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原神の【会心率:会心ダメ=1:2】は期待値が高いわけではない

 2022/01/14 改定

 原神の「会心率:会心ダメは1:2がいい」と、様々なところで言われていますが、誤解を生むような表記間違っている記述も少なくなく、勘違いしている人も多くいるようです。

 そこらへんについて、色々と書いていきます。

 (※内容を改定しました。もともとの本文を下の方にそのまま残してるんですが、読まなくていいです。)

1.「比率が」強いわけじゃないです。

 「1:2が強い・期待値が高い」とよく言われますが、このゲームのダメージや期待値は比率によって決まるわけではなく数値の大小で決まります

 1:2に近い数値なら比率ボーナスのようなものがあるとか、そういう仕組みではありません。
 したがって、率とダメは高ければ高いほど強くなり、期待値も高くなります。

 会心率が30%、会心ダメが60%なら比率は1:2ですが、あまり強くはありません。
 会心率が30%、会心ダメが120%なら比率は1:4ですが、こちらのほうが強いです。

 「1:2にするためにダメを120から60に落とす」とかいうのは、明確に間違いです。比率は関係なく、数値が大きいほうが強いです。

2.期待値は「率×ダメ」で比較できます。

 会心系だけの期待値を比較するなら、「会心率×会心ダメ」の数値の大小で比較できます

 率:ダメが50:90ならば50×904,500です。
 率:ダメが60:80ならば60×804,800です。
 したがって、この二つの会心だけの比較なら60:80のほうが強いです。

 実際の火力を考えるときは会心系以外にも攻撃力や各種ダメバフ、他キャラからの強化や元素反応なんかも考慮に入れなければならないので、会心のことばっかり考えてるわけにもいきません。

 しかし、とりあえず「会心の期待値だけ」の話なら、率×ダメの数値が大きいほうが期待値が高くなります


3.目安は50:100~60:120ぐらい

 では具体的に、率とダメはどれくらいの数値になればいいのでしょうか。

 現実的な値としては、会心系をキャラ固有や武器で持っていないキャラなら、60:120ぐらいが目安となるでしょうか。
 もちろん、数値が大きければ大きいほど良いです。

 会心率の冠を装備させると36.1:50となり、他のサブオプションで60:120くらいは、特にメインのダメージソースとなるキャラならば目指していいと思います。
 50:100より低いならば、もう少し周回して集めてもいいでしょう。

 (※ここで50:100や60:120という比率にしてるのは、「1:2が強いから」ではなく、聖遺物の数値設定により、良さそうなのを集めたら現実的にそれぐらいになるからです。)

 キャラの固有で率やダメを持っていたり、武器に会心系がついてるならもっと高くなります。
 キャラと自分の持っている武器と聖遺物によって、どうすれば期待値が高くなるかは実際に計算してみればいいと思います。

 例えば神里綾香は自身の固有で会心ダメ氷共鳴氷聖遺物会心率を持っています。
 そこに霧切の廻光磐岩結緑、あるいはで会心率や会心ダメを上げることができます。
 他の聖遺物のサブオプションなんかも含めれば様々な要素があるので、期待値は自分の手持ちの武器や聖遺物について実際に計算してみるしかありません
 火力は会心だけが全てではないですが、会心だけの期待値比較は掛け算をするだけなので、実際にやってみるといいと思います。

 (私は神里綾香を持ってないのでよく知らないんですけどね!)

4.あんまり会心率と会心ダメにこだわらなくてもいいですよ。

 とは言っても、そこまで率ダメの期待値に固執しなくてもいいと思います。
 私が以前の記事で書いた時点のノエルの率:ダメは55.989.6でした(今はもう少し強いですが)。
 それでも螺旋12層メインアタッカーをこなせてたので、さほど神経質に率ダメにこだわる必要はないと思います。
 
 上に60:120ぐらいが目安とか書いてますが、私のキャラたちでそれぐらいなのが雷電将軍ノエルフィッシュル、そして武器と固有で会心を持っている胡桃しかいません。

 他のキャラたちはそもそも率とダメをほとんど考えてもいません。会心率の冠つけて、他の聖遺物で良さそうなのをつけてるだけです。
 それでも、現状はクリアできないコンテンツが無いので。

 というかそもそも良い聖遺物が出ねえから比較もクソもないです。

 こだわれるほど聖遺物や武器が充実している人は、率ダメだけではなく攻撃力や各種バフも考慮して計算しなければならないため、1:2がどうこう言ってる場合でもないと思います。
 強い人の胡桃75:230とかで、そこにHP%元素熟知なんかも加わってきます。
 
 一般人は、持ってる中から強そうなの装備させるだけです。

5.じゃあ「1:2」って何の話?

