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【OW2】「影響率」の差はレートの差

 強いヒーローを使ってるのにレートが上がらない。
 逆に、よくわからんヒーローのOTPなのにレートが高いプレイヤーもいる。

 それは総合的なOWの上手さの問題だけども、具体的に言えば「影響率」の差が原因かもね、という記事。


◯ヒーロー×ハンドスキル×影響率=貢献度

 これ以外もあるけど、この三項目について。

◇ヒーロー

 ヒーローの強弱とかいうのはあんまり好きじゃないけど、ヒーローによって単純なパワーの差というものはあるだろう。
 使いやすさとか状況によってーー等は排除した、理論値のようなもの。

 もちろんそれも曖昧なもので、チートのようなエイム力とか言い出すと極端だし、パッチによっても変わるから細かい比較に意味はない。 
 なんだけども、少なくとも例えば執筆時点のパッチにおいては、アッシュアナはパワーが大きく、ジャンクラットマーシーはパワーが小さいと言っていいだろう。
 (この記事は結構前に書いてたんで、投稿時とは違うかもしれない。そこはどうでもいい。)

 んで、やっぱりパワーが高いヒーローのほうが強いはず。なのに、そういうヒーローを使っていてもあまり勝てず、レートも上がっていかないプレイヤーはたくさんいるだろう。
 D.vaアッシュアナキリコジュノ。みんな強い。じゃあそいつらを使ってたらグラマスなのか?
 もちろんそうじゃない。それらのヒーローを使ってシルバーやゴールドぐらいのプレイヤーだってたくさんいる。

 逆に上の方のレートの試合においても、パワーがないヒーローが使われることは多くあるし、マップに合わない・バラバラの構成な場合もある。
 ではなぜそれらのプレイヤーは上のレートにいるのか?

ーー

◇ハンドスキル

 総合的な意味でいえば上手いか下手かの話にはなるんだけども、例えばハンドスキル。主に、エイムキャラコンと呼ばれるようなもの。
 ヒーロー特有のテクニックやコンボのようなものも含まれる。

 んで、もちろんハンドスキルは高いほうがいい。やっぱり概ねレートとハンドスキルは比例する場合は多いはず。
 初級者ならともかく、上位帯のレートまで上手くなりたい・レートを上げたいならば、その部分から逃げていては難しい場合が多いだろう。

 しかし気をつけなければならないのは、レートの低いプレイヤーはハンドスキルが足りないだけではないし、そのプレイヤーがレートを上げたいときに身につけるべきものの最優先がハンドスキルではない場合も多いだろう、ということだ。

 ラインハルトの上手さの差はファイヤストライクのエイムの差なのか?
 私よりエイムのいいアナやアッシュがなぜシルバーやゴールドで停滞しているのか?
 私はフィジカルが弱いし、サポートをやるとパワーのないモイラぐらいしかまともに使えない。それでも私よりレートの低いプレイヤーもたくさんいるのはなぜか?

 それを「立ち回り」というのかもしれないけども、言葉が曖昧で今ひとつピンとこないかもしれない。そこで、私は「影響率」ってものを提唱したい。
ーーー

◇「影響率」

 上に挙げた二項目、ヒーローのパワーとプレイヤーのハンドスキルを、いかにプレイングに反映させ、試合の貢献へと繋げるのか。
 ヒーローとプレイヤーのポテンシャルを、どれだけ交戦へ伝えられているのか。それが影響率だ。

 レートの高いプレイヤー・低いプレイヤーの配信を見ていて、よっぽどの上位と下位のレート帯を除けば、ヒーローや構成なんかは大して変わりはない
 ダイヤやマスターだってクソみたいな構成・ヒーローがたくさん出てくるし、シルバーやゴールドでも強いとされているヒーローが使われている。

 もちろんそこにハンドスキルの差もあるのだろうけども、配信では配信者以外のエイムの良さはわからないし、あるいは私がリプレイを見直す時は個人視点ではなく俯瞰視点で見る場合が多いので、ハンドスキルなんて気にしちゃいない。

