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3.二戸・久慈へ 後編

福田繁雄デザイン館を鑑賞。
ぼちぼち出発しなければならないのだけど「今一瞬で晴れて雪が全部溶けてくれ」と祈ってたら、ほんまに天気が良くなってきた気もする。
気もするが、もし今晴れても、あんだけ白かった道から雪が無くなるわけでも無い。
さあ!行き以上に気を張って、無事久慈に着くぞ!とほっぺたバシバシして出発。

行きとは全く違う青空。
シルエットしか見えなかった「道の駅おりつめ「オドデ館」」が
今ははっきりと見える。とにかく休憩を挟みつつでないと持たない。
さっき出発したばかりだが寄ろう!

この辺りは九戸村で、土地の産直市場も入っており土産も充実の、かなり広い道の駅。
K女史は呑気にジェラートを買っている。
ジェラート屋の店員さんに、安全に帰る道は?と尋ねるが、山を抜ける道にそんな選択肢など無いことを知る。
ちなみに「オドデ」とは、上半身がフクロウで下半身が人間の様な姿をした、九戸村の昔話に出てくる怪鳥だそうな。
オドデ饅頭を買おうかなと迷ったが、胃袋や食うべきものがかなり押してるので諦める。味噌焼鳥みたいなものも美味そうであった。
今考えると無理して食べときゃ良かったじゃん!と思うのだけど
旅の胃袋は常にパンパンである。


ここからまた山に入って久慈に向かわなければ。。。しかし、
美術館からずっと天気が良いのだけど、ひょっとしてこれ、
結構雪が溶けてるんちゃうん!
そうであってくれ!と走り出したら、ほんまにかなり溶けだしていた!うそー!溶けるん!?
これは命拾いかも。
完全に溶けんでも視界が良いだけでも全然違う。
逆に言えば、一瞬で変わる東北の気候が、生命力の低いシティボーイの想像を超えている。
まだ12月頭では積もる事も少ないらしく、時期ちょい外れの雪だったので気温もそこまで低く無かったのが幸いしているぽい。

そこからは十分気を付け低速ながらもスイスイ進んで、
一時間もかからなかったように思う。
なんとかすべり込み13時で久慈駅前の「YOMUNOSU」にたどり着いた。
入り口の壁画は私の「あま絵」が使われている。
今回、久慈まで来たのはこれを観る為であった。
YOMUNOSUはコロナ世界のギリ始まりでオープンしたため
当時は更に都市から訪れることも憚られた時代だったので、なかなか来るタイミングも難しかった。

ようやく対面できた担当の方とご挨拶し、お話させていただき館内を見学。裏に停車している三陸鉄道を撮ったり久慈駅を見学したり、昭和感満載の現在ほぼ廃墟である駅前デパートの写真を撮ったりで終了。
おススメのスポットなどもお聞きできた。
K女史は「9000万年前の久慈琥珀」に魅入られたようで「欲しい」を連発していた。時間があれば久慈琥珀博物館や白樺の郷なども行ってみたかったのだけど数時間では難しく、久慈で宿泊が必要。
スケッチをしながゆっくり久慈を周るのも良い。
ご縁があればきっと訪れるその機会を心待ちにしておこう。

帰りは、行きにトイレ休憩で寄った「道の駅 くじ」で土産物色し、
沿岸の県道268号線は、沿岸の岩を彫刻刀で削ってくりぬいて作ったような、時折岩の中を割って入るような箇所もあり、そして広がる海が最高のビューなのだけど、ゆえに結構狭くて対向車が来たらイチイチ寄せんといかんので、ドライバー的には呑気に景観を楽しむ余裕も無い道でもある。
勿体ないので絶景の所々で停車しつつ、久慈の最終目的地点、ここもあまちゃんの重要地点である「小袖海女センター」に立ち寄る。
ここあまちゃんで潜ってたとこやよね。
センター内ではマジの北限の海女さんが数名売り子として施設内に居たが、シーズンオフの現在、正直めっちゃ暇そうであった。
屋上に上がって景色を楽しめるのだけど、たしかに絶景。
でも、そんなことどうでも良いほど冷たい風が凄くて、K女史の髪も右往左往に海原はるか師匠のようになびいてたので、私も命の帽子が飛ばされる前に屋内に逃げ込む。