 ・「会心率×会心ダメ」が大きいほど、期待値が高いです。
 ・原神の率:ダメは、1:2で設定されているものが多いです。
 ・したがって、率×ダメの積を大きくしようとすると、比率は1:2になります

 (例:
 率10%またはダメ20%の装備を6箇所に装備できるとき、10:100や40:40にするよりも、率もダメも3つずつ、すなわち30:60にするのが最も期待値が高いです。)

(デフォが5:50だから実際はこうならないけど。)

  簡単に言うとこういう原理があるので、会心率とダメは1:2ということがよく言われています。

 しかし、ここから「1:2という比率」だけが独り歩きして、様々な誤解や勘違いを生んでいることがあります。
 この理論・原理だけを見て、「率:ダメは1:2なんだ!」というのは、適切でない場合が多くあります。


 初めに書いていますが、1:2という「比率が」強いわけではありません。
 「1:2が強い」というのは、「原理」や「理想」の場合だと言えるかもしれません。
 上記のように、1:2となっている率とダメの数値を複数の中から選べるのならば、30:60という数値にすると強くなります。

 しかし、もちろんそれを30:70にできるのならばそちらのほうが強いですし、率が落ちて1:2から離れることになっても、30:60よりは20:100のほうが期待値は高いです。

 そして現実としては、選べるほど聖遺物武器も充実してなかったり、胡桃みたいに固有ステ護摩の杖で会心ダメの方が爆上がりして1:2にはとてもならないキャラがいたりします。
 

まとめ:

 ・1:2にこだわらなくていいよ。できるだけ数字が大きいやつが強い。
 ・率とダメを選べるのなら、掛け算して積が大きいほうが期待値が高いです。

 雑に1:2の話をまとめるならば、
 ・理想や理論値は1:2です。
 ・現実的には、比率どうこうよりも、手持ちの中で数値が大きいやつが強いです。

 私だって胡桃の会心ダメが220%とかなので、会心率を100%にしたいです。でも出来ないので、1:2もクソもないです
 手持ちの中から最も期待値が高くなるように装備させたら、65:220ぐらいになります。現実として。

 厳密には、もっと色々とあります。以下に書いてることもあるし、書いてないこともあります。
 ここでいう「期待値」ってのは、「与えるダメージの数値の期待値」という話で、それが意味なかったり、他に優先するべき概念があったりします。それは以下の補足あたりに書いてます。

 とりあえずは、「率:ダメは1:2なの!!」というのは誤解だよ、ちゃんと色々考えて計算とかしようね。って話です。


/------以下、考え方についての追記。「1:2」という概念について考えたい方は、ぜひ読んでいただきたいです。------/

補:主張も、議論も、疑問も、「具体的」に。

--
 「1:2が強い」とか「1:2にするのがいい」とか言うけど、
 
 ・「強い」ってのは、何と比べて強いのか?
 ・「するほうがいい」とかいうのは、「何をするのが、どういいのか?」
 ・「理論値」とか「理想」とか「現実」とか、いろいろあるでしょ。

 そのへんをハッキリさせないと、主張も疑問もわけわからなくなるよ、っていう内容の補足です。
 改定前に書いた文章なので、上記と重複している記述も多くあります。ご了承。

--

 本稿もゴチャゴチャしてわかりにくいし、他の人たちの議論も色々ととっちらかっていることが多くある。

 様々な主張や議論・疑問は、「具体的」なものにするべきである。「会心率と会心ダメは1:2がいいんでしょ?」というのは、具体的ではない

 例えば本稿での私の一番の主張は、「率:ダメの比率に関係なく、積が大きいほうがダメージの期待値は大きい」というものである。

 したがって、「"ダメージの期待値を大きくしたい"場合、1:2に近づけるのではなく、積を大きくするほうがいい」。
 50:100と50:140は、1:2に近いのは前者だが、ダメージの期待値が大きいのは後者である。

 「1:2」という概念の基本というか、元になっている理論は、「率:ダメが1:2の比率で伸びていくならば、最終ステータスが1:2になっているときが最も期待値が高い」というものである。
 これは間違っていない。

 この理論で重要なのは、「1:2の比率で伸びるならば」という前提条件である。
 このゲームの率とダメは1:2の比率に設定されていることが多いが、そうでない場合もいくらでもある。

