第2回憲法調査会アーカイブ「国を創る憲法を創る新憲法草案」
「参加・対話・公開」がテーマの本調査会。ボリューム満点のアーカイブ記事ですが、ぜひ最後までお読みいただき一緒に学べると嬉しいです。
アーカイブ映像及び当日配布資料は↓こちらからご覧いただけます。
☆冒頭挨拶
・山尾憲法調査会会長
(山尾)
今日は国民民主党の第2回の憲法調査会をまた引き続きフルオープンで設定をさせていただいています。本日は加藤秀治郎先生に起こしをいただきました。先生どうもありがとうございます。よろしくお願いします。それではまずあの玉木代表の方から今日に向けた意気込みを一言お願いします。
・玉木代表
(玉木)
皆さんおはようございます。今日は第2回の新しい国民民主党になっての憲法調査会です。前回は「AIと憲法」ということで新しい視点での憲法論議を第1回やらせていただきました。今日は温故知新と言いますか、これまでの議論を少し振り返ってみたいなと思いますね。
とかく憲法改正論議と言うと自民党のあるいは与党の専売特許のようなイメージで語られることが多いんですけれども、野党の中でもこれまで憲法論議の積み重ねは確固たるものがございます。今日お越しいただいた加藤秀治郎先生が中心になってまとめた改正草案というものもございますし、我々の先輩であります中野寛成先生、元衆議院議員で民主党の憲法調査会長も務めておられました。中野寛成先生も中心となられて「新憲法草案創憲会議」がまとめたということになっておりますけれども、その中心的な役割を果たした加藤秀治郎先生にお話をいただきながら、これまでの野党の中での憲法論議の歩み、その積み重ね、こういったものを改めて学びながら、今日的に特に21世紀に入り、コロナを経験した我々が引き継ぐべきものと、さらに、そこに加えていくべきもの、こういったものを整理する一助になればと思っております。
是非、今日は参加いただいた多くの一般の方もいらっしゃいますので、一緒にこれを勉強する機会になればなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
(山尾)
政調会長、一言お願いします。
・舟山政調会長
(船山)
おはようございます。今日も多くの皆様にお集まりいただきましてありがとうございました。また加藤先生今日ありがとうございました。
あの私たまたま先月、交通労連の会報で会報の先生のコラム、今月のトピックということで拝見をいたしまして、大変感銘を受けて一度お話を伺いたいと思っていたところをこういう機会がこんなに早く来て大変嬉しいなと思っています。
そこに書かれておりましたのは、国民の多数はすでに憲法条文はそのままで問題を先送りにするだけの護憲には背を向けているのではないかと、このようなコメントがございましたので前回も申し上げましたけれども改憲だ護憲だではなくて、やはり憲法を知る憲法を議論する、足りないもの守るもの、しっかり確認するという作業は絶対に必要なんだろうなと思っております。もう一つ私たちには発信力を強化するべきだとこんなお言葉もいただいておりますので、しっかりと胸に刻みながら今日もこの勉強会を通じて、より良い実りある議論にしていきたいなと思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
(山尾)
ありがとうございました。それでは私の方から皆さんのお手元の資料の説明だけさせていただければと思っています。
まずは次第です。この表はシンプルなのですが裏側に、前回と同じですが、今日初めての方もいらっしゃいますので、一般の方に向けたお手紙と思ってください。「国民民主党憲法調査会へようこそ」ということで、この回は国民が完全に自由に参加ができるということ。そして2時間というちょっと長めの枠で十分に一般の皆さんにも質問やご意見を言っていただけること。そして終わった後も記録の映像とかあるいは議事録ですね、こういったものをきちっとオンラインでも公開をして、この私たちの議論の経過そのものが皆さんの社会的な憲法議論の役に立つように、みんなでそうやった貢献していく場だという風に思っています。
先日第1回をやってその後一般の方や議員の方から一番多かった感想が「喧嘩にならないね」ということでした。とっても充実した議論というか良い対話ができても一般の方の考えを知り一般の方も議員の考えを知るという良い機会になったのかなと思います。今日もぜひ違う意見を大事にしようということでやっていきたいという風に思います。皆さんのお手元に、すいませんリニューアルができずまだ私の手書きなのですけれども、アンケートです。これ是非終わった後にご記入をいただければありがたいです。そしてちょっと気が早いですけれども、お知らせで次回また来週の金曜日の同じ時間帯で33回の憲法調査会がありますので、これを是非ご覧いただいた上で、早速今日の資料が3種類の資料がございます。
この加藤秀治郎先生のお名前が一番上に入っているホチキス止めのもの、これを元に今日話をいただけるのかなという風に思っています。そして併せてこの裏表の一枚紙