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発災からの39時間(その1)9/6AM

平成30年北海道胆振東部地震の体験を、備忘録的に記しておきますね。

9/6 3~5時台

9/6 3:08 札幌市北区のホテル
地震発生(札幌市北区震度5強)、エリアメール緊急地震速報。
揺れと緊急地震速報の音(スマホ)で目が覚めた。
揺れは横揺れで1分程度続いた感じがした。建物がギーギーときしむ音がして恐怖を感じた。
揺れが収まったので、電灯をつけて周囲を確認した。
特に異常がなかったため、電灯を消して寝ようとした。

9/6 3:25 札幌市北区のホテル
電灯を消していたが天井の非常用照明がつき、部屋が明るくなった。
不思議に思って電灯やテレビをつけようとしたがつかず、停電に気がついた。
一時的な停電だろうと思ったため、とりあえず寝た。

9/6 5:30ごろ 札幌市北区のホテル
目を覚まして電気を確認したが、まだ停電していた。
天井の非常用照明は消えていた。
周りのビルからディーゼルエンジンの音が聞え、自家発電機だと思った。
水が出るか確認したところ、出なかった。
トイレのタンクに水がたまっていることを確認した。タンクの水を飲料以外の水に使うため、トイレを流すのを控えた。
(後日確認)断水はしていなかったものの、停電で給水ポンプが止まったため水が出ず。

9/6 6時台

9/6 6:00ごろ 札幌市北区のホテル
ホテル1階共用トイレを利用したが、フラッシュが電動のみだったため流せなかった。
洗濯流しから「お湯」が出たため、フロントでバケツを借りてお湯でトイレを流した。
以上のようにすればトイレは流せるとフロントに伝えた。
(教訓)フラッシュや水栓金具は電動のみにすると停電時に全く使えない。

9/6 6:10ごろ 札幌市北区のコンビニ
ホテルのとなりにローソンがあったが、入店制限をしていたせいか長い行列ができていた。

9/6 6:10ごろ 札幌市北区路上
停電のため、信号機は全て消えていた。
交差点では自動車・歩行者が相手の様子を伺いつつ慎重に通行していたので、危険な状態にはなっていなかった。
交通量も多くなかったため、渋滞も起きてなかった。
大きい交差点は、警察官が交通整理していた。
(雑感)むしろ信号機がないほうが安全なのでは。自動車は交差点に歩行者がいたら止まる、歩行者は手をあげる等々教則本のとおりの世界だった。

9/6 6:20ごろ 札幌市北区のコンビニ
セブン-イレブンは停電して店内は暗く、びん入り飲料が割れて床にこぼれていた。
店内に多くの人が列を作り、特に飲み物を買おうとしていた。
飲み物がどんどんなくなっていて、水や水に近いものは売り切れていた。
自分も飲み物が買いたかったが、人が多かったのであきらめた。

9/6 6:30ごろ 札幌市北区役所
ホテルから徒歩5分のところに北区役所があったため、行ってみた。
どんどん職員が集まってきていた。
電気・水道・トイレに支障はなくラジオがかかっていたが、スマホ等の充電はさせていなかった。
スマホ等を充電させてほしいという人がかなりいた。
避難者が数十名いたが、指定避難所ではないのか毛布・水・食料等の配布はなかった。
職員が公式ウェブサイトの情報から「地下鉄は通常どおり運行している」と案内していた。
(後日確認)区役所は自家発電機で発電、地下鉄は全面運休(ウェブサイト情報は更新されていなかった)
(教訓)災害時は、ウェブサイトの情報が古い(直ちに更新されない)可能性がある。

9/6 7時台

9/6 7:00ごろ 札幌市北区の地下鉄の駅
駅に行き確認したところ、「停電のため運休」との手書きの貼り紙がしてあった。

9/6 7:00ごろ 札幌市北区の路上
地元の人が、何事もなかったように平然と通勤していた。

9/6 7:30ごろ 札幌市北区のホテル
偶然前日買った水とおつまみ(ピーナッツ等)で朝食をとった。
スマホとガラケーの充電が少なくなってきたが、全く充電の手段がなかった。

