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4.釜石ラーメン物語完成上映会

この旅のメイン日。
映画「釜石ラーメン物語」の完成上映会。

今日も欠かさず朝食バイキングで「誰か羽交い絞めにして止めて!」と山盛り食べてるところ、今関監督から、私のイラストが入ったTシャツと、これまた私のイラストが表紙になった台本をプレゼントいただいた。
完全なる非売品。わーい!

少しイラストについての補足。
「釜石ラーメン物語」のイラストは、前・後期バージョンの2種類あり、前バージョンは、まだ出演者も決まってない段階でのイメージイラストで、昭和の喜劇映画のニュアンスを含んだ少し画質も粗目風に仕上げた。
監督にも気に入っていただき、台本の表紙や監督のスマホのカバーになったりクリアファイルも作られてキャンペーンにもつかわれたり。

そして後バージョンは、ニュアンスはそのままで、撮り終えた後なのでキャストも実物の参考があるので「似顔絵にならない程度(余計な情報で邪魔したくないので)」に寄せた仕上がりにした。
ほぼ好きに描かせていただいたので、私のスタイルとしてはこういうやり方が一番ありがたいし、画も生き生きするのでかなりやりやすかった。

話は戻る。

早速今日の上映会で着て行こかなと袖を通すが通らない。
強引に来てみるとパツパツで丸いハルクみたいになっているし、水ようかんみたいでもある。
自然に動けない。
こらイカンと、来年予定される全国上映までに着れる体型になろうと今回は諦める。大阪で上映される際は、見事な体型でこのシャツを着ているはずなのでみなさん会場でお会いしましょう。

駅横を流れる甲子川は鮭が遡上することで有名

上映会までまだ二時間ほどあるので、K女史と共に釜石の街を散歩することに。
この短い道中でも「釜石ラーメン物語」のイラストポスターを数か所見つけ、その度に撮影会が始まる。

モダンなと言えば聞こえは良いが、かなり老朽化した建築物は釜石市役所で、周りは新しい住宅が多いのだけど市役所だけは少し坂の上に建っており、後から映像を観てわかったのだけど、市役所玄関ギリまでが津波のラインだと知る。
入り口にはデカい釜石ラーメン物語のポスターが建てられており
そっと一緒に記念撮影する。
中も見学したかったが手続きがめんどそうなので諦める。


市役所横からは山の側面に上がる道になっており、元々ある避難路らしく、あの震災の映像でもこの現場に逃げ込むのを見た。

釜石のこの地区は、リアス式海岸のノコギリ刃の窪みに位置する港「釜石港」があり、すぐ後ろにはいきなりの山に囲まれているので
3.11以前にも古くから対津波の歴史ゆえ、山々に避難する道がある。
この高台から釜石港を臨むと、静かな景色に映像が重なる。

なにより、この道はすごく鹿の糞が落ちており、それを避けるのにも結構神経を使う。そう。釜石には鹿がけっこう居ることにも驚く。
昼は見かけないのだけど夜になったらイオンの横に居たりするのでびびる。
しかも釜石では最近熊が出没したらしく、街と山のグラデーションが一切無いのも考えたら結構怖い。

山を下った先は漁港で、ここに釜石市魚市場(競りを行う場所?)がありレストランやカフェなどが入った「魚河岸テラス」がある。ここでアンケートを記入すると「釜石鉱山 仙人秘水」の500mlペットボトルがもらえるので二人で必死に書く。
初日に散歩した巨大防波堤を抜け、ホテルまでは数分で到着した。
何の気なしに歩いたルートであったが、東日本大震災で壊滅的な大打撃を受けた釜石の一つの街、その中心部を歩いたことに気付いた。
今回宿泊しているホテルもそう。
飛びあがって手を伸ばしても到底届かない外壁の高い位置にも「津波 浸水深 ここまで」と記されていた。


