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和尚のつぶやき #304(弱さと向き合う)

人間は強いか弱いかと問われると
やはり弱い生き物だと思います
体で言えば
微小なウイルスや細菌に
まったく自力では歯が立ちません
野生動物にも歯が立ちません
自然を支配しているように
ふるまっていますが
実際はそうではありません
現実に目をつぶって
偉そうにしているだけです
少しの風は防げますが
台風が来たら
過ぎ去るのを待つしかありません
少しの揺れには耐えられますが
大きな揺れには耐えられません
いつ揺れるかは
人間の知性ではわかりません

弱いし
歯が立たないし
耐えられないし
わからないことだらけ
これで偉そうにできるのですから
小さい子が親に
空威張りをしているようなものです
誰一人として自分の死を
止めることはできません
この弱さに向き合わなければ
どう強くなったらいいか
まったくわかりません
勉強をすればいいのか
お金を稼げばいいのか
出来ることを増やせばいいのか
道を究めればいいのか
体力を付ければいいのか

心は体以上に弱いものです
調子がいい時は問題ないですが
何かトラブルや問題を
抱えることになると
心が消耗し、病んでいきます
病んで初めて、自分の心が
そんなに強くなかったのだと
知ることになります
孤独の中でも弱く
集団の中でも弱い
基本が弱いのです
そう考えると
強くなることに無理があります
弱い自分を受け入れてこそ
人間らしく生きることができます
強くならなければというのは
強迫観念でしかありません
みんな弱いのですから
無理せずに
強さを捨てて
謙虚さを持てば
弱さから逃げずに
生きられると思います




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