【OW2】なんで撃ってんの?:戦い方と立ち回りと連携の話
「初心者向け○○講座!」みたいなヒーローの説明はたくさんあるんですが、具体的な立ち回りや戦い方まで言及されているようなものは少ないように思えます。
別に私がそういうのをやるわけでもないけども、これを読んだ人がもしかするとほんの少しでも参考になることがあるかもしれない。
そういうのを一つでも残しておこう。
初級者を脱出するぐらいの段階、ランクでいえば~プラチナ前半ぐらい向けの内容です。
そのぐらいのプレイヤーは上位陣に比べるとエイムも良くないからこそ、しっかりと味方と連携して有利に撃てる状況を作りましょう。
実戦で気になったシーンがあるたびに随時追加していっています。
○要点
・「ただ撃つだけ」ではなかなか上手くいきません。
・味方の行動と連動できるようにしておきましょう。
○前提:「連携」という言葉、「攻撃側」の想定
「連携」という言葉をよく使いますが、本当に基本レベルの話です。
私がここでいう「連携」とは、チームでの戦術やVCを使った適切な指示、ハイレベルなエリア取りやフォーカスのことではありません。
「タンクが前に行ったら自分も前に行く」とか、「マーシーが蘇生してたら盾を出して守る」とか、「味方が狐走りを使ったらそこでラッシュする」とか、そんなレベルの話です。
極端に言えば、「味方のライフが減っていたら回復する」とかそういうことも「連携」だと思っています。
また、特に野良のマッチでは「味方に期待する」とかいう意味でもありません。
「味方をちゃんと見て、それによって自分の行動を決める」ことの全体として、「連携」という言葉を使います。
キャプテン翼で言えば、スカイラブハリケーンをやろうというものではありません。
森崎くんがふっとばされるのを見たら、自分が止めにいきましょうという話です。
「味方を見ず、状況を考えず、ただ自分が撃っているだけというのはやめましょう」という話です。
また、以下の例で想定されているような状況はおおむね、基本的に攻撃側で、有利なポジションにいる相手を崩しにいかなきゃいけないような場面です。
防衛で有利な場所から撃ってれば良いような状況なら、それでもちろんかまいませんが、不利な状況で一人で撃っててもあんまり良くないよという話です。
(※「攻撃側」というのはルールとしての攻守ではなく、待ち構えている相手・ポイントに向かっていかなければならない側のチームという意味です。)
○連携する。
前提として当たり前なんですが、Overwatchというゲームは5対5で戦うゲームです。1対1が5箇所で行われるゲームではありません。味方と連携して戦いましょう。
「ソロでやってるから連携できない」という人がいるかもしれませんが、ソロだからこそ自分が味方と連携することを心がけましょう。
基本の例:
あなたはリーパーです。味方のメイがキャスディを撃っています。あなたは相手のソルジャーとキャスディのどちらを狙うべきでしょうか?
当たり前ですが、味方とフォーカスを合わせるべきですね。キャスディを狙いましょう。メイとリーパーが協力するとすぐに倒せます。
当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、実戦で本当にできていますか?味方が狙っている敵を自分も狙っていますか?「味方が狙っている敵を狙おう」という意識がありますか?見えた敵をテキトーに撃ってませんか?
もちろんウィドウメイカーのように単独キルを狙ったり、ソンブラでバックラインの邪魔をするのが目的のような行動もありますが、基本的には味方とフォーカスを合わせて敵を狙うべきです。
見えた敵をとりあえず撃ってもあまり有効でない場合は多くあります。
そして重要なのは、味方と連携できるようにするために何をするかです。連携するために準備しておかなければなりません。
例:
アナがナノブースト、ゲンジが龍撃剣。他のプレイヤーは何をしますか?
頑張れーと応援しているだけではダメですね。
味方のアルティメット状況を確認しておけば、野良だったとしてもゲンジがアルティメットで突撃するのは予測できます。
龍剣は攻め込む大チャンスです。協力して戦いましょう。
ウィンストンもジャンプしてバリア、キリコもテレポして鈴、ソジョーンのディスラプター、アナは阻害瓶を投げて参戦できます。
ゲンジをほっといて、近くにいるザリアと戯れていてはいけません。
実戦での例。ナノゲンジに一緒に突っ込む私のゴリラ。
「俺が寝る!」と言い狙って飛び、本当に寝ました。
ジャンプパックの50ダメージも龍撃剣と相性がいいですね。風斬りが当たってなくても、ナノ剣は165ダメージなので合わせて200族を倒せます。
アクションを起こす側ではなく、起こされたときはどうすればいいでしょう。
例:
あなたはアナです。交戦が始まる直前ぐらいに横にいるキャスディが撃ってきました。どうしますか?