 しかしそこで気づくのは、影響率の差だ。変なヒーローを使っていても上位レートだとしっかりと影響を与えられているし、下のレートだと交戦に与えている影響率が低いのが見て取れる。

 記事のサムネの画像だが、式は左から「ヒーローパワー」×「ハンドスキル」×「影響率」だ。
 ゴールドでは、アッシュやアナというパワー100のヒーローを、50くらいのハンドスキルで使っている。
 一方で、例えばマスターにもジャンクラットやマーシーはいる。ヒーローのパワーは60かもしれない。ハンドスキルは高いかもしれないが、所詮はジャンクラやマーシーなので75くらいかもしれない。

 ここだけを比べれば、100×50と60×75なので、前者の方が強いはずだ。しかし、そこに影響率の差が出てくる。
 ゴールドのアッシュやアナは、ヒーローのポテンシャルやプレイヤーのハンドスキルの20%くらいしか交戦に対して伝えることができていないかもしれない。だから100×50の20%で貢献度は1,000だ。

 一方でマスターのプレイヤーは、ジャンクラットやマーシーを使ってもポテンシャルやハンドスキルを交戦に対して80%伝えることができているならば、65×75の80%で貢献度は3,600になる。

 
 ここまでは抽象的な話。数値も根拠なんてないし。
 いやここからも根拠なんてないんだけど、少しでも具体的に考えていこう。


◯具体的な影響率の差

◇ヒーロー

 安定してパフォーマンスが出せるヒーローもいれば、そうでないヒーローもいる。
 マップ、味方や相手との相性、本人の技量によっても異なってくる。

 レッキング・ボールウィドウメイカーなんかは典型例。刺さるマップで刺さる相手に対して上手いプレイヤーが使えば無双できるけども、そうでない場面なら影響率は著しく下がってしまう。

ーー

 あるいは、汎用性もピック率も高いアッシュアナキリコかなり気をつけなければならない
 自分では頑張ってるつもりでも影響率が低くなっていることに気づきにくいヒーローの筆頭だと思う。

 ダメージは出せる。ヒールの数値は出てるし、阻害瓶や鈴も使っている。デスも少ない。
 だけども、本当にそれは交戦への影響率が高いかどうかを考え直さねばならない。

 必要なこと(チームに足りないこと)が火力ではなく展開・エリア関与なのにアッシュで撃っていても影響率は低い。
 シグマ・ヒットスキャン等の射撃系構成でアナを使うならば、阻害瓶に乗じてキルを取りに行けないから影響率は低いし、ナノブーストを有効活用できるヒーローが味方にいないかもしれない。
 キリコは……。過去の記事にも書いてるけど、私の初級者~中級者向けの記事が参考になるレベルのプレイヤーならば、申し訳ないけど、全部間違ってる

特に攻撃する立場だと顕著。
何かやってるつもりでも、それが攻撃に必要なことになっているか、影響率はいかほどか。

 アッシュでダメージを出す、アナで阻害瓶を入れる、キリコが御札や鈴を投げるというのはもちろん重要なことだ。それらのヒーローの基本的な行為。
 なんだけども、それをやっていれば交戦に良い影響を与えられているかは別の話だ。

 あるいは、自分だけでなく味方との兼ね合いもある。
 「ルシオは競技シーンでは必須だけど野良ではあんまり要らない」とよく言われるだろうが、そういうようなこと。
 味方と合わせづらい、味方が戦いづらいようなヒーローと戦い方では、影響率は低くなってしまう。

レッキング・ボールで120点のパフォーマンスを出していても、味方がボールのときのサポートは40点しか出せないかもしれない。
味方がラインハルトのときのサポートは、ラインハルトにヒールぶっぱしてるだけでも60点ぐらいの貢献になり、結果的にボールのときよりも戦力が上になるかもしれない。
Tier表なんかでもラインハルトは下の方に置かれることが多いけども、現実としてはこういうことになるので勝率は高くなるのではなかろうか。
※机上論で数値も掛け算も夢物語だけど、イメージとして。

