山下ゴム男が読んだ本 -万葉集を歩く 犬養孝がたずねた風景 (+ 文学の淵を渡る)-

読了日 : 20230313

犬養孝は大阪大学名誉教授。万葉集研究の第一人者。1998年没。
ぼくは万葉のすそ野を歩いている、
と言い、
雨天も歩け、
と教えた。
歩く万葉学者だった。
僕も歩く人間だから共感する。
😺
万葉集に、
安達太良の 嶺に臥す鹿猪の ありつつも                             我は至らむ 寝処な去りそね
という歌がある。
犬養孝はこの歌に関し、
二本松の霞が城址からは、"あれが阿多多羅山"と指さすまでもなく、東南にひらいた裾野の大観には「嶺に伏す鹿猪」も思うことができる。
と書いている。
僕が二本松城を訪れたとき、安達太良山には雲が激しく流れていたことを思い出した(過去記事)。
😺
とにかく旅心を誘われた。
いろんな土地を巡ってみたくて仕方なくなった。
😿
大江健三郎先生が亡くなったというニュースが今日流れた。
ショックだった。
好きだったりすごいと思う作家が他界するたび、もの思いにふける。
大江先生の小説は好きではなかったしあまり読んでもいない。
けれどすごい人だと思っていた。
NHKの番組だったと思うが大江先生が小学生に文章の書き方について、接続詞は読む方が勝手につなげるから、そんなに使う必要はないんだよ、と教えていて (あくまで僕の記憶)、僕はなるほど、と感心し、その後接続詞を使う回数を減らした。
大江先生の著書ではないが古井由吉先生との対談集(『文学の淵を渡る』)を読んだのは、僕が note をはじめる3ヶ月ほど前だったようだ。
僕はその日の夕方、出先で時間がぽっかりあいてしまったため、書店に入って珍しく本を購入したのだ。
昔の癖で表紙の裏に読了日を記していた。
『文学の淵を渡る』を読み、大江先生や古井先生に一歩でも近づきたいと痛切に思ったことを記憶している。

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