わらないかなと思います。

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