ーーー
 さて、この記事の主題は「影響率の差とレート」なわけで、レートが高いプレイヤーと低いプレイヤーは影響率がどう違うのかってことが重要。

 もちろんそこにはエイムをはじめとしたフィジカルや瞬時の判断力、マップや味方・相手にあわせたピックプールの広さもあるのだけども、この記事で強調したいのは「交戦場所への影響率」だ。

◇交戦場所への影響率:ポジション

 簡潔に言えば、「必要な場所に対して影響を与えられているか」ということだ。

 上にジャンクラットやマーシーの例を挙げたが、確かにそれらはあまり強いとは言われないヒーローではあるが、必要な場所に対して的確に影響を与えることができていれば、十分な貢献となる。

レートが高くないジャンクラットは、戦っている場所に対して後ろからポコポコ撃ってるだけかもしれない。
レートの高いジャンクラットは、相手がサイドから来るならそこをしっかりと抑えるし、味方が攻めるタイミングではしっかりとそこに付いていき、交戦場所に対して影響を与えることができている。


 あるいはマーシーなんかでも、交戦が行われている場所、必要な味方に適格にヒールをしていれば十分な貢献となる。だからヒールしかしないマーシーでもブロンズじゃない
 あるいはマーシーは自らのポジション(キャラコン)も重要だ。自在に戦場を飛び回り、死なない程度に撃たれる・狙われるマーシーのほうが影響率は高い。
 逆に後ろの方で隠れてるだけのマーシーは影響率が低い。交戦場所≒影響を与えるべき場所に対して、自らの身体・ライフ・ベイトという影響を与えることができていないからだ。

仮にヒールしかしないのだとしても、交戦場所に対して多く影響を与えられるマーシーのほうが影響率は高い。
上にも書いたがヒールだけでなく、自らのライフガーディアンエンジェルによる飛行も重要な影響だ。


 他のヒーロー、例えばアナなんかを使っていても、的確な場所にヒールができないのならばマーシーよりレートは低くなる。
 そして、上手くないアナならそうなってしまう可能性は高い。上にも書いたが、自分はやれてるつもりでも実は影響率が低かったり、単純に難しいという理由もある。

◇できていない度合い

 過去の記事にもよく書いているんだけども、私が述べているのは決してクイックにいる初心者やブロンズのプレイヤーの話ではない。
 ゴールドやプラチナはもちろん、下手するとダイヤにマスターが混ざる試合でも、基本的なことができていなかったり、この記事のような内容で言えば交戦場所に影響が大きく与えられていないプレイヤーは非常に多い

 しかし、そういうプレイヤーでもブロンズじゃないわけだ。なぜか。
 (スマーフやらブーストやらを除けば、)単純な話で、レートが低いプレイヤーはそれよりもできていないんだ。

 例えばキリコ。サイドとってクナイを投げてるキリコって、かなり上のレートじゃないといない。
 プラチナやダイヤ下位ぐらいだと、味方の後ろで御札を投げてたまにクナイ投げてるだけだ。ほとんどは。

 画像の下は、典型的な間違ったキリコである。タンクの後ろで御札投げてるだけ
 しかし、ブロンズやシルバーではないのである。プラチナや、下手するとダイヤ下位ぐらいなら普通にいる。
 ではなぜそういうキリコでも半分より上のレートにいるのか。
 答えは単純で、上にも書いたが、それよりもできていないキリコが大量にいるからだ。

どこにおんねーん!!

 「そんなアホな」と思う人もいるかもしれないが、これはマジだ。私のモットーは勝手なイメージで語らないこと。
 上手い人たちが初心者のことを知らないのに妄想で「初心者向け!」とか言ってることあるけど、私の場合はそうじゃない。
 自分のマッチで見た、あるいは上手くないプレイヤーの配信を、あるいは詳しくは言わないけど色んなアレコレを見て、そして一例ではなく多くの場合・多くのプレイヤーの話をしている。