9/6 8時台

9/6 8:10 札幌市北区のホテル
職場に携帯電話で連絡。
研修担当に連絡が取れなかったため、職場から研修の見通しについて確認してもらうことにした。
停電でエレベーターが止まっていたため、すでに何回も階段で上り下りした。
(雑感)停電でエレベーターが止まっても対応できる足腰を鍛えておく必要がある。

9/6 8:30ごろ 札幌市北区の路上
研修は中止になると思ったものの、ほかにすることがなかったため研修会場までいくことにした。
地下鉄が止まっていたので、徒歩よりほかに行く方法がなかった。
地理に不案内だったが、スマホの地図は充電不足のため使用しなかった。
(教訓)必要な情報は紙で持ち歩くとよい。

9/6 8:43 札幌市北区の路上
職場経由で、とりあえず研修会場に集合するよう連絡があった。
道すがらのコンビニ・スーパー等は軒並み閉店していて、何か食料を買いたかったが無理だった。

9/6 8:50ごろ 札幌市北区の路上
「ボストンベイク札幌本店」というパン屋が開いていて、人がたくさん並んでいた。
なおかつ、できたパンをどんどん運び出していた。
(教訓)現地で直接見聞きしたことが後々役に立つ。

9/6 9時台

9/6 9:00ごろ 札幌市北区の路上
市職員と思しき人が、歩道上のマンホールを開けて水道栓と取り付けたうえ、水質を検査していた。
自転車で移動している人を多く見かけた。
(後日確認)札幌市水道局職員による臨時給水場所の設置だった。
(教訓)交通機関が動いていない時、自転車は有効な移動手段だと思われた。

9/6 9:00ごろ 札幌市北区の路上
自動車でエアコンをかけ、ラジオを聞き、スマホ等を充電し、移動している人を見かけた。
レンタカーが借りれれば、充電問題は解決すると思った。
(雑感)土砂崩れなどない限り、災害時に自動車は最強だ。(燃料の問題にあとで気づくことになる。)

9/6 9:00ごろ 札幌市北区のコンビニ
停電中だが開いているセブンイレブンがあった。
食料品を求めたが、菓子類しかなかったのでチョコレートを購入。
幕の内弁当(傷んでいるリスクあり)がひとつ売れ残っているのが印象的だった。
自家発電か、レジのみ通電していた。

9/6 9:20ごろ 札幌市中央区の研修会場
研修会場の建物は閉鎖されており、受講生は建物の前でたむろしていた。
9/6以降の研修は中止になったことが伝えられ、前日置いていた荷物を取りに行った。

9/6 9:50ごろ 札幌市中央区の研修会場
荷物を取り終えた研修生が、順次解散した。

9/6 10~11時台

9/6 10:00ごろ 札幌市中央区のレンタカー店
9/6 10:00~9/7 15:00でレンタカーを借りた。
停電のためカード決済できず、現金での支払いとなった。
スマホ等に充電ができるようになった。
(後日確認)札幌市徒歩圏内で車を借りることができたのはここだけだった。
(教訓)ある程度現金を持っておく必要がある。

9/6 10:20ごろ 札幌市北区のパン屋
行きがけに見かけたパン屋に立ち寄った。
行列ができていたがパンがたくさんあり、買うことができた。
9/6昼夜分のパンをまとめて買った。サンドイッチなど停電時とは思えない品揃えだった。
停電のためレジが動かず、電卓で計算していた。

9/6 11:00ごろ 札幌市北区のホテル
一旦ホテルに帰って、荷物などを整理した。
周りのビルの自家発電機はすでに止まっていた。
スマホ等充電のため、あてもなくレンタカーで走行することとした。
(後日確認)自家発電機は燃料切れ
(教訓)自家発電機用の燃料の備蓄が必要

9/6 11:45ごろ 札幌市北区の路上
レンタカーで、別のホテルに泊まっていた同僚をピックアップ。
ほとんどの信号機は消えていたが、自家発電機を備えた一部の信号機はついていた。

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