①下がる ②打ち返す ③味方の方へ移動
画像には3人ずつしかいないし、具体的な状況も書いていないので、どれが正解でどれが間違いかとか言うつもりはありません。
では、どういう状況だったらどうするのか、それぞれの行動の注意点を考えましょう。
・①下がる
地形にもよりますが、味方と分断され、連携できなくなる可能性があります。
味方との距離が遠いとカバーに行けず、カバーされるのも難しくなります。瓶を相手に投げることも上手くいきません。
味方のタンクもアナの射線が通らないところへは行きづらいので、どんどんポジションが不利になっていきます。前に出られません。
・②撃ち返す
勝てるんならいいですよ。キルとってください。
そりゃ一発ぐらい撃ち返すかもしれませんが、エイム力が同じならアナはキャスディに勝てません。グレ貼られても終わりです。
一発も撃ってはいけないと言うつもりはありませんが、一対一をするよりも味方が戦っている相手と戦いましょう。
撃ち合って無駄なダメージを受けて自分に瓶を使っているようでは、味方と全く連携できていませんね。
アナ対キャスディぐらいならともかく、タンクに喧嘩を仕掛けに行くような人もいます。勝てませんよ。ロードホッグが来たら逃げなきゃ。
もちろん地形有利などで一方的に撃てる状況ならば存分に撃ちましょう。
・③味方の方へ移動
敵に撃たれたから移動というよりは、そもそも前提として味方と連携できる位置にいましょう。
それが味方の近くである場合は多いですし、そうでない場合もあります。
味方タンクと近すぎると相手に狩られますし、遠すぎると連携できません。
例はアナなので孤立するべきではありませんが、トレーサーなんかはもちろんずっと味方と一緒にいても仕方ありません。
各々の役割に合わせた連携ができるようなポジションを心がけましょう。
はじめに書いたように、このゲームは基本的に1対1をするゲームではありません。
ウィドウメイカーなんかは一方的に撃ちますし、高レベルの試合だとトレーサーは相手のトレーサーを抑えるためにタイマンをすることもありますが、そうでない状況、そうでない戦術・戦局、そうでないヒーローの方が多いということは忘れないようにしましょう。
味方との連携、ここではフォーカスを例に挙げましたが、味方が撃っている敵を自分も撃てるようにしておかなければならず、そのために必要なことの一つが「適切なポジションにいる」ということです。
自分一人で撃ち返したり、自分一人が下がって隠れていると、味方と連携することができなくなります。
○そこで撃っても意味ないよ
撃っても意味ない状況で撃ってる人が少なくありません。このゲームは1対1で撃ち合って死んでいくゲームではありません。
意味ないものの代表例として、地形的に不利な状況があります。例えばリアルトの開幕。
こういうところで高台の相手を必死に撃ってるプレイヤーがいます。それキルとれんの?何か起こんの?
青チームのアッシュやアナが後ろから撃ってても何も起こりません。不利なまま撃たれ続けます。オリーサが必死に前に出るも、シグマが相手の後衛4人を抑えるだけで終わりです。
このままでは青チームは何もできません。不利なまま撃つのではなく、撃てる状況を作らなければなりません。
相手がよっぽどヌルくない限り、ダメージを出しても回復されてしまいます。自分一人で多少のダメージを出してもあまり有効ではありません。
もちろんエイムが良くて一人でキル取れるのならそれでいいですが。
あるいは最初の項目でも書いたように、撃っても倒せない相手を一人で撃ってても意味がありません。相性的に不利な状況です。
「敵が見えたから撃つ」のではなく、自分も味方も有利な状況になれるように連携するのが先決です。
遠距離系のヒーローだけでなく、トレーサーやゲンジ、リーパーも味方と連携できるように戦わなければなりません。
味方がまだ交戦できないのに、一人で戦い始めても効果は薄いです。「その仕掛けにより相手が自分へ対応し、それにより味方が有利に動けるようになる」というタイミングで仕掛けなければなりません。
撃つよりも先にいいポジションに移動することを覚えましょう。
特にソルジャーやアッシュなんかは移動スキルがあるので、 積極的に横や高台を取りにいけるはずです。
道路の真ん中の後ろの方で撃っててはいけません。
こちらの記事も参照。
○タンクとの連携
ではどうすれば有利に撃てる状況になるでしょうか。(主に)タンクと連携しましょう。
(※(主に)というのは、タンクロールだけでなくゲンジやリーパー、あるいはモイラなんかがタンクの役割をする場合もあるからです。ここではタンクとだけ表記。)