 例えば、先日見た配信。ゴールドぐらいの人。

ウェーブに勝ち、残党狩りも終えた。
そして、
とんでもなく後ろに下がる。

 襲われるどころか相手の姿も見えていないのに、とにかく後ろに下がってしまうキリコ。味方のサポートよりも後ろだ。

 今から画像の緑枠の交戦場所で戦いが始まるんだ。そこに対して影響を与えなければならないのに、あんなに後ろに下がっていてはキリコの特性を活かしたプレイどころか、ヒールさえままならない

 別の例。画質悪くてすいません。

後ろでヒールしかしないのにはもう慣れた。
赤チームはウェーブに勝ったわけだけども、
自らが後ろに下がってしまう

 別の例。画質悪くてすいません。

前に神出鬼没して鈴を投げるキリコ。
今はアビリティの使い方の話じゃないから、とりあえずそれはいい。
下がってしまうキリコ。

 自分がタンクを助けに行って鈴を使ったんだ。だから他の味方は前に出てきている。アナでさえも。
 しかし、このキリコは下がっていってしまっている。画像左の緑枠の交戦場所へ影響が与えられないような位置へ、自ら移動してしまっているのだ。

続き。相手は二人死んでるので赤チームは更に前に出る。
流石にそこへはついていくキリコ。だけども、
いの一番に後ろに逃げ出す。
クナイはなんのためにあるのか?鈴をどう使うのか?

 これでは、交戦場所へ影響を与えることができない

 あるいはキリコ以外でも。シーズン9で大幅調整が入ったとき、Tier表を信じてルシオやモイラが強いと思ってしまったプレイヤーはたくさんいた。

 ウィンストンやトレーサーは前で相手を待ち構える準備をしているのに、ルシオやモイラは後ろの方で何もしていない
 ルシオ・モイラは自ら交戦場所へ赴きその場所へ影響を与える代表格のようなヒーローなのに、アナやキリコやマーシーで後ろの方でヒールしかしてこなかったプレイヤーがルシオやモイラをやるとこうなってしまい、交戦地点へ影響を与えることができない。

ーー

 アナ前に出ろ!

ウィンストンが飛んだりなんやかんやで相手を押し込み、緑枠の位置へ影響を与えていきたいんだけども、後ろにいるアナ。とやっぱりキリコ
こんなところでADSしてる場合じゃないですよ。


ウェーブに勝って前で抑える赤チーム。青チームはリグループが終わって今から侵攻だ!
からの、
影響を与えるべき地点はもう建物の中だぞ!
こんなところでADSしてる場合じゃないですよ!

ーーー

 「サポートはヒールだけしてちゃダメだ」と言われる。それほどヒールボットになっているサポートは多い。
 しかし、それでもレートはブロンズやシルバーじゃない。プラチナや下手するとダイヤといった平均以上・上の下くらいのレートになるプレイヤーもいる。
 それはここに示したように、そのヒールボットという行為さえ影響率の差が出てしまっているからだ。

 レートの高くないプレイヤーは、自らのポジショニングにより、交戦場所にいるタンクにベタ付きヒールという行為さえ効率よく行えていない


 さて、レートの差となる「影響率」の差はポジションだけじゃない。影響を与える対象にも差がついてしまう要素がある。

ーーー

◇交戦場所への影響率:対象

 上にも書いた通り、タンクにベタ付きしてヒールしてるだけのサポートでもプラチナやダイヤ下位ぐらいならいる。
 んで、それより低いレートのプレイヤーが常にそれより後ろにいるかっていうとそうでもない。ポジションだけで言えば同じような場所にいることも多い。
 しかしそこで差が出るのは、影響を与える対象だ。

上と同じ図。

 タンクにベタ付きヒールしてるキリコはプラチナにもいる。ではシルバーやゴールドのプレイヤーとの差は、影響を与える対象の差であり、それが交戦への影響率の差となる。
 上の図では、交戦場所に対して最も影響を与えられている味方はタンクだ。
 だから、ヒールしかしないのだとしてもそのタンクにヒールをするのならば影響率はさほど低いわけじゃない。