マジ海女ちゃんの作った「うにめし」が500円だったので、1つでええかなと思ったのだけど、どえらいプレッシャーで2つ注文。
その場で温めていただき、マジ海女ちゃんの作った沢庵のような漬物も付けてくれた。
カモメがホバリングする小袖海岸を観ながら車内で食べる。
細かくなっているけどかなりウニが入っており海の味がする。漬物の強烈な酸味もアクセントに良い。これで500円はとても嬉しい。プレッシャーに負け2つ買って良かった。
オンシーズンなら豪華な生うに丼も食べられるそう。


「道の駅 のだ」でトイレ休憩し、いかのカタチをしたいかせんべいを購入し、GSで満タンにして、野田ICから高速道路に乗ったら、一度来た道はあっけなかった。
ちなみにいかせんべいは、カタチや食感はせんべいっぽいのだけど、食べると「いかピーナ」のガワの味がする好みの味。

昨夜はホテルすぐ近くの「つぼ八」(つぼ八ながら地の物多し)に行ったのだけど、今日は別に酒要らんよな。となったので、じゃあ気になってた「まるまつ」に行ってみる。
正式名称は「和風レストランまるまつ」。
東北でチェーン展開する、お寿司からラーメンまであるファミリーレストラン。
もちろん二人未体験。

唐揚げ定食とカレーライスを注文。これはもう本当に言っちゃあなんやけど
なんちゅうことない普通で平均的で文句の無い味で「まるまつを経験できた」満足感だけだったのだけど、「豆腐サラダ」と「甘海老の唐揚げ」を頼んだら、豆腐は自家製らしくボリュームがあり、甘海老の唐揚げは肉厚でこれがめちゃめちゃ美味かった。
まるまつでは豆腐と甘海老の唐揚げはお薦め。
そして注意点は「お茶が異様に熱くて湯のみが持てない」という、大してどうでも良い情報。
店内も広いし、必死のパッチになりがちな旅の食には、心が安堵する場所。
レジでドリンクバー半額券をもらった。

釜石入りした今関監督から、明日の映画の上映会のことで会いたいと連絡が入り、とは言え、明日の上映会に特に私は役割は無いはずなので、
挨拶程度かなと、結構油断しまくったラフな格好でロビーに降りてたら
けっこう監督はキッチリした格好だったので「しまった!」と思った瞬間、
丁度外から帰ってきた、映画出演者の大島葉子さんと利重剛さんと対面。
そして監督から「今回のポスターを描かれた」と紹介されご挨拶。
ただでさえ俳優さんとド素人の差がエグいのに、
ワシなんちゅう恰好してんや。。。

実はこのパターン、今回が初めてではなく
ヤマサキ兄妹として台南取材中、ヨレヨレでダルダルのTシャツの時
当時の台南市長(現台湾副総統)と偶然お会いして、面識があったのでこちらに気付くと、一緒に写真を撮ろう!と言われて、油断丸出し姿で記念写真をし、市長には大変申し訳ないが、このダルダルTシャツ写真、絶対表に出したらアカンでと妹に釘を刺してたにも関わらず、市長経由でそれが台湾の全国放送で大々的に流れると言う、今際の際で思い出しそうな苦い経験をした時に「こんなことは二度と無いようにしよう」と誓ったのにこのザマ。
三つ子の魂50過ぎまで現役バリバリ。


ということで一日が終了。
ラストのラストでトラブったけど、今日はほんと車が無事故で良かった。
東北で運転するのは11月末までということにしてたほうが良いかもしれない。
そしていつでも何が起こっても良い恰好で。

今後の私に千利休の言葉を置いておく。
「茶は服のよきように点て、炭は湯の沸くように置き、花は野にあるように、 さて、夏は涼しく冬は温かに刻限は早めに、降らずとも傘の用意、相客に心せよ」
カコーン





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