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和尚のつぶやき #261(広く浅く)

広く浅くという言葉から連想するのは
幅広く手を伸ばしているが
個々の事柄について掘り下げていない
表面だけをなぞったような感じです
興味本位で 軽薄な感じがします
専門家としての道は
深めていくことこそが大切で
何かを語るにはその分野のことを
知り尽くしていないといけない
プロとしてのプライドをもって
深めていくことが必要だという
考えであろうと思います
知識を深めることはいいことですが
ひとつ間違うと専門分野の知識の海に
溺れてしまうこともあります
そうなると、もがきながらも
自分の力では抜け出せなくなり
どっぷりとつかってしまい
しかもまわりの人が知識のない
未熟な人間に見えてしまいます

専門分野の研究は必要なことですが
研究者であること専門家である
ことが偉いわけではなく
ひとつの立場でしかありません
それぞれの専門分野の基本には
自然、世界、社会、人間などの
広い世界が横たわっています
人知で簡単に解決できるようなもの
では決してありません
また、一部だけを掘り下げて
答えが見つかるものでもありません
そこには生きた生命そのものの
働きによって動き続ける
大きな世界があります

大きな世界の前では
専門家と言えども謙虚に
向き合うしかありません
自分の専門分野を取り囲む
様々な分野の事柄に興味を持ち
他の分野にも畏敬の念をもって臨む
それがひいては自分の専門分野に
光を与える
まわりから常に学び、教えを乞う
赤子や子どもから学ぶ
自然や世間から学ぶ
部下の声に耳を傾ける
知識でない生きた知恵をもらう
それには専門家としてのプライドより
教えてもらう謙虚な気持ちが必要です
広く教えを乞い 浅いところから学ぶ
そして自分の専門分野を正しく深める
自分の考えや信念を柔軟に保ち
変わる勇気と変える力を持つ
そのことが大きな過ちを避ける
最善の策だと思います








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