 しかし、レートの高くないサポートはそれすらできない場合がある。

 交戦場所への影響率が低い味方に対して御札を投げていては、それはもちろん影響率が低くなってしまう。
 もちろん周囲をよく見渡して必要な場面ならばタンク以外にヒールをするべきだが、例えば上の画像だと相手は遠くにいるのでタンク以外がピンチになることはない。
 しかし「ヒールしなきゃ」という意識からか、ライフが減っていない味方にも御札をばらまいているキリコはたくさんいる
 そんなふうに無意味な視点移動・御札のバラマキをしているとタンクへのヒールは遅れ、肝心なときに鈴が間に合わないこともある。

 あるいは、味方のサポートとの合せ技で、さらに酷いことになる場合もある。

 ブリギッテがダメージを喰らい、遮蔽に隠れるのではなく後ろに逃げてしまった。
 これによりブリギッテは交戦場所への影響率が低くなってしまったのだが、アナもそのブリギッテをヒールしようと後ろを向いて射撃を始めてしまった
 これでは交戦場所へ影響を直接的に与えられていないし、後ろに逃げたブリギッテも影響を与えられないので間接的な影響のサポートにもなっていない

 上にも挙げた、先日見た配信者の南極・ラボの続き。

この時点では悪くない。キリコは前にいるし、アナは後ろにいていい。
だけども、

 アナがダメージを食らい、キリコはそこに神出鬼没でテレポして鈴まで使ってしまった
 これでは、交戦場所への影響率が低くなってしまう
 アナはダメージを食らったんなら隠れればいいし、最悪自分に瓶を使ってもいい。
 そして、アナがダメージを食らって交戦場所への影響率が低くなったのならば、だからこそキリコがそこへ影響を与えなければならない

 アナがヒールできなくなるんなら自分がヒールしなきゃならないし、交戦地点へ瓶を投げられなくなるんなら自分の鈴でケアしなきゃならない。あるいは侵攻してくる相手をクナイで止めるかもしれない。

 もちろん、サイドや後ろの方にいる味方にもヒールは必要だ。
 しかし重要なのは交戦場所への影響率を高めることであり、それは自分がその地点へ影響を与えることでもあり、その地点で戦っている味方の影響率を高めることでもある。 

 上の項目で書いたように自身のポジショニングの問題でもあるし、対象の問題でもある。
 できることなら、サイドにいる味方をケアしつつ、重要な交戦地点に影響を与えられるようなポジション・アングルで戦っていきたい。

 
 ここに書いたようなことは、以下の記事も参照していただければ。
 ほとんど同じような内容だけど、この記事では「こうしようね」ってだけじゃなく「それがレートの差になるんだよ」ってことを主題にしてる。


◇ダメージ

 サポートの話が長くなったんだけども、ダメージでも同じ交戦場所に対しての影響率を大きくしていかなきゃならない。

 典型的なのが射線。射撃系二人が同じ位置から撃っていては、影響率は低くなる。

ダメージが出しやすいのはもちろん、仮にダメージの数値が同じだったとしても、それによる影響率には差が出るだろう。

ーーー
 味方や相手のポジション・交戦状況も考えなければならない。
 ブリザードワールドの攻撃。キャスディだとして。

味方がウィンストンで、相手のシグマとアッシュが高台にいる。
典型的。

 さて、このキャスディは何をするべきだろうか。
 もちろん、下からシグマやアッシュを撃っていても何も起こらない。不利なままだ。
 相手がシグマやアッシュならウィンストンは高台に飛ぶだろう。ならば、キャスディがそこですべきことはポジショニングだ。
 ウィンストンが仕掛けることで高台からの圧力が減るため、移動することができる

狭いところでシグマと戦ったら死ぬから気をつけてね。
シグマが降りないならベイトだけしよう。

 高台へ交戦を仕掛ける場合は、地上で撃つよりも建物内部から侵攻したほうが影響率が高い。
 あるいは地上を前進してもいい。門の位置よりも良いアングルから撃てるし、相手が高台から降りるならば次の交戦場所はポイント内部やその奥になるので、そこへ影響を与えられる位置へ移動しなければならない。