 例えば胡桃護摩の杖の場合は顕著だ。以下にも述べるが、胡桃に護摩の杖を装備させると「1:2の比率で伸びる」という前提がそもそも崩れる。したがって、その胡桃には「1:2の理論や概念」は使えない。

 あるいは、自身の持っている様々な聖遺物のサブオプションは1:2で伸びていないものも多くあるだろう。
 「理想」や「理論値」が1:2でも、自身の持っている聖遺物がそうでないという「現実」があるのならば、「1:2で伸びるならば」という前提が崩れるので、「最終ステータスを1:2にしたほうがいい」という理論も適用できない。
 (※多くの人の胡桃の率:ダメは70:220くらいの1:3を超えるような比率になっている。
 1:2で伸びず、持っている聖遺物の中ではそれが最も期待値が高くなるのならば、それが最適である。)

 「1:2が理想」というような表現が用いられることもあるが、この表現にも気をつけなければならない。

 「会心率が60%のときの理想的な会心ダメージの値は?」という問いがあったとき、「120%」と答えることはある意味では正しいが、ある意味では間違いだ。
 繰り返している通り、基本的に数値が高いほうが良い。したがって、理想を言えば120%よりも300%だ。 

 しかし、現実的にはそのように会心ダメージは伸びていかない。聖遺物だけで伸ばそうとすると、会心率が60%ぐらいのときは会心ダメージは120%ぐらいになる場合が多い。
 現実的な話ならば、上述しているように60:120ぐらいは目指せる値なので、ある程度の火力を求めるキャラの現状が60:90ぐらいならば、「60:120を目指してもいいよ」というのが、現実的な理想の値になる。

 現実的な理想の値とかいう意味不明な表現になったが、ないものねだりしてもしょうがない。
 聖遺物のサブステータスの伸びや限定武器の完凸など、上を目指すとキリがない。
 そのため、やはり育成においては「現実的な話」をするしかなくなる。
 
 「理想」というのは、「原神というゲームの限界値」の話なのか、「今の手持ちの聖遺物の中で一番良くなる組み合わせ」の話なのか、「あるコンテンツをクリアするのに必要な強さ」という話なのか。

 もっと言えば、会心以外の要素も考慮すると、他のステータスが疎かになるため、会心系を抑えることが理想になるかもしれない。
 申鶴などのキャラはバフ能力を伸ばすが、自身の火力も高いほうがもちろん良い。
 その場合でチームの全体火力を上げたい場合、「申鶴は会心が高ければ高いほうが理想」ではなくなるだろう。

 「理想」のような表現は誤解が生じやすい場合があるので、注意していきたい。

 では、現実的にはどのように考えていけばいいか。理論が適用できるかどうかを考え、できないならば具体的な数値を考慮に入れて、具体的に考えていけば良い

 今は率:ダメが50:100だけど、これを聖遺物のサブステータスで100:120になるように伸ばしたい」というのは、ほとんど不可能である。周回するだけ樹脂の無駄だ。 聖遺物のサブステータスは、そのように伸びない。このような、「具体的な問い・主張」ならば、「それはほぼ不可能だよ」と答えられる。

 あるいは、胡桃に護摩の杖を装備させるとする。会心ダメージは胡桃の固有ステータスで38.4%、護摩の杖で66.2%も上昇し、初期値の50%と合わせると154.6%になる。
 では、聖遺物で会心率はどの程度上げれば良いのか。この、「上げればいいのか」という問いであるが、もちろん上げられるだけ上げればいい。会心率は100%までなら高いほうが良い。

 しかし、実際に聖遺物を集めてみると、そうはならない。冠のメインステータスは会心率を選ぶだろうが、サブステータスは1:2で数値が伸びていくという仕様上、会心率は会心ダメージほど伸びていかない。

 上記のように護摩の杖を装備しただけの胡桃は、会心率5%、会心ダメージ154.6%である。ここから、「1:2にするのがいいから」といって、「77.3%:154.6%を目指して厳選する」というのは、現実的ではない
 (会心ダメージの方も勝手に伸びるので、1:2ではなくなる。)

 そして、「1:2にならないから護摩の杖を外して死闘の槍を装備させる」というのは、もっと間違いだ

 「上げればいいのか」という問いは、あまり具体的ではない。いいも悪いもない。聖遺物を集めていたら、勝手にステータスがついてくる。

 問いがもっと具体的で、「「率10%、ダメ15%、HP10%」の羽と、「率7%、ダメ16%、HP15%」の羽が手元にあるとき、胡桃にはどちらを装備させたほうがいいのか」というものならば、「計算するなり実際に殴ってみるなりして、ダメージ期待値が大きい方にすればいい」と答えられる。

