『SHIFT イノベーションの作法』

8年ほど前、ふらっと近所の喫茶店(カヤバコーヒー)に入ったら、もくもくとノートにペンで書き込みをしているおにいさんがいた。濱口さんだった。

2012年ごろにワークショップに参加して、その明晰な考え方にびっくりこいたところだった。僕の日常のなか、忽然とあらわれたわけで、まぁ、声をかけられず、だけど、せっかくの機会だからと、離れた席から、様子を観察していた。

ワークショップの最後に、「自転車に乗るように、慣れればだれでも自然とできるようになりますよ」風に、言っていたことを真に受けて、それから意識して考え方をトレースしていた。見返すと、7-8年前ののノートはチャート図だらけだ。

話を喫茶店に戻そう。テーブルの上には、Macbook Airとノートとペン。黙々とノートにペンで何かを書いていた。きっと、2☓2やら、ポンチ絵を書いているのだろう。中身は全く知らないが、それまで、プレゼンテーションをしている姿しか見たことがなかったので、その書き姿が印象的だった。

書籍の中でも「二つの異なるソースから少しずれた情報を聞くと勝手に補完してしまう」とあったが、僕はワークショップと喫茶店という2つの異なるソースで得た情報で、さらに強くその方法論を認知してしまったのである。

そして、3つ目の異なるソースがこの論文集になった。雑誌の連載で読んで以来、久しぶりに読み返したが、さらに賢くなった気になれた。とはいえ、論文集を読んでも自転車に乗れるようにはならない。騙されたつもりで、手を動かしていこうと、改めて思った次第である。


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