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和尚のつぶやき #291(腹で聞く)

人の言葉や話を聞くとき
どのように聞くか
どこで聞くかによって
同じ聞くという行為でも
大きく違ってきます
頭で聞くのは
知識として理解しつつ
頭脳で論理的に聞くということです
胸で聞くのは
心を通して
感情を使いながら
聞くということです
腹で聞くのは
理屈や感情で聞くのではなく
相手の伝えたいことを
ありのままに
どんと受けとるということです

普段の生活では
頭で聞くか胸で聞くことが
ほとんどで
腹で聞くことはあまりありません
聞きながら考えているか
聞きながら感情を動かしています
聞きながらも
自分の考えや感情が優先して動き
相手の話は聞いているようで
十分に聞けていません
そんな風には意識していませんが
実際は聞きながら聞いていないのが
本当のところです
それだけ人の話を聞くのは
難しいものです

腹で聞くとは
自分の考えや感情に惑わされずに
ありのままを聞くということです
覚悟をもって聞く
私心を捨て去って聞く
それこそが腹で聞くことです
しかし自分の考えや感情が
出てしまうのも仕方ないことで
まずは相手の話を遮らずに
聞くことが大切です
これも中々難しいことですが
腹で聞いてもらうと
相手は時間を忘れ
腹の底から話せます
そしてお互いの腹と腹が響き合い
理屈や感情に惑わされない
真の会話が成り立つのです
親子でも夫婦でも
上司や部下でも
友人でも仲間でも
すべての関係において
腹の探り合いではなく
腹のぶつかり合いが大切です
大相撲の裸の
ぶつかりあいと同じです
聞くからには腹で
聞きたいと思います

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