 「こうしたほうがいい」「ああするほうがいい」というのは、具体的でなく、わかりにくく、議論にならない。
 「今の装備よりサブステータスで会心率を30%伸ばしたい」という具体的なものならば、そりゃあ「なったほうがいい」かもしれないが、「樹脂の無駄だからしないほうがいい」というのが現実だ。
 「ダメージがたったの1でも伸びるからいい」というのと、「このぐらいで妥協していい」というのは、全く別の話である

 また、「こうする」「ああする」というのは、プレイヤーの具体的な行動を示す。「1:2にするほうがいい」というのは曖昧で、もっと具体的に示すべきだ。
 「何をすると、何がいいのか」。

 例えば、「今持っている聖遺物の中から、率:ダメを1:2になるように装備させる」ということと、「新しく胡桃と護摩の杖を手に入れたから、最終ステータスが1:2になるような聖遺物を集めるため、秘境を周回する」というのは、全く別の話である

 「手持ちの聖遺物を装備させる」なら、「装備させてみてダメージ比較すりゃいいよ」と答えるし、「秘境を周回する」ならば、「目的とするステータスによっては現実的じゃないから、樹脂の無駄にならないようによく考えて計算しながら周回してね」と答える。

 護摩の杖を装備した胡桃会心率を80%や90%にするのは、なかなか難しい(狂戦士でも装備させるか?)。一方で、会心ダメージの方は胡桃や護摩の杖の特性上、200%を超えることも容易だ

 装備を考える上では、キャラや武器という具体的な数値がある。「どのキャラの、どのステータスを、どうしたいのか」をはっきりさせると、問いも答えも明確になる

 「私の胡桃は会心率が65%で会心ダメージが220%ですが、これを1:2に近づけるために会心ダメージを130%に落としたほうが良いですか?」という問いには、もちろんNOと答える。問いが具体的なので、答えも簡単だ。

 それが、「タルタリヤの率:ダメて1:2にするほうがいいの?」という曖昧なものだと、なかなか答えられない。
 今のステータスを知らないし、「する」というのが、今持っている聖遺物の比較なのか、会心率が上がる新武器を課金してまで取りに行くという話なのか。
 タルタリヤには会心で断流効果の付与という要素もあり、会心の価値が他のキャラと異なる。

 あるいは、絶縁がある程度集まったので雷電将軍に装備させたところ、会心率が30%、会心ダメージが60%になった。
 「1:2だからこれでいいんだ!」とは、ならない
 流石に、もう少し厳選を頑張りましょうと言うだろう。アタッカー運用したいなら、聖遺物で60:120ぐらいは目指してもいいだろう。

 そして60:120になったあと、運良くいい聖遺物を手に入れて60:140になったとする。「1:2になるように会心率を10%上げるために更に周回しよう!」というのは、余裕があるのならばしてもいいが、そこそこ樹脂も時間もかかるだろう。
 1:2という比率でも30:60で満足するべきではないし、1:2という比率にするために無理して60%から70%にする必要もない。

 以上の3例のように、キャラによって、あるいは現在の手持ちの数値によって、どのような数値を目指すのがいいのかは異なる


 「いい」というのも、単純なダメージ期待値がよくなるのか、会心による断流効果の付与を含めた話なのか、あるいは新武器を取るために課金するのはコスパがいいかどうかという話なのか。

 樹脂の消費効率を考えるのならば、他の育成要素がどの程度進んでいるかもプレイヤーによって異なる
 私の場合だと、レベルや武器、天賦はある程度の育成が完了したため、強くなるためには聖遺物のアタリを求めて周回することになる。
 ハズレ聖遺物ばかりで時間と樹脂を無駄にしてしまうかもしれないが、他の要素が強くならないのならば、それが最大効率ということになってしまう。
 もちろん、レベルや天賦が育ちきっていないプレイヤーならそちらを優先したほうが効率がいい。


 「無限に課金できて何百回と秘境周回をできる人が、ダメージの期待値をとにかく高くしたいときにどうするのか」という場合と、「カジュアルプレイヤーがどの程度の聖遺物で妥協すると樹脂の無駄が少なく効率がいいのか」という場合では、考え方も主張も回答も全く変わってくる。