 「後ろで撃つ」という行為は、たとえダメージの数値が稼げていたとしても、交戦場所への影響率は低い場合が多い。

 参考:Nico選手のコーチング動画。

 特に動画後半の攻撃側において。

 コーチング動画において「エイムはいい」はもう100回聞いた。重要なのはポジショニングだ。

ーーー
 射撃系だけでなくフランカー系においても、交戦場所に影響を与えられているかというのは非常に重要だ。
 「フランカーだから」といってサイドや裏を荒らそうとするのは間違いな場合が多い

 重要な交戦場所に対して影響を高める必要がある。ブリンクをいくつも使ってバックラインに圧をかけても、結局自分も交戦場所に影響を与えられていないのだったら効果は薄い。
 フランカーだからといって遠くに行くのではなく、適切なポジション・アングルから、重要な交戦場所にいる相手に対して影響を与えていくほうが重要だ。

 これに関しては過去の記事を参照していただければ。


◇タンク

 知らん。
 タンクが戦う場所がだいたい交戦場所だから、勝てないのは他の要因じゃないかな。
 フィジカルとかピックプールとかティルトんしてるとか。

 この記事っぽいことを言うならば、ダイブ系とかで裏とか荒らしてるつもりでも、それは交戦場所への影響率が低い場合があるかもしれない。
 例えば相手のサポートに飛んでも、交戦場所の相手からの脅威は減っていないので味方は死ぬ。

 だからといってベタ足やって正面に立つことを推奨はしないけども。


◯まとめ

 ある程度レートが高くても、ちゃんとできていないプレイヤーは多い。サポだとヒールボットになってるとか。
 なんだけども、そんなプレイヤーでも真ん中~上の下ぐらいまでレートを上げることはできる。
 それは、それよりもできていないプレイヤーが多くいるからだ。レートってのは相対的なもんだから、どんなプレイヤーでも自分より下手な人がいればレートは上がる。

 じゃあそのレートの差はどこかといえば、影響率の差っていう要素がある。
 それはもちろんフィジカルやピックプールの差もあるけども、同じようなヒーローで同じようなことをしていても、その行為が交戦場所・対象に対して大きな影響を与えられているかが重要な点だ。

 前線で戦っているタンクにヒールをしてアビリティを投げるだけじゃダメなんだけども、それすら効率よく行えていないプレイヤーは多い。
 この記事で例に上げたように、ポジションが後ろすぎたり、交戦に影響が少ない味方の方へ移動したり、そっちへアビリティを使ったり。

 記事の前半に書いたように、ジャンクラットやマーシーといったパワーのないヒーローでも、上位プレイヤーは影響率の高いプレイをしている。
 ジャンクラットは必要な場所へプレッシャーをかけ、味方の攻撃とともに自分もフォーカスを合わせに行く。マーシーは前線で飛び回り、的確な場所で的確な味方に線を繋ぐ。

 そのように影響率の高いプレイができるならば、レートを上げる足がかりになるだろう。
 ある程度まではそれで上げることができ、そこから先はフィジカルピックプールの話にもなってくる。頑張れ!


◯後記:改善の難しさ・無意識

 あらゆることは、正しいことを示すだけでは不十分で、その改善案も示さなければならない。
 教科書を配るだけでは、学校や塾の意味がないのと一緒だ。どのように指導していくか。導く必要がある。
 別に私はOWの指導者のつもりはないけども。

 なんだけども、この記事に書いたことは改善が難しい。というのも、それが無意識下のプレイングであるような場合が多いからだ。

 何かを意識して・能動的な・目的のあるプレイングであれば、改善できるかはともかく、改善しようとすることは難しくない。
 「エイムを良くしたい」「どのヒーローを使うべきか」「ポジショニングは」などは、自分が能動的に行うプレイングを改善しようとする思考だ。

 あるいは、「雑にダイブしたから死んでしまった」「相手のトレーサーにタイマンで負けた」「アビリティを外してしまった」のような失敗は、現実に目に見える形で理解できるようなものなので、基本的に反省はしやすかったり、自分のプレイングがマズかったと気づくのは容易い。

