山﨑福也は何が変わったのか
こんにちは、YAMASANOです。今回は一昨年終わり頃から投球内容が飛躍的に良化し、今シーズンもなかなか勝ちがつかないながらも好投を続けている山﨑福也選手について話していきます。
山﨑福也選手と言えば、ドラフト1位で入団したもののなかなか1年を通して1軍に定着し戦力となることが叶わず、炎上した試合で試合中に帰阪を命じられたことが記事になってしまうなどお世辞にもドラ1にふさわしいとは言えないシーズンを送ってきました。私自身「山﨑はもうだめなのか…」と思ってしまったことが何度かあったくらいです。
しかし2019シーズンの終盤から負け試合のロングリリーフで好投を続け、翌2020シーズンでは先発ローテーションに定着し自己最多の5勝をマークするなどいきなり飛躍しました。今回はこの突然の飛躍の要因を考えていきたいと思います。
●山﨑選手の成績推移
まず、大まかな成績推移から見ていきましょう。
2018年:4.58/17.2回/0勝1敗/9K/WHIP1.58
2019年:4.50/54回/2勝3敗/37K/WHIP1.43
2020年:4.50/84回/5勝5敗/46K/WHIP1.24
見てわかりますがWHIPの改善が著しいです。防御率こそ変化がないですが、WHIPが改善したため、投球内容良化につながったと言えそうです。では、WHIPが改善した要因は何なのか掘り下げていこうと思います。
●山﨑選手の投球内容推移
閑話休題的に、山﨑福也選手の投球内容の推移を見ていきましょう。成績変化前の2018年から見ていきます。
2018年は二軍暮らしが長くサンプルが少ないですが、先発して1回で5失点するなど、厳しい投球内容が見られます。前半戦ロングリリーフで好投しましたが、その好投を買われて先発に回ってから何かが狂ってしまったようです(一度は好投しましたが…)
2019年もロングリリーフの役割を任されており、シーズン序盤に1アウトも取れず3失点するなどの大炎上劇があったものの、基本的には無難に投げており、18年のような不安定さが薄れてきています。先発を2回やりましたが、2度ともあんまりピリッとしない内容でした。
2020年は一転先発ローテを任されました。期待半分、不安半分で見ていましたが、これまでの山﨑選手とは見違えるほどの好投を見せ、ローテーションに定着してしまいました。
総括すると、2019年の後半、ロングリリーフで好投していたあたりから何かが変わってきたと言えるでしょう。
●チェンジアップの魔球化
気を取り直して、投球内容&WHIP改善の要因を探りましょう。ここでは球種の配分から変化を見ていきます。2018年、2019年、2020年の球種配分がこちらです。
2018年と2019年で大きな変化はありませんが、2020年になりカーブの比率が下がり、スライダーの比率が増しています。山﨑選手と言えば二種類のカーブを思い浮かべる人が多いと思いますが、2020年においてカーブの比率はむしろ下がっているのです。
変化球ごとの詳しい成績がこちらです。同様に2018年、2019年、2020年の順に並んでいます。
特筆すべきはチェンジアップの被打率です。空振り率こそ高水準なものの被安打もそれなりに多く浴びていた2018,19年と比べ、2020年は空振り率15.71%、被打率.167と魔球化しています。また、カーブも空振り率が悪化したものの被打率が改善しており、この2球種が投球の軸として機能したことが成績良化の一因と言えるでしょう。
●1年で劇的に改善したゲームメイク力
最後に、先発登板ごとの投球内容ごとの成績を見てみます。2018年、2019年は先発登板がそもそも少なく、さらに上で書いた通り微妙な内容でした。それが2020年に突然、QS5回(QS率35.7%)、うちHQS2回(HQS率14.3%)を記録しています。先発投手は勝ちの権利がつく5回まで最低限投げることが求められますが、山﨑選手が先発登板でその5回を投げたのは14試合中13試合、割合にして92.85%という超高水準です。前年先発登板2回で2回とも5回持たずだった選手がこの成績というのは衝撃的です。
●まとめ
今回は山﨑選手の飛躍的な成績改善の要因を探ってみました。結果としてはチェンジアップとカーブの球質改善に伴うゲームメイク力の成長が一つの要因と言えるでしょう。被弾と序盤の失点が多いことが課題ではありますが、卓越したゲームメイク力と魔球チェンジアップで今シーズンの目標に掲げていた10勝を目指していってほしいです。長くなりましたが、今回のnoteはこれで終わりとなります。ありがとうございました。
・出典
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