補足のまとめ:
 何を「する」のが、どう「いい」のか
 キャラによって目標とする数値も違うし、今の手持ち装備の比較の話なのか、新たに課金したり樹脂を消費するという話なのか。
 あるいは、少しでもダメージを大きくしたいのか、ある程度の強さで妥協したいのか。

 1:2という概念を使っている人が、「1:2にするために会心ダメを下げたほうがいい」とか、「1:2なので雷電将軍の率:ダメは30:60でOK」とか、そういうことを言いたいわけではないことは重々承知している。

 「何が1:2で、それによって何を考え、どのキャラを、どういうステータスにするために、プレイヤーは具体的に何をするのか。

 問いも、主張も、回答も、「具体的に」
 「1:2を意識する」とかでは、何が何やらわからない。

 そんなことを言いつつ、この記事の中でも曖昧な主張や表現がたくさんある。申し訳ないです。



/---以下、もともとの本文。読まなくていいです。---/

 原神の会心率や会心ダメージの計算について、様々なところで「会心率:会心ダメージの比率は1:2にするのがよい」という説明がなされている。はっきりいうと、それは大きな間違いであり、勘違いされている事柄が多い

 結論から言うと、「どちらもできるだけ大きい数値にしたほうがよい」が正解である。具体的には、「会心率×会心ダメージの積が大きい方が期待値が高い」。1:2という比率は関係がない。

 また、会心率:会心ダメージを1:2に「する」「育てる」という表記もよく見られるが、最終ステータスを1:2に「する」のがダメージの期待値最大ではないし、そもそもこのゲームは自由にステータスを割り振るゲームではないので、「育てる」という表現も適切ではない

 本稿では、基本的な会心に関するダメージ計算についての確認と、具体的にどのように装備を整えていけばいいかを示したい。

 あくまでも「会心率と会心ダメージ」の単純な期待値に絞った内容であるため、煙緋などの装備で話題にもなる「攻撃力と炎バフと会心の関係」のような事柄には触れない。しかし、そちらも基本的には単純な掛け算なので、自身で計算をすればよいだけである。
 また、補足でも後述するが、このゲームは「単純な期待値」があまり意味を成さないことが多いため、実際の戦闘においては様々なスキルやバフがどのように影響するのかを自分で検証してみるしかない。

 「率:ダメは1:2なの!!!」という先入観・誤解を解き、「ちゃんと自分で計算したり考えたりしようね。」という記事である。

(※2021/5/5時点での内容に基づいた記事となります。今後のアップデートにより、聖遺物のステータスや計算等が変わる可能性もあります。)


1.会心のダメージ計算

 まず、会心に関するダメージ計算について確認する。仕組みは単純で、「会心が発生すると、会心ダメージぶんだけダメージが上乗せされる」というだけである。

画像2
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 画像はとある胡桃のステータスと、実際の攻撃(通常攻撃1段目)のダメージである。普通に殴ると、177のダメージが出る。会心が発生すると、177に会心率の163.8%が上乗せされ、ダメージは 177 + 177*1.638 ≒ 467 となる(厳密なダメージ計算の四捨五入の関係から、最終的な数値は多少ずれることが多い)。

2.期待値計算

 会心ダメージの計算の仕方がわかったので、期待値を求めることにする。これも簡単で、(会心が出ない確率)*(会心が出ないときのダメージ)+ (会心が出る確率)*(会心が出たときのダメージ)である。上記の胡桃であれば、会心率77.9%、会心ダメージ163.8%なので、期待値は(0.221 * 177)+(0.779 *  (177+ 177* 1.638))である。

 これを、素のダメージをD、会心率をP、会心ダメージをcDとして一般化すると、(1-P)*D + P*(D+D*cD)となり、展開してまとめると、

   D(1+P*cD)  

が最終的な期待値となる。Dは素の攻撃のダメージであるので一定だとすると、P*cD、すなわち会心率と会心ダメージの積によって期待値の大小は決まる

 特殊な係数等もなく、単純な掛け算である。したがって、どちらの数字も大きいほうが期待値も大きくなるのは当然である1:2にする必要などどこにもない。会心率:会心ダメージが「50%:100%」なのと、「70%:100%」では、1:2に近いのは前者であるが、積が大きいのは後者なので、そちらのほうがもちろん期待値は高い。

3.実際に数値をどうするか

 1:2にする必要がないことが判明したが、では実際にどのように数値を上げていけばいいだろうか。結論から言うと、

 「会心率と会心ダメージの積が最大となるように装備をすればいい

というだけである(食べ物やスキル等のバフがあるなら、それらも考慮にい入れればよい)。

 読者の方も御存知の通り、このゲームは装備やキャラ固有のステータスの伸び率が、会心率:会心ダメージが1:2になるように設定されている。そこらへんを勘違いして、1:2にするのがよいという誤解を招いている。