例えばHOLLYWOODの開幕。
相手は高台から撃ってきたり、角を利用して有利に立ち回ってきます。このままでは何もできないので、タンクがなんとかしましょう。
ウィンストンが高台にジャンプしたり、オリーサが強引に前に出ることで、味方には時間とスペースが生まれます。これがタンクの重要な仕事の一つです。
重要なのは、味方がそこに連携することです。
ウィンストンが高台へアプローチしたのならフォーカスを浴び、高台にいる相手は対処を迫られます。
その間に味方は前進するなり、左の階段へ進むなり、右の小部屋から撃つなりしなくてはなりません。
オリーサが強引に押し込むと、相手は下がらざるを得ません。地形有利でなくなります。
その間に味方はーー略。
後ろのほうで撃っているだけでは何も起こりません。タンクがアクションを起こしたときに、自分も適切な行動ができるようにしておかなければなりません。
タンクプレイヤーも、自分の行動により味方を有利に立ち回らせることができているかを考えなければなりません。
オリーサやシグマ、ラマットラなんかは正面でガッツリ戦えるヒーローで、ダメージも出せてキルも取れ、前線で頑張って戦えてる感があります。
しかし、タンクのタイマンをしているだけでは不毛なだけで、何も起こらないことは珍しくありません。
タンクは自分のアクションが味方との連携に繋がるかを考え、味方のアクションのためのスペースや時間を作らなければなりません。
実戦での例。BLIZZARD WORLDの第一。高台からポークしてくる敵をどうにかしたいですね。
相手はオリーサが強引に降ろしに来ました。この立ち回りの是非はともかく、こういうプレーができる強靭さはオリーサの魅力ですね。
しかし、不和のオーブ、シグマの岩+メイン射撃、画面外のトールビョーンからのヘッドショット等もあり、オリーサは退くのが遅れて死んでしまいました。
オリーサはできればすぐに退いて降りるべきでしたが、想像より瞬間火力を出されてしまった。まあそれは仕方ないです。
問題は、その時の味方です。
未だに門の前にいます。これでは、オリーサが死んでいなかったとしても何にもなりません。
オリーサが高台から敵を下ろしたことで、中央には広大なスペースが生まれたはずです。しかし、そのチャンスを生かして立ち回ることができていません。
オリーサに降ろされたジャンクラットやゼニヤッタは狙い目なはずです。ソジョーンやエコーの火力なら仕留めることも可能だったかもしれません。
連携ができないと、連携ができるようにしておかないと、それも不可能です。
次のウェーブ。オリーサのみが死んだので、他の味方は準備できているはずです。オリーサは再び高台の方へアプローチしようとしますが、誰も来てくれない。
その時の味方の位置。
ハンゾーで小物を狙うとかならともかく、シグマを遠距離から撃ってて倒せるはずありません。
調和のオーブがアナに付いてますね。無駄な被弾をしたのでヒールをもらい、しかもあんなところまで退いています。
その間にオリーサはダメージを貰いながら進んでいるものの、味方は来ないしヒールも貰えていません。
これでは、どうやっても無理です。
無理なのでこのタンクはプレイを止めてしまいました。久しぶりにあんな露骨なトロールを見た気がする。トロールはやってはいけない行為ですが、まあ無理ですね。
このマッチの赤チームの人がこの記事を見てるとは思いませんが、この敗北はタンクのトロールのせいにしちゃダメですよ。
○追記:いいポジションを取りに行く
主にハイブリッドの試合で、こういう状況が非常に多く起こります。前にいかないと攻めることはできません。
タンクより前に出ろとか、全員でフルダイブしろとかそういうことではありません。マップには横道や高台など様々なポジションがあるので、タンクはそういう場所を確保するような動きをするべきですし、ダメージとサポートはそれに合わせて侵攻していかなければなりません。
ずっとチョークポイントの後ろの方で撃っているダメージやサポートのプレイヤーが多くいます。
ダメージはもちろん、サポートも相手に対して射撃やアビリティを使用しなければなりません。アナやゼニヤッタは特に。
ずっと後ろにいるだけでなく、味方と合わせて横や高台のポジションを取りに行き、有効な射撃やアビリティが行えるようにしましょう。
私は野良のランクマッチなんて、OTPとかトロールとかスマーフがいても仕方がないと思ってますし、自分も下手なんでそれは仕方ないんですが、前に出られない人たちとの試合が一番つまらないです。
負けはもちろん、そういう相手を第一で止めて勝ってもノーゲームでいいと思うレベルです。
