魂が傷つけられて

魂が傷つけられて
春のものたちがよく見えないあるいは
そのようなものたちがまだ来ていないのか

花だけを詰め込んだ
アラバスタの棺にすがる、
明け方にそのような夢が焼きつけられて
今もまだその焦げたタンパク質の匂いが
鼻腔に染み込んでいる。

乳白色の石の瓶に
ひたひたにした水へと夢を吐き捨ててしまっても
燻された粘膜の匂いが流れだすことはないが
焦げ臭い水が、傷ついた魂と乳化する。

魂が傷つけられて
今日はもうあんまりだから
森へ帰りたいと思う、暗い森へ。
わたしの書いた森へ。


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