ホテルロビーで今関監督と待ち合わせし会場までご一緒させていただく。
その会場は歩いて五分もかからない「釜石市民ホール TETTO」。
楽屋口から関係者席に誘導されつつなのだけど、監督は全ての役者さんの楽屋に寄って「今回イラストを描かれた・・」とご紹介していただけるので、みなさん今から出番で忙しいだろうに、私もこういうのに慣れてないので恐縮の限り。

トイレついでに今日用に刷られた私のイラストのチラシを、多めにパチらせていただく。レアな記念品。

今回はチケットが取れなかった人も多い満員の会場。関係者席に案内され、定刻になると司会者、釜石市長、今関監督の舞台挨拶があり映画がはじまる。

ネタバレ出来ないので、映画の内容や感想はここでは割愛するが
今回、私が関わらせていただいたイラストは映画には一切出てこない(たぶいん)が、このポスター用に描いたロゴが、そのまま映画のロゴに使われている。

ダーンとこのロゴが映画に登場するので私的には感動するのだけど、
驚いたのは、ロゴは確かに私が作った字ではあるが、その後にキャストなどを紹介する字は、私の字に似せた字。自分でも「俺こんなん描いたっけ?。。」と錯覚しそうになった。
こういう仕事する人ってすごいなと感心。


エンドクレジットでも私の名前が出てきますので
本編で十分胸いっぱいになるとは思いますが、
そのおまけは劇場でお楽しみください。

映画終了後には、今関監督、主演の井桁弘恵さん、大島葉子さん、利重剛さん そして釜石出身の佐々木琉さん 主題歌を歌った洸美さんのトークイベントがあり、満員の会場は更に盛り上がり、監督が感極まる場面も。
私も出演者が決まる前の段階からイラストで関わったので
0.1mm程度だけど共感させていただいた。

会場を出るともう外は暗い。

向かいの「なぜここにあるのか」と不思議なミッフィーカフェは世界でもレアだそう。
K女史はスマホで調べもせんと、なんでなんでと連発してたので「ディックブルーナの生まれ故郷らしいで」とデタラメな回答をする。
ちょい見学し、そのまま散歩で釜石駅前まで。

駅横の大渡橋でK女史が「わ!」と叫ぶ。ナニナニと下を見ると真っ暗な河原で、鹿の集団が枯草を食べていた。
知らなかったら腰抜かす。
関西では馴染みの、奈良の春日野大社に護られ「おほほほ」と呑気に鹿煎餅をむしゃむしゃしている鹿に比べ、目を光らせながら夜しか活動を観られない姿は、迂闊に対面出来ないタフなノラ感が大きい。

釜石駅にはJRと三陸鉄道があり、ラグビーのモニュメントやらなんやらがあり、奥には「シープラザ釜石」という大きな土産物屋があるが、ものすごく中の電気が暗い。よって土産も映えてない。勿体ない。けどドエライ数の土産が並ぶのでいわゆる土産的土産をお求めならここ一択。
その向かいの「サン・フィッシュ釜石」は鮮魚が並ぶ市場。
購入した魚をBBQ出来る設備もある。
入口の「駅前食堂」は釜石ラーメンも食べられる人気の食堂。
サン・フィッシュ釜石は、その昔は日本唯一の橋上市場としても有名だったそう。
(もう少し進むと「マイヤ 釜石店」というスーパーがあり、旅慣れた方が選ぶシブ土産ならここもおススメ。)

駅向かいの大きな工場は日本製鉄。甲子川越えの大渡橋を渡る三陸鉄道の鉄橋と、巨大煙突から登る煙は、釜石の代名詞的風景であろう。

サン・フィッシュもすでに閉店してるし、どこかで釜石ラーメンを食べたいなーと探してたら、丁度その帰り道で店を見つけた。客がバンバン入って行ってるので悪くはないのであろうが、昔ながらの肉屋の二階で、かなりの年季の入った店っぽいので、恐る恐る入ったのだけど、ここが驚きの美味さであった。
たぶん私たちが頼んだメニューが最強チョイスだと思うので、ぜひ真似して欲しい。若ければカツなどもアリ。そしてご飯大盛で。
工藤精肉店食堂部

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