アサルトがなくなったから攻撃の仕方を知らない人も増えたんでしょうか。やはりハナムラは必修科目なのか。
BLIZZARD WORLD第一の侵攻ルートの例。正面からだけでなく、左右に様々なルートがあり、ライフパックもあります。
ウィンストンやボールは高台にいる相手にアプローチできますし、トレーサー・ゲンジ・ソンブラは相手の横や背後から攻撃できます。
ソルジャー・アッシュ・ソジョーンは機動力を生かして高台を取りに行くような動きができます。
それ以外のヒーローたちは、移動系スキルを持たないからこそ、適切なポジションに移動する意識を強く持たないと、なかなか適切な行動が行えません。
門の前でずっと撃っているだけになってしまいます。気をつけましょう。
King's RowやMID TOWNなんかでも、最初の狭いチョークポイントから撃ってるだけという状況にならないように。
ちなみにバスティオンも機動力があります。練習しましょう。
MID TOWNの第一。電車下から左の方に抜けるルートはたくさんあります。
この記事は主に攻撃側の話ですが、MID TOWNは防衛側も注意しなければなりません。
防衛側で開幕に高台から撃っていると、敵の侵攻が止められません。すぐに電車下を抜けられ、ポイントの方へ展開されてしまいます。
電車の中を通ってポイントの方に顔を出す頃には十分にエリアを広げられており、防衛側が不利になります。
チームで作戦を立てているのなら良いですが、なんとなく開幕に撃ちたいという理由でここにいると攻撃側は大チャンスになります。
相手の構成がわからない試合開始直後だと、いきなりダイブされて終わる可能性もあります。
ゲンジやエコー、キリコあたりなら移動スキルがありますが、他のヒーローは気をつけましょう。
開幕に撃ちたいなら電車下からリスポーンに射線が通せます。
○無駄なアビリティ(リソース)を消費しない
難しいんですが、できるだけアビリティやヘルス等のリソースを無駄に消費しないようにしなければなりません。
特に交戦前に。
「味方と連携できるようにしよう」という話ですが、アビリティはそのために使いたいですね。
連携ができない状況で無駄に撃ち合って被弾し、アビリティを使ってしまい、今からみんなで交戦しようって時にアビリティがなくなっていると勝てません。
タンクならば、例えば盾。交戦するタイミングで既に割れてたら話になりません。タンクは多少は体で受けても死なないので盾は大切に。
あるいはオリーサのフォーティファイやジャベリンスピン、シグマの盾やキネティックグラスプをすぐに使い切っていると、前線で戦い続けることができなくなります。
ウィンストンはジャンプやバリアがすべてと言っても過言ではありません。無駄にバリアを置くともう何もできないただのデカいゴリラです。
ダメージやサポートでも同様で、アッシュのダイナマイトなんかはどんどん使っていくべきですが、移動・防御・回復系のアビリティは連携できないタイミングで無駄に浪費してはいけません。
メイの壁やクリオフリーズ、アナの瓶やバティストのイモータルなんかはとても重要なスキルです。無駄な被弾をし、自分が生き残るためだけにそれらのアビリティを使っていては不利になります。
(もちろん自分のためにアビリティを使うこともあります。)
アビリティを使用するタイミングというのは難しいですが、書いているように無駄に使ってはならないし、無駄に使わざるをえないようになる立ち回りをしてはいけません。
前の項目でも書いたように、意味のない場所・状況・タイミングで撃ち合い、それにアビリティを使ってしまうのは浪費です。
さっきプレイしていたとき、当たり合いが始まる前にゼニヤッタが前線で撃ち、相手のタンクに絡まれて死にかけ、心頭滅却を使って逃げるという状況がありました。
ゼニヤッタは交戦中に火力をしっかり出さないといけませんし、心頭滅却があるなら強気に撃ちに行くことも重要でしょう。しかし、交戦前にそんなことをやっていてはアビリティの浪費です。
これらの無駄なリソースの浪費は、意味のない被弾、すなわち意味のない交戦によって生じるものです。
「そこで撃っても意味ないよ」「なんで撃ってんの?」というのは、そういうことです。
補:
連携とは少し違う話ですが、無駄な射撃やアビリティを控えなければならない理由として、相手に対応されてしまうというものがあります。
マッチのレベルが上がるほど、無駄にアビリティを使うとそのスキを付かれますし、いいポジションで待てているのに無駄に撃つと相手に存在がばれてしまい、交戦前に対応されてしまいます。
私も以前のマッチで、リス地点にバスティオンのボムが飛んできたので、すぐにウィンストンからシグマに変えて勝った試合がありました。
