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和尚のつぶやき #256(時間が滑る)

私たちは時間の流れの中で
毎日、生活しています
時間に追われながら過ごしている
と言うのが現実かもしれません
25時間欲しいという感じでしょうか
実際は一日が30時間でも
追われる感じはあまり変わりません
時間という実体のないものに
縛られ、追われ、支配されています
かつて時計のない時代は
一日、ひと月、季節ごとと
自然の流れに沿って生活していました
人間と自然が一体
となって動いていました
時計が発明され
時間が計測できるようになると
すべては時間が基準になり
便利になりましたが
人間中心ではなく
時間中心になりました

時間は刻々と流れますが
人間は時計のように
一定の流れでは生きていけません
時間感覚としても
楽しい時間は早く流れ
辛い時間はゆっくり流れる
過去の時間は取り戻せず
未来の時間はつかめない
私が生きていると言う現実の中で
時間が滑り出し
時間をうまく捉えられません
まさにずるずると過ごした時間です
一定に正確に動くはずの時間が
自分の目の前では滑り出す
過去に滑り出す
未来に滑り出す
しかし現在しか捉えられないことに
いら立ち、失望し、不安になります

頭では「今を生きる」と言うことが
大切だと理解できますが
実際の生活では
今と向き合うことが難しく
過去や未来に固執してしまいます
良くも悪くも過去にしがみつき
夢と不安を抱えながら未来を考えます
そして今の時間が
過去や未来に滑り出します
そうなると泥沼のように
時間の渦の中に吸い込まれていきます
時間を滑らせないためには
明日はわからぬ命であること
限りある時間に生きていること
今が大切であること
そのことを自覚して生きる
それ以外に手立てはないと思います











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