見出し画像

U-40世代が考える、社会的分断・断絶を超えるためにできること

成田悠輔『昨日、起きたら夜の8時で眠れなくてしょうがなく近所の公園を散歩してたんですよ。そしたら5歳くらいの子がベンチに座ってて、すごい泣いてるんです。何なのだろうと思って話しかけてみたら「すごい怖い夢を見たんだ」って言うんですよ。何か避暑地みたいな所の別荘があって、そこに大人の人たちが集まっていて皆、おでこに成功者って書かれててワインを片手に格差問題について流れるような滑舌で議論してた、って言うんですよ。
「こういう精神性には耐えられない。悪魔じゃないか。こんな世界には住みたくない」って言って泣いてたんです。大泣きされたので焦って説得をしちゃいました。
「いやいや、違うんだよ。彼らは悪魔の顔をした天使なんだ。どう天使かって言うとね、世の中の情弱な貧乏人たちっていうのは彼らにお金を渡してもすぐストロングゼロを飲んでパチンコや競艇に行って"今日で終わり"って思いながら次の日も同じことを繰り返すような連中なんだ。僕たちにすべきことは彼らをどういう風に政治的経済的文化的に無力化するかってことが何より大事なことなんだ」と説いたんです。
「それこそが僕たちが進めるべき分断。そのためには何でもやるべきなんだ」と熱弁してしまいまして「そのためには楽天カードのリボ払いも、ヤフコメも、スマートニュースのマクドナルドクーポンも全部、正義なんだ」と熱く語ったんです。
そしたらエヴァンゲリオンの綾波レイみたいに微笑してスッとその場から消えていったんです』

村田沙耶香『どんどん少子化になって子どもが少なくなっていることが問題になっています。だから子ども庁を作ろうとか色んな動きがあると思うんですけど、ただでさえ子どもが少ない中で虐待の相談対応件数がどんどん増えていて19万件まで上がっていて、児童相談所が全国で200ヶ所くらいしかないのにいっぱいになっている。そんな状況を改善していくっていうアクションが国も民間もすごく必要だと思っています。家が安全じゃない人たちがそこから違う家を見つけるとか違う助け合いの場所を見つける、みんなで家族になっていくとか里親家庭に行くとか児童養護施設でプロの人たちに育てられて可能性を開花させるとかそういう世の中にしてくことが必要です』

福井良應『私は今、坊さんをしてますけど前職は博報堂のマーケターなんです。GOの三浦さんの1つ後輩です。その方向性だったんですね。どうやって人々の欲望を喚起していっぱいお金を使わせて経済を回していくかっていうことに加担した側だったんです、かつては。これはいかん、こっちじゃないぞと思って今、坊さんをしています。今まで犯してきた罪、穢れを全て捨てなければならないということでお寺にあるお供え物を貧困家庭の子どもたちにお裾分けをしていこう、という活動を金儲けとは関係なく考えずにとにかく良いことをしようということでやっています。1600のお寺と500の支援団体と一緒に毎月2万人ぐらいの子どもたちにお寺に届くお供え物をお裾分けしています。コロナ禍において色んな変化が起きている中でピンチをチャンスにできなかった人たちがいるっていうことなんですね。日々、僕らのところに「餓死」という言葉で検索して私たちの活動に辿り着いた方もいて、僕らは荷物を送るのに住所や名前、個人情報を聞きます。年収や仕事も聞きます。SOSを出してくれれば即日配送します。まず送って安心してもらう。多くの団体の場合、そこで収入の証明や本当に預貯金が無いのかどうかを確認するっていう手続きがあるんですが、そしたらSOSを出してから1ヶ月2ヶ月かかっちゃったりする。本当にそんなことで人を救えるのか、ということを僕らは感じて「これは坊さんがやるしかないんじゃないか。宗教者がやるべきことじゃないのか」と思ってやっているようなところです』

若新雄純『成田博士の天才からのメッセージは素直に受け止めなきゃいけないと思って真剣に聞いてたんです。なぜ成田博士の話から子どもの夢が出てきたのかなと思ったんですが、あれは僕は作り話だと思っててだから子どもが夢を見たっていう設定になっていることが大事なんだけど、成田博士は全部は教えてくれないんです、前から。一生懸命、紐解いてたのは放っておいても大人からの手垢がついていない純粋な子どもでさえ夢の中で「成功者」と書かれた人が出てきた。本能的には誰かにレッテルを貼って集団として怖いという思いを持ってしまうという前提があるってことが大事だと思ってるんですよ。それは誰かから差別的な考え方をインストールされなくても「こういう人たち」みたいな感じで怖いよと言ってしまう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?