相手のバスティオンはそういう無駄撃ちをせずに隠れておき、当たってくるタイミングで変形して強襲するべきでした。
ハイブリッドの延長戦で持ち時間は1分20秒、こちらが第一拠点を取れば勝ち、取れなければドローという状況で、相手はバスティオンのボムを無駄撃ちしたのが大きな敗因の一つとなってしまいました。
○連携のために味方の近くへ
以上を踏まえ、どうすれば味方と連携できるのでしょうか。もちろんチームを組んでプレイし、適切にコミュニケーションを取ればいいです。
しかしソロでプレイしており、味方もVCを積極的に利用していないという場合もあるでしょう。ならば、自分が味方に合わせなければなりません。
そのために重要なものの一つが、やはりポジショニングと適切な移動でしょう。
タンクがアクションを起こしたなら、そのアクションに自分もアクションを起こさねばなりません。
そのために、タンクがアクションを起こすタイミングで自分も適切にアクションを起こせるようにしておかねばなりません。
そのために必要なのがここまでに書いてきたように、ポジショニングであり、適切な移動であり、無駄なアビリティを浪費しないことです。
味方がアクションを起こしてチャンスになったときに、そのチャンスを確認できて自分もアクションを起こせるような位置にいるべきです。
以前の記事でも紹介したキール01氏のアナのプレイ動画。味方のウィンストンへ自分が連携しにいく立ち回りが素晴らしいです。
(時間指定してあります。そこのウェーブだけでも見ていただければ。)
注目してほしいのは、味方との距離感です。近いですね。
味方のウインストンのバリアの中にまでアナは移動しています。後ろでずっと撃っているだけが遠距離ヒーローの仕事ではありません。
移動中にトレーサーやD.vaに撃たれていますが、それにビビってずっと後ろにいては何もできませんし、それらのヒーローに対しては後ろにいれば安全というわけでもなく、もちろん撃ち返しても意味はありません。
味方と連携するために前に出て、アビリティを使い、最前線へダイブするウィンストンにヒールを回すことができています。
例:エスペランサ。
ロボットを押し返していると、高台にウィンストンやトレーサーが見えました。どうしますか?
下から高台にいるウィンストンやトレーサーを撃つ意味は全くありません。
優先するべきは移動・ポジショニング・ピンを含めたコミュニケーション・カバーする/されることです。
敵が見えたからといって条件反射で撃とうとしてはいけませんし、例えば後衛のアナが後ろに逃げ出してしまうと、遠くに行ってしまったゆえに味方のカバーが来なくて死ぬか、分断されて味方が死にます。
相手にダイブ系ヒーローがいるのならば、狙われやすく自衛手段の乏しい後衛のプレイヤーは特に気をつけなければなりません。
襲われても遠いとカバーしてもらえませんし、分断されて味方と連携できなくなります。
「撃つ」より先に考えるべきこと・やるべきことはたくさんあります。
構成やマップの構造的に、後ろの方にいてずっと射撃をするのがベストな状況というのももちろんあります。ペイロードの最終地点なんかは、攻撃側のアナはペイロード周りではなく後方にいるべきです。その位置から射線が通せ、瓶やスリープも当てられるからです。
しかし他の状況では、特にこちらが前進・攻撃していく場面では、味方の近くで連動できるように、味方が前に出れば自分も前へ、味方が下がるなら自分も下るという動きができるようにしておかなければなりません。
味方と距離が遠く離れていると、味方が進むと自分は何もできなくなります。以下にも書きますが、後ろにいる意味をよく考えなければなりません。味方の近くにいたほうが安全な場面はたくさんあります。
実戦での良くない例。パライソ第一。
攻撃側の青チームがポイントに攻め込み、互いにキル交換をして戦っています。
その時の青チームのアナ。
必死にADSして撃ってますが、これではいけませんね。味方にも敵にも射線が通せません。なのでポイント内で味方が死んでいきます。
味方と敵の状況やキルログをよく把握して、適切なポジションで適切にアクションを起こさねばなりません。
1枚目の画像のように、相手のラマットラやメイがポイント内の味方と戦っています。アナはこんな後ろにいなくても被弾しません。
○「死んではいけない」の意味
「初心者向け」とされているもので、特にサポートが「死んではいけない」という解説がなされていることがあります。その意味をよく考えなければなりません。
サポートは狙われやすいヒーローですし、OW2はタンクが一人なので守ってもらうことも難しく、すぐに死んでしまうロールです。