 レベルアップ時に自分で選んでパラメータを伸ばせるゲームもあり、そのようなゲームでは、いわゆる「ステ振り」をどのようにするのがよいか、という話が持ち上がることもある。

 しかし原神にはそのような「ステ振り」はなく、キャラごとの固有ステータスと一部の天賦効果を除けば、武器や聖遺物の装備だけである。現状、手元にあるものしか装備できない。したがって、持っている武器や聖遺物を比べて、会心率と会心ダメージの積が最大になるように装備するのが、最も期待値を上げる方法である

 「1:2に育てる」というような表現が用いられていることもあるが、このゲームは狙って育てることはできない。キャラの固有ステータスや武器のオプション、聖遺物のメインオプションの数値は決まっており、それは調べればわかる。聖遺物のサブオプションも、数値の比率こそ1:2ではあるが、ランダムで上昇していくので、自分で選んで育てることはできない。

 したがって1:2かどうか以前に、会心関係については、そもそも自分で選ぶことはほとんどできないのだ。決まっているステータスのキャラに、決まっている強さの武器を装備させ、ランダムに決まった聖遺物のサブオプションの数値があり、それらを合計して、掛け算の値が大きいように装備するという選択しかできない。

 現在所持していない聖遺物やガチャ武器等を狙うかどうかについても、調べれば数値が出てくるので、実際に現在の手持ちキャラや武器と併せて計算すればいいことである。「1:2で育てる」というのは、そもそも概念がおかしい。具体的に「1:2で育てている」という人がいるのならば、ぜひ見せてもらいたいものだ。

4.具体的な装備の選び方

画像3

 画像は、私の胡桃の冠以外の聖遺物を装備した状態である。胡桃の固有ステータスや、冠以外の聖遺物のサブステータスで会心率・会心ダメージが上がっているため、上記のように会心率46.8%、会心ダメージ133.5%という数値となっている。

 では、この胡桃に装備するべき冠のメインステータスは、会心率と会心ダメージのどちらであるだろうか。☆5聖遺物のステータスの上限は、会心率が31.1%、会心ダメージが62.2%である。それぞれを装備したときの期待値を実際に掛け算して計算してみればいいだけである。

 会心率の場合:(46.8 + 31.1)* 133.5 = 10,399.65

 会心ダメージの場合:46.8 * (133.5 + 62.2) = 9158.76

となるため、どちらの冠を育てていくかを選ぶのなら、会心率の冠を育てて装備させたほうが期待値が高い。実際には、私は会心ダメージの冠を持っていないので育てようがない。しかし、会心ダメージの方を装備しても期待値が高くならないことがわかるため、会心ダメージの冠を狙って周回する必要がないことがわかる。

 これは実際の私の胡桃の場合であるが、他の場合においても実際に計算してみるとすぐにわかる。

 例えば、キャラの初期状態は会心率が5%、会心ダメージが50%である。この状態のキャラには、会心ダメージ62.2%の冠よりも会心率31.1%の冠を装備させたほうが期待値が高くなる。

 しかし、武器や固有ステータス等で会心率が11.1%以上盛れていて、会心率が16.1%以上あるのであれば、期待値は会心ダメージの冠のほうが高くなる。自分の手持ちの装備の数値を実際に計算して比較してみればいい

 上記の胡桃の場合でも、他の要素により会心率がさらに高かった場合、例えば会心率が70%で会心ダメージが100%だった場合、会心ダメージの冠の方が期待値が高くなる。 

5.結論

 ・会心率と会心ダメージはどちらも大きいほどよい。1:2に近づけることが正解ではない。

 ・期待値は単純な掛け算であるので、積が大きくなるように装備すれば良い。

 ・実際に計算してみましょう

 それだけの、単純な話である。このゲームは、装備やステータスの会心率と会心ダメージの数値が1:2のバランスで設定されているのは事実であるが、それは1:2にした方が強いという意味ではないことは誤解のないようにしたい。

 具体的な数値は、検索すればわかるだろう。したがって、どの聖遺物を育てるか、どの武器を狙ってガチャを回すかといった疑問は、実際に自分のキャラの場合に当てはめて計算してみればよい。計算は、会心率と会心ダメージの掛け算である。1:2という比率は関係なく、単純な掛け算である。

