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山の文学全集

山にまつわる本について。

登山を始めて間もない頃、百名山は深田さんという人が選んだ山だという話を聞き、1人で選んだのか…!と衝撃を受けたことを覚えている。どんな理由で選んだのか気になったので、「日本百名山」を読んだ。
その後、私の中で山の本ブームが訪れ、山小屋の話や三角点の話など、さまざまな著者の山を題材にした本を読んだ。
そして、また深田さんの文章を読みたくなって、今は「山の文学全集」を読んでいる。全12巻で、4巻目に突入した。この本は名前の通り、深田さんの書いた山にまつわる文章を集めたものである。短編が基本なので、読みたい時に少しずつ読めるのがいい。

この本を読んでいると、深田さんの好みの山や登山スタイルが見えてくる。「日本百名山」は山の紹介がメインでまとめられていたので、深田さん個人について知らなかったことがたくさん出てきておもしろい。
最近読んだ中で印象に残ってるのは、「登山は登山口に向かうところから楽しさがある。バスで上まで運ばれては、物足りない。便利になったのを有難いとは思わない。」というような内容。私も手軽に山頂に立てることに魅力を感じないが、かといって、車がビュンビュン走る道を歩くのは嫌いなので、分かるなーと思いながら読んだ。
あとは、深田さんの時代はどこに行くにも基本は夜行列車だったり、戦前は登山口近くの民家にアポなしで泊めてもらったりと、現代では体験できない登山スタイルだったことも分かった。

深田さんの時代と今では、変わってしまったことも多いが、共感できる部分も多く、本質的な山の魅力や登山の楽しみは同じだということがこの本から伝わってくる。私は実際の登山と、読書での疑似登山で2倍山を楽しみたい。

(写真は三伏山の頂上から)


本の紹介
・日本百名山 深田久弥
・山の文学全集 深田久弥 (絶版)

山小屋の話
・黒部源流山小屋暮らし やまとけいこ
・黒部の山賊 伊藤正一

三角点の話
・劔岳点の記 新田次郎

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