しかし重要なのは「無駄死にしないこと」「ファーストデスしないこと」であり、「死なないプレイをしていれば良い」というわけではありません。
敵から逃げていれば死なないことは可能ですが、自分だけ生き残ってもウェーブに負けては意味がありません。
味方と連携してリソースを吐ききり、最終的に死んでしまったというのであれば仕方がありませんが、味方と連携できず、交戦に有効的に参加できないゆえに生き残っているだけではダメですね。
「マップ構造としての後ろ」に逃げるだけが安全なわけではありません。横にある遮蔽物や建物の角を利用すればいいのに、無意識に「後ろ」へ下がるのが癖になっているようなプレイヤーもいます。気をつけましょう。
味方と離れれば離れるだけカバーはもらえなくなるし、トレーサーやゲンジ、ウィンストン相手には襲われてから後ろに下がっても逃げ切れません。
死にたくないなら、味方の近くにいてください。敵が襲ってきそうなら、そのぶん適切に距離を取ればいいです。
初めから襲われないポジションにいてもいいんですが、そうすると味方と連携を取るのが難しくなります。
襲われないほど強固な遮蔽や建物を利用しすぎすると、味方に射線が通しにくくなるし、味方もヒールが通る射線を把握するのが非常に難しいです。
襲われないほど遠くにいると、アビリティを適切に使うのが難しく、また状況判断もできなくなります。
だからアナは難しいんですよ。
「相手より先にファーストデスしない」ことは重要ですが、「味方が死んでいるのに自分は生きている」ということにはあまり意味はありません。
味方のデス数と自分のデス数がかけ離れているということは、ウェーブごとに上手く集団戦が起こせていないということです。味方が死んだのなら自分も死ぬぐらいの距離感のほうが連携ができる場合がほとんどです。
もちろん味方が無駄に突っ込んで死んでいるというような場合もありますが、「集団戦・ウェーブに負けたときに自分が生きていること」は別に誇らしいことではありません(負けウェーブで退けるなら退いていいんですが)。
以前のマッチで、タンクとダメージは6~7デスしているのに、アナとマーシーは1デスしかしていないという状況がありました。
トレーサーやモイラのように逃げ切れるヒーローでもないのにデスが少ないということは、味方が死んでいるときに自分は逃げ切れるほど遠くにいるということです。
そのデスの少なさはむしろ味方を殺していることになります。気をつけましょう。
追記:「当たる・当たりあい」
表現が正しいかはわかりませんが、しっかりと相手と当たって欲しいと思うことが多くあります。
特にベタ足タンク+ルシオのような構成の場合、近距離戦の強さを生かした戦いを他のヒーローもしなければなりません。リスクを背負ってでもしっかりと前に出て当たり、近距離の集団戦をしないといけない場面も多くあります。
(もちろん全員で突っ込むだけが正解ではありません。)
「タンクが前に突っ込むも、射撃系のダメージとサポートが後ろの方でペチペチ撃っているだけ」というような状況がよくあります。
中遠距離からポークしてるだけで倒せる状況ならいいですが、そうでないならばリスクを背負ってでも集団で当たる必要があります。
多くの対戦ゲームで言われることですが、基本的に「1-1交換ならOK」です。
もちろん無駄死にはいけませんが、自分もしっかりとダメージを与えれば味方はキルが取れるし、自分に費やされた相手のリソースのぶん他の味方は有利に戦えています。
そういう戦い方ができるのが、ダメージならゲンジ・リーパー・トレーサー・メイ、サポートならルシオ・モイラ・ブリギッテあたりでしょうか。
キャスディ・アッシュ・アナ・バティストあたりの射撃系のヒーローは人気ですが、そういうヒーローで後ろからペチペチ撃って、ダメージを食らったら後ろに下がるということをしていては集団戦・当たりあいができません。
○連携できていない原因を探す/不利だからこそ連携
上にも書いたんですが、特にオリーサやシグマ、ラマットラなんかは前線で戦いダメージも出し、やれてる感があります。
しかし状況が良くないならば、味方が上手く連携できていない原因を探さねばならないし、自分が味方と連携しなければなりません。
「ヒールが来ない」なら、ヒールを貰えるように自分がしなければなりません。極端ですが、私は交戦中に敵に背を向け後ろを振り返ってサポートの位置を確認することもあります。
味方が悪いこともあるでしょうが、そんなことを言っていても仕方がありません。試合に勝てません。ならば、自分が連携をとれるようにしましょう。