 しかし、この記事で書いたような「交戦場所への影響率の低さ」というのは、自分で気づくのはなかなか難しいと思う。
 影響率が低かったとしても、ダメージやヒールの数値は悪くない場合は多くある。
 なんなら自分の影響率が低いから味方に負担がかかりヒール量は多くなるかもしれない。
 さらに、影響率が低い≒交戦に積極的に参加できていないならばデスは少なくなる

 なので、特に数値の上で自分の間違いに気づくことは難しい
 「自分はダメージ出してるのに・ヒールしてるのに味方が死んだ!」というようにしか思えないかもしれない。
 本文にも少し書いたけども、フランカーやダイブ系で「バックラインを荒らしてるのに!」というのは、交戦への影響率が低いことに気づいていない場合がある。

ーーー
 気付けないのは、プレイングが無意識であるからという場合がある。
 以前にアナの記事とかに書いたことがあるんだけども、特にサポートのプレイヤーは、「無意識のバックステップ」をしているプレイヤーは多い。

 これについて言及している人を見たことがないんだけども、非常に重要だと思う。
 というか無意識なので反省のしようがないから、リプレイをいくつか見てもらって気づいてもらうしかないので、自分では気づきようがない。

 無意識のバックステップって何かといえば、それは名前の通りで、無意識にバックステップしてしまっているのだ。

 本文中にも挙げた例のキリコ。

 相手に襲われたわけでなく、近づかれたわけでもなく、体力が減ったわけでもないのに、バックステップして後ろに下がっている。
 
 私は自分のマッチのほぼ全てのリプレイを見直すので、こういうサポートが大量にいることを知っている。味方にも相手にも。

ペイロードに乗っているキリコ。青チームは押し込まれている。
ここから、
バックステップ。別に相手に襲われたわけでもない。
ペイロードも押せなくなっている。
味方が高台にアプローチし、そこに瓶を投げるアナ。それは良いプレイ。
なんだけども、
バックステップ。これでは前に押し込んだ味方の交戦場所へ影響を与えられない
この場合でも、青チームは後ろの方にいて、アナは襲われたわけでもない。
ポイント内へ進行・リテイクしていく赤チーム。
ゼニヤッタは撃ちながら後ろに下がっていってしまう
こちらも、相手に近づかれたわけでもなく、襲われたわけでもない。
撃てる射線を自ら制限してしまっているし、なんなら安全面でも味方のキャスディの近くの方がいい。
ルシオをキルし、さらに押し込んでジュノをキルした青チーム。
なんだけども、
後ろに下がっていくキリコ
相手に襲われているどころか、相手を3人もキルしているような状況だ。
なんだけども、ウィンストンが高台から降りてきたら自分もあんな後ろにまで下がっていく。
青チームのジュノは下がる必要がないので高台にいる。それでいい。

 この四例は、「無意識のバックステップの例を集めよう」と思ってクイックマッチに潜り、一日で集まったものだ。さらに他にもある。同じ試合の同じプレイヤーが複数回やっている場合もある。
 それぐらい多い。
 
 このようにバックステップしていては、交戦場所へと影響を与えていくことが難しくなるわけだが、それは恐らく無意識によるものなので改善が難しい。

 なんとかしようとするのならば、もちろん頑張って意識するしかない。あるいはリプレイを見直して、自分がそうなっていないか確認するか。

 また、無意識でそうなってしまうのだったら、無意識でそうならないようにすればいい
 というのも、意識せずにこういうプレイングになってしまっているということは、「サポートだから前に出ない、前は危ない、後ろに下がらなきゃ」というような深層心理があるのだと思う。それが意識せずともプレイングに現れる。

 ならば、その部分を改善すればいい。「OWは前に出て戦うゲームなんだぞ」という意識が根づけば、無意識化でもバックステップをすることはなくなると思う。
 そういう意識を植え付けるためには、いつだって貫き抗う言葉はひとつ。タンクやろうね!!


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