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いつかどこかで見た映画 まとめ

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劇場公開時に見た映画について、そのときどきに書きつづった映画評というよりも「映画をめぐる雑念」集。段落ごとに1行空けるというネットマナー(?)があまり好きではないので、ダラダラと…
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2020年6月の記事一覧

いつかどこかで見た映画 その67 
『北の果ての小さな村で』(2017年・フランス)

いつかどこかで見た映画 その67 『北の果ての小さな村で』(2017年・フランス)

“Une Annee Polaire”
監督・撮影: サミュエル・コラルデ 脚本 カトリーヌ・パイエ 、 サミュエル・コラルデ  出演:アンダース・ヴィーデゴー、アサー・ボアセン、トマシーネ・ジョナサンセン、ガーティ・ジョナサンセン、ジュリアス・ニールセン

 いきなりですが、暑い。とにかく暑い。いったいニッポンの夏って、ここまで暑かったか? などと、ついぼやきたくなる亜熱帯な日々。せめてお盆過ぎ

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いつかどこかで見た映画 その68 
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(2015年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その68 『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(2015年・アメリカ)

“Demolition”
監督:ジャン=マルク・ヴァレ 脚本:ブライアン・サイプ 出演:ジェイク・ギレンホール、ナオミ・ワッツ、クリス・クーパー、ジュダ・ルイス、C・J・ウィルソン、ポリー・ドレイパー、マラキー・クリアリー、デブラ・モンク、ヘザー・リンド、ワス・スティーヴンス、ブレンダン・ドーリング、トム・ケンプ

 ジャン=マルク・ヴァレという監督についてぼくが語れることなど、正直ほとんどない。

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いつかどこかで見た映画 その69 『ファーナス/訣別の朝』(2013年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その69 『ファーナス/訣別の朝』(2013年・アメリカ)

“Out of the Furnace”
監督・脚本:スコット・クーパー 脚本:ブラッド・インゲルスビー 撮影:マサノブ・タカヤナギ 出演:クリスチャン・ベイル、ウディ・ハレルソン、ケイシー・アフレック、フォレスト・ウィテカー、ウィレム・デフォー、ゾーイ・サルダナ、サム・シェパード

 パッとしない俳優だったスコット・クーパーが初監督し(……だが、たいしたキャリアもないはずの彼は、どのようにして“

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いつかどこかで見た映画 その70 『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014年・日本)

いつかどこかで見た映画 その70 『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014年・日本)

監督・原作・脚本:西田征史 撮影:相馬大輔 出演:向井理、片桐はいり、山本美月、及川光博、ムロツヨシ、寿美菜子、木場勝己、麻生久美子、大森南朋

「映画の8割はキャスティングで決まる」という言葉がある。これをぼくは何となく北野武監督の発言として記憶していたのだが、調べてみると、大島渚や市川崑、是枝裕和、クリント・イーストウッドたちもそれぞれ持論として語っているらしいのだ。最近では『ハング・オーバー

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いつかどこかで見た映画 その71 『わたしは光をにぎっている』(2019年・日本)

いつかどこかで見た映画 その71 『わたしは光をにぎっている』(2019年・日本)

監督・脚本:中川龍太郎 脚本:末木はるみ、佐近圭太郎 撮影:平野礼 出演:松本穂香、光石研、渡辺大知、徳永えり、吉村界人、忍成修吾、小川あん、長屋和彰、松本妃代、小林萌夏、桜まゆみ、樫山文枝

 そういえば、ここ最近の日本映画で「銭湯」をよく目にする。宮沢りえ主演の『湯を沸かすほどの熱い愛』はまさに銭湯を舞台にしたものだったし、つい最近も、“営業終了後の銭湯で殺人とその死体処理の闇商売をやっている

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いつかどこかで見た映画 その72 『殺しのナンバー』(2013年・イギリス=アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その72 『殺しのナンバー』(2013年・イギリス=アメリカ)

““The Numbers Station”

監督:キャスパー・バーフォード 脚本:F・スコット・フレイジャー 出演:ジョン・キューザック、マリン・アッカーマン、リーアム・カニンガム、リチャード・ブレイク、ブライアン・ディック、ルーシー・グリフィス、ジョーイ・アンサー、ハンナ・マリー