味方が頼りないからといって、ロードホッグやウィドウメイカー、ゼニヤッタあたりで自分一人の力でなんとかしようとすることもあるでしょう。
もちろんそういうピックが必要な状況もあるでしょうが、本当にそれで解決できるでしょうか。
(それで上手くいくならもっと上のレートにいるかもしれません。)
味方がトロールしていない限り、絶対に味方と連携して戦ったほうがキルも取りやすいし、死ににくいはずです。
味方が下手だったとしても、一人で戦うよりは味方と戦うほうが相手のフォーカスも分散し、自分は戦いやすいはずです。
個々の力で勝っていて有利ならば問題はありませんが、戦局が悪いのならば原因があるはずです。
地形的に不利、ヒーローの相性が悪い、プレイヤーの力量不足など、不利な状況は様々です。そうであればこそ、味方と連携して不利な局面を打開できるようにしたいものです。
重要なのは、連携というのは味方をアテにするということではないということです。
「自分が」活躍・キャリーしなければなりません。そのために必要なのは、「自分が」味方の行動にともない適切な行動をすることです。
味方のタンクが撃たれているなら自分はフリーで撃つチャンスです。そこで十分な火力を出しましょう。
自分がキャリーしたいなら、味方が交戦していない時に撃つべきではありません。
連携というのは味方にしてもらうものではなく、自分が味方を利用することでもあります。
味方を利用して、自分が活躍できるように行動しましょう。
一人で突っ込んで撃ってても、よほどのスマーフじゃない限りは死ぬだけです。
○固まって(連動して)動く
Overwatchには様々な構成や戦術、ヒーローの種類がありますが、初級~中級のプレイヤーであれば、味方と固まって連動して戦い、連携を高めるほうが良いでしょう。できることをやりましょう。
もちろん固まらないような構成と戦術もありますが、それは上位のプレイヤーたちによるハイレベルな試合だからこそ成り立つものだと思います。
お互いに距離が離れている状況での連携というのは簡単ではありません。
OW2においても、ここまでの競技シーンではほとんどが集団でのラッシュ構成です。
それらの構成を真似するならば、立ち回りも真似しないといけません。
ルシオ・キリコというような構成は特に連携が重要で、チームがバラバラに戦っていてはヒールもカバーもできません。
ルシオのスピードブーストや範囲ヒール、キリコの狐走りや鈴の無敵は味方が集団で戦うからこそ効力を十分に発揮します。
もちろんそれはずっと一箇所に固まっておくという意味ではありません。味方との連携・連動が重要です。キリコは初めは離れたところにいて後から味方へ飛ぶというのも連動です。
一部ヒーローを除き、基本的に味方との距離が遠すぎてはいけません。自分が連携できないし、味方からも連携(カバー)されません。
味方が撃っている敵を自分も撃つことができていますか?シグマが岩を当ててスタンさせた敵を撃てていますか?自分が敵に絡まれたときに味方からのカバーが来ていますか?
一人で撃って敵を倒せるなら、あるいは一方的に撃ってダメージを稼げる状況でないならば、基本的には味方と一緒に行動して近くで戦ったほうが良いです。味方が離れたなら付いていきましょう。
アナやゼニヤッタという遠距離系のヒーローでも、味方と近いとカバーしやすくカバーされやすい。
特に相手がダイブやフランカーの時は孤立してると狙われます。
タイマンが強く逃げやすいヒーロー(リーパー等)や、一人でも対処できるほど上手いプレイヤーでないなら、味方と連携できる位置にいましょう。
○リグループしたあと
様々なところで語られているので、初心者の方でもリグループという概念は覚えてきたと思います。リスポーンした順に前に出て、一人ずつやられていくということはなくなってきたかもしれません。
しかし味方のリスポーンを待てるようにはなったものの、その後の「集団戦」や「当たり合い」はできているでしょうか。
ウェーブが終わって、みんな揃った。そして、バラバラに戦い始める。
それではいけませんね。
もちろんヒーローや状況によるんですが、基本的に攻撃側・侵攻する側はタンクと連動して一緒に戦いましょう。
防衛側は地形を生かして、有利なポジションから一方的に撃てるようにしたいですが、もちろんバラバラに離れ過ぎると各個撃破されます。
○集団戦
これまで書いてきたように、このゲームは1vs1をするよりも2vs1や3vs1、もっと言えば5vs3のような状況を作り出すほうが有利に戦えます。各々がバラバラに戦っていると不利です。
生き残っているプレイヤーの人数ではなく、集団戦に参加しているプレイヤーの数です。