補足1 「期待値」という言葉について

 ここまで「期待値」というものの計算をしてきたが、それはあくまでも「攻撃1回あたりのダメージ量の期待値」である。単純に同じ敵を何回も殴り続けるような場面があるのであれば、期待値が高いほうが有利である。

 しかし、実際の戦闘ではそうではないこともある。例えば、自身の素のダメージが100で、会心ダメージが100%だった場合、会心発生時のダメージは200である。ここで、HP200の敵が大量に出現する場合を考えたとき、ダメージをそれ以上伸ばす必要はないため、できる限り会心率を上げたほうが敵を殲滅する効率は良い

 計算上の「期待値」では、会心率が50%で会心ダメージが1000000%の方が高いかもしれないが、殲滅効率を考えると、会心率が100%で会心ダメージも100%の方が良い。

 また、「会心発生時に~」という効果を発動させたいのならば、もちろん会心率を盛ったほうがよい。

 あるいは、素のダメージ100でHP201の敵を想定するのならば、会心率100%・会心ダメージ100%であれば攻撃を2発当てないと倒せないが、会心率90%・会心ダメージ110%にすると単純な期待値は落ちるが、90%の確率で1撃で倒せるので、殲滅効率はそちらのほうが上である。

 とはいえ、様々なキャラのスキルを使い、様々な敵と戦っていくゲームなので、ダメージはいくらでも増減し、求められるダメージ量も異なる。特定の状況を想定するよりは、殆どの場合は単純な「期待値」を上げておけば問題ないだろう。

追記:

 上記のように、実践においてはどのような敵をどのように殲滅するかを想定することが重要である。聖遺物の厳選を進め、武器やパーティーメンバーもある程度自由に選べるほどゲームをやり込んでいるプレイヤーならば、目的となるのは現状では螺旋の完全クリアや、最大ダメージチャレンジ等であろう。

 そうなると、「単純な期待値」というものはあまり意味をなさなくなる。最大ダメージチャレンジはその最たるもので、会心率が5%であったとしても、会心ダメージをとにかく伸ばしていって試行回数を増やすだけである。

 螺旋の時短目的ならば、その状況にあわせたパーティで元素爆発も溜まっているため、「コンボ」のような決まった手順でスキルを発動させ、的確に/適切にダメージを与えていくことが重要である。すなわち、ダメージや会心率等のバフをどのように味方に付与するかを予め決めておける。

 普段は別に誰でもいいのでパーティを好きなキャラで構成し、螺旋や秘境になると相手に合わせてパーティを組むというのは当然のことである。私も、胡桃やロサリア、氷共鳴などの会心率バフを前提とした聖遺物の装備のさせ方をすることもある。
 しかし、バフの継続時間や元素爆発のチャージやクールタイム、敵の相性や回復の手間等により、理想的なバフをかけ続けて最も高い期待値を維持するというのは不可能である。
 真に効率的な戦闘を求めるのならば、実戦を録画して見直すことにより、バフの継続時間やクールタイム、実際のダメージ等を確認してみて、戦闘に合うようなものを模索していくしか無い。しかし、それも汎用性がない場合は多い。ザコ敵が多く湧く場合とボス戦では戦闘は全く異なる。

 したがって、現状の実戦においては、あまり「期待値」に拘る必要はない。今後のエンドコンテンツで、例えば一人のキャラで3分間殴り続けて総ダメージの多さを競うようなものがあれば、「単純な期待値」というものが重要になるかもしれないが。

補足2 むしろ、1:1が最も期待値が高いが…

 ご存じの方も多いと思うが、「周の長さが一定の四角形の面積は、正方形のときに最大になる」というものがある。知らない人は調べてみるなり自分で計算するなり、してみればよいだろう。

 すなわち、「A+Bの値が一定のとき、A*Bの値が最も大きくなるのはA=Bのとき」である。上述のように会心の期待値計算において、会心率と会心ダメージは単純な掛け算なので、「合計の数値が一定ならば」、会心率:会心ダメージは1:1が最も期待値が高くなる

 「合計の数値が一定ならば」というところが、難しいところである。例えば、現在のステータスが会心率40%、会心ダメージ50%であるとする。ここで、「会心率が10%上がる装備」と「会心ダメージが10%上がる装備」があるならば、どちらを装備しても合計の数値は一定であるため、会心率を上げて1:1に近づけたほうが期待値が高い。(単純な計算で、50*50の方が40*60よりも数値が大きいからだ。)