 少し前だが、友人とおしゃべり(というか、ツイッターのやりとり)している時に、「そういえば、エドワード・ノート

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いつかどこかで見た映画 その73 『さらば愛しきアウトロー』(2018年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その73 『さらば愛しきアウトロー』(2018年・アメリカ)

“The Old Man & the Gun ”

監督:デイヴィッド・ロウリー 脚本:デイヴィッド・ロウリー、デイヴィッド・グラン 撮影:ジョー・アンダーソン 出演:ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック、シシー・スペイセク、ダニー・グローヴァー、トム・ウェイツ、チカ・サンプター、エリザベス・モス、キース・キャラダイン、イザイア・ウィットロック・Jr

 ロバート・レッドフォードという名

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いつかどこかで見た映画 その74 『37 seconds』(2019年・日本=アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その74 『37 seconds』(2019年・日本=アメリカ)

監督・脚本:HIKARI 撮影:江崎朋生、スティーブン・ブラハット 出演:佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、萩原みのり、芋生悠、渋川清彦、宇野祥平、奥野瑛太、石橋静河、尾美としのり、板谷由夏

 ロバート・レッドフォードといえば、先にも取りあげた『さらば愛しきアウトロー』を最後に俳優業からの引退を宣言したのは周知のとおり。とうとう「役者」として米アカデミー賞に縁がなかったものの(…

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いつかどこかで見た映画 その75 『つつんで、ひらいて』(2019年・日本)

いつかどこかで見た映画 その75 『つつんで、ひらいて』(2019年・日本)

監督・撮影・編集:広瀬奈々子 音楽:biobiopatata エンディング曲:鈴木常吉 出演:菊地信義、古井由吉、水戸部功

 電車に乗っていて、ふとまわりを見わたす。すると、他の乗客のほとんどがスマートフォンをのぞき込んでいるーーという光景があたりまえのようになったのは、いつ頃からだろう。それまでは、学生や若いサラリーマンなら漫画雑誌、やや年配の男性ならスポーツ紙か文庫本を開いていたものだったの

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いつかどこかで見た映画 その76 『崖の上のポニョ』(2008年・日本)

いつかどこかで見た映画 その76 『崖の上のポニョ』(2008年・日本)

監督・脚本:宮崎駿 作画監督:近藤勝也 声の出演:ならゆりあ、土井洋輝、山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子、左時枝、山本与志恵、片岡富枝、佐々木睦、大橋のぞみ、羽鳥慎一

今さらながら、ポニョのことでお邪魔します。

あの映画に関しては、〇〇殿や〇〇〇さんも非常に興味深い視点から論じられて、考えるところ大でした。で、小生もまたこの場をお借りして、(見当

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いつかどこかで見た映画 その77 『幸福路のチー』(2017年・台湾)

いつかどこかで見た映画 その77 『幸福路のチー』(2017年・台湾)

“幸福路上”

監督・脚本:ソン・シンイン(宋欣穎) 音楽:ウェン・ツーチエ(温子捷) 主題歌:ジョリン・ツァイ(蔡依林) 声の出演:グイ・ルンメイ(桂綸鎂)、チェン・ボージョン(陳博正)、リャオ・ホイジェン(廖慧珍)、ウェイ・ダーシェン(魏德聖)

 台湾と聞いて連想するのが「タピオカ」というのは、もはや“遅れてる”んだろうか? 少し前までは街のいたるところでタピオカ入りのドリンクを販売する店を

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いつかどこかで見た映画 その78 『散歩する侵略者』(2017年・日本)

いつかどこかで見た映画 その78 『散歩する侵略者』(2017年・日本)

監督・脚本:黒沢清 脚本:田中幸子 原作:前川知大 撮影: 芦澤明子 出演:長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己、高杉真宙、恒松祐里、前田敦子、満島真之介、児嶋一哉、光石研、東出昌大、小泉今日子、笹野高史

 あの黒沢清監督が、SF映画を撮る。それも、このジャンルの王道ともいうべき異星人による「侵略もの」だという。これぞまさしく“事件”じゃないか! ーーと興奮したのは、フランスで撮られた『ダゲレオタイ

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