「タンクがアクションを起こして、その間に有利なポジションへ移動」のようなことを書きましたが、それ以外にも連携するべき、連携のきっかけになるアクションはたくさんあります。
例えばリーパーやゲンジがナノブーストをもらって敵に近接戦を仕掛けに行くのなら、自分も一緒に戦うほうがいいですね。
ウィンストンならそこにジャンプしてバリア、アナがそこに瓶を投げれば相手は壊滅です。
あるいは、アッシュやハンゾーは中遠距離からダメージを出せますが、そのダメージをきっかけとして何らかのアクションを起こさねばなりません。遠距離からソロキルを狙うのだけが遠距離ヒーローの意義ではありません。
ダメージを出した相手をキルしきらないと意味がないので、他の味方はそこを狙うべきです。
そのために、ダメージを受けてライフが減った敵をすぐに倒しきれる準備をしておかなければなりません。
「ポークヒーロー、ポーク構成だから」といって全員が直線状・遠距離にいると、せっかく大ダメージを与えても回復されるだけです。
ポーク系のヒーローや構成だったとしても、基本的にポークだけで完結することはありません。ポイントに触らないといけないので。
ポイント付近での集団戦を制するために、様々な味方との連携ができるように準備しておかなければなりませんし、ウィドウメイカーでない限りはそれを狙って戦うほうが有利です。
ポーク系のヒーローでも、例えばシグマの岩が当たった、アッシュがヘッドショットをした、アナの阻害が通ったというような、状況が有利になりアクションを起こすきっかけとなりうる味方のプレイに連携して、自分もアクションを起こせるようにしておかなければなりません。
後ろの方でずっと撃ってるだけではそれは難しい場合が多いですし、味方との距離が遠くても無理です。
味方がアルティメットを使ったのならばそれは集団戦のきっかけになります。
リーパーやゲンジにナノブーストがついた、狐走りを発動した、グラビティフラックスで敵が数人浮いている、等。
そのタイミングは集団戦を有利に展開できるチャンスです。その機を逃さず、積極的に味方と連動して有利な集団戦を起こし、制圧していきましょう。
「集団戦」。できていますか?
味方が起こしたアクションや有利になるきっかけに対して、自分も適切に連携できているかを考えてみるといいかもしれません。
はじめにも書いたように、「ソロプレイだから連携できない」ではなく、「ソロプレイだからこそ自分が味方に連携しに行く」意識を持つと良いと思います。
プロの実戦例。ラッシュ構成の集団戦。
「ラッシュ構成」ってのはこういうことです。
構成の紹介ってことで、ダイブだとかポークだとかラッシュだとかに分類するような説明がありますが、「その構成で具体的にどう戦うか」ってところまで説明されているものは少ないように感じます。
味方に合わせたピックをするだけでなく、その構成に合わせた戦い方をしなければなりません。
ラッシュ構成なのにバラバラに撃ってては意味がありませんね。
※野良のプレイヤーは「グループに招待」を選択することで、ソロプレイヤーかパーティプレイヤーかを見分けることができます。
ソロプレイヤーだと「ライバル・プレイ中のプレイヤーをグループに招待することはできません」と表示され、パーティだと「すでにグループに参加しています」と、画面左下に表示されます。
これで調べてもグループに招待することにはならないので、気になったら調べてみましょう。
ただし、4人パーティか2+2パーティなのか、相手チームだと5人パーティなのか2+3パーティなのかは区別が付きません。
○まとめ
・味方と連携しましょう。一人で撃ってても何も起こりません。
・味方と連携できるように立ち回りましょう。ポジショニングが悪いと味方が前に出ても自分がついていけず、無駄に被弾したりアビリティを浪費していると連携して戦えません。
・味方がアクションを起こしたときに自分もアクションを起こせるようにしましょう。特にタンクは味方がアクションを起こせるように自分がアクションを起こさないといけません。
自分が味方と連携できるようにしようとか書いてますが、とは言っても5対5なんで味方が悪いとやっぱり負けますよ。
「負けたのは味方が悪い、はい次。」「マッチングがクソ」ぐらいのメンタルのほうが対戦ゲームをやるには向いていると思います。
少なくとも、プレイをやめてこんな記事を書くよりかは経験も技術も向上することでしょう。
私はあんまり向いてない。
2022/12/28 山下
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