 しかし、原神というゲームの設定上、存在するのは「会心率が10%上がる装備」と、「会心ダメージが20%上がる装備」である。その二つを、上記の率:ダメが40:50のキャラに装備させるならば、50*50よりも40*70の方が数値が大きいので、後者のほうが期待値が高くなる。

 繰り返しになるが、「合計の数値が一定ならば」、1:1が最も期待値が高くなるが、原神というゲームは率:ダメが1:2の数値になるように設定されているため、結果的に50:50よりも40:70という、1:2に近いほうが期待値が高くなりやすいことがある。

 しかし、何度も繰り返しているとおり、1:1や1:2という比率が重要なのではなく、実際に計算してみて、期待値を比較することが重要である

後記 1:2を意識する場面がなくはないのか?

 では、「1:2」という概念は完全に無駄かというと、そういうわけでもない。会心率と会心ダメージがそのように設定され、伸びていくという仕組みを把握しておくと、具体的に有用な場面があるといえば、ある。

 重課金者かつ熟練のプレイヤーで、武器や聖遺物も潤沢に揃っていれば、上記のようにとにかく強いものを装備すればいいだけである。「☆5炎の魔女が各部位20個ずつあって、ガチャ武器も全部持ってるけど、どれを装備させようかな~」とかいう贅沢な悩みであれば、計算して数値が大きいものを装備すれば良い。

 しかし、「素材が足りない」「樹脂が足りない」「モラが足りない」というのは、ほとんどの冒険者の悩みであろう。したがって、選べるほどの武器も聖遺物もないため、あまり選択肢がないのだ。したがって、ライトユーザーならば、「期待値もクソもなく持っている一番良さそうなものを装備させる」ということが全てである。

 聖遺物の厳選をしようとしたり、武器ガチャを回したい場合でも、実際に計算してみればよい。上述のように、私の胡桃の場合、計算によって会心ダメージを62.2%上げるよりも、会心率を31.1%上げるほうが期待値が高いので、会心ダメージの冠を狙って秘境を周回する必要はない(もちろん、「単純な期待値」を重視しないならば、考慮の余地はいくらでもある)。

 私の胡桃の場合は微差であったが、他の場合だと、「現在はとりあえず会心率の方をつけているけど、サブオプションもあまりよくないし、会心ダメージを62.2%伸ばしたほうが期待値が高くなる」という理由から、秘境を周回する必要もあるかもしれない。ただし、これは実際に「31.1%」と「62.2%」を計算した結果であるというのは忘れてはならない。「1:2だから」ではない

 ただ、樹脂等は無限ではないので、無駄に資源を使わないためにも、会心率や会心ダメージがどのように上がっていくのかは理解しておきたい。聖遺物のメインステータスだけでなく、サブオプションの伸びも概ね1:2であるので、サブオプションだけで会心率を多く盛るのは難しいことを理解しておけば、そのような無駄な浪費もなくなるかもしれない

 「(複数の聖遺物の合計で)サブオプションで会心率が30%、会心ダメージが15%上がれば嬉しい!厳選しよう!」と思っても、そのような数値には非常になりにくい。「会心率15%、会心ダメージ30%」を目指すならば、1:2の法則により現実的であるので、厳選してもいいかもしれない。

 また、紀行武器と呼ばれる黒剣や螭龍の剣などは、会心率が上昇する。紀行武器も無限に手に入れられるものではないため、慎重に選びたいところである。紀行武器だけでなく、様々な装備やステータスにおいて、会心率:会心ダメージの数値が「1:2」に設定されていることを理解しておけば、現在の自分のキャラのステータスを鑑みた上で、どのようにすれば無駄がなくなるのかを考えることができるかもしれない。

 とはいえ、やはり自分から進んで「1:2の法則だからこうしよう」と選べるような場面は、あまりない。「次に実装されるキャラと武器は会心率が上がるらしい。1:2の伸び率を考えると、おおよそ会心率がこれくらいの数値になるので、聖遺物で会心ダメージを上げようとすると、Aの冠ではなくBの冠の方を強化しておいたほうが、素材とモラの無駄がなさそうだ」というような場面はあるかもしれないが。

 繰り返しになるが、自分のキャラの現在のステータスと、装備で上がるステータスを計算してみて、掛け算の積が大きいほうが期待値が高くなる。その基本は抑えておいてもらいたい。


2021/05/05 

2021/05/09 一部加筆修正
2021/09/22 冒頭の簡易版を追記
2021/10/10 「補:~」を追記
2022/01/14 序盤を改定

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