大好きな人が結婚した。

午前6時。寝ぼけまなこをこすりながら、今何時だろう、とスマホを覗き込む。と同時に、衝撃的なニュースが目に飛び込んだ。
朝にめっぽう弱い自分が、文字通り飛び起きた。「ええええええーーーーーーーー??!?!」って、絶叫。人は驚くとマジでこんな声出るんだな。


推しが結婚を発表した。


推しと書いたけど、正直に言うと「推し」という概念があっているのかわからない。その人に人生を救われて、その救われた私の人生をかけて応援している人。そんな感じ。


とっさに出てきた言葉は「おめでとう!!!!!!!」だった。

それでも、徐々に、時間をかけて、素直なおめでとうだけじゃない、いろんな気持ちが溢れてきた。


昔から憧れだったお兄ちゃんが、結婚するんだって教えてくれたときの感覚。
本当にお兄ちゃんなわけがないし、勝手な妄想だし、直接話したこともないし。ライブに行くのが精一杯。
それでも昔から知ってて、大好きな人だから、今までに感じたことのない気持ちも、少しあった。言葉にしろと言われても、難しいのだけれど。


すごく素敵な人たちだから、とっくに結婚してると思っていた。
プライベートはほとんど公開してないし。
昨日の夜も、夫とそんな話をしてたばかりだった。


でもどこか一人で生きてるような感じがしていた。


たんぽぽの綿毛みたいに、ふっとしたらいつの間にか何処かへ消えていってしまいそうな人。


いつかのライブで、ライトに照らされながら、一人マイクへと歩いていく。そんな彼を、光の中へ溶けてしまうのではないか?そんなことを思いながら眺めていた。


でもいざマイクの前に立つと、雨に打たれた仔犬のように真っ直ぐにこっちを見つめて、一生懸命に言葉を繋いで、必死に何かを訴えかけていた。その言葉は、熱を帯びていて、いつも心を強く揺さぶるのだった。その瞬間だけは、この人は生きている、ということを強く強く、噛みしめることができたのだった。


曲作りって、きっと孤独だ。

こうやって自分がこれを書いてる時でさえ、真夜中の森を歩いているような、出口の見えない不安に襲われている。
言葉を紡いで、音を繋いで、正解なんて見当たらないのに、ただ伝えたい一心で唄を作る。そんなことをずっと続けてきたのだろう。


どういう過程で曲を作ったかとかどうでもいい、ライブの時に目の前にいる「君」に向けて、一人ひとりに唄ってくれてるんだから。


それでも、あれから全部が新曲に聴こえるようになりました。
生まれて初めて恋をしたときのような、全てがキラキラしていて、生きる意味を見つけたように思えて、勝手にスキップしたくなるような。
世界が新しく見えるのです。それも、貴方のおかげです。
これって、もしかして、愛とか恋とか、そう呼ばれるものなのかもしれません。


14歳から19歳の人格を形成したのが貴方でした。
人の痛みがわかるようになったのは貴方のおかげでした。
19歳の時に好きな人ができて、とっても素敵な人で、貴方の曲のおかげで、結婚までして。
貴方のおかげで友達もできました。
貴方の力を借りながら、自分で選んだ人と一緒になれました。

辛いとき、ぎりぎりのところを何も言わずに傍にいてくれたのが、 貴方の唄でした。
「みんなのおかげで」って貴方はよく言うけれど、違うんだよ。
みんな貴方に助けられたんだよ。


午前3時のレギュラーラジオっていう場で直接発表っていうのが良かった。リスナーのことちゃんと信頼してくれてるんだなって。それがいちばん嬉しかった。


貴方が選んだ花だから、それはとても綺麗でしょうね。
何故だか私も幸せなのです。

藤原基央さん、結婚おめでとうございます。


これからのお二人に、いつまでも幸せが訪れますように。

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