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少し日常が愛らしくなる、そんな体験

最近の自分の周りの出来事ともリンクしているから、映画を観ている時にはずっと不思議な感覚だった。映画を見ているのに、自分の人生についても考える。集中しているのに、集中しきれない。

認知症を患う父を中心とした「家族」の約10年を描いたい物語。ある意味重いテーマなんですが、それが「重さ」と「コミカルさ」がバランスよくやってくるので、本当に一つの家族(ここでの家族は、子供、孫も入る)の物語が切り取られている感じ。

「豊か」「生きる」など、様々なことがこの中に入っており、さらに実際の事実(東日本大震災など)ともリンクさせることで、社会の空気もしっかり反映させる。そして、この登場人物も、素晴らしい家族ではなく、デマに騙されたりと、日本のどこかにいそうな人間という設定になっているところが、人生を覗く観客側としては、シニカルに描かれているなぁと。

この映画は、自分(家族を含めた)の人生と向き合う2時間になり、ちょっと家族に会いたくなり、ちょっと日常が愛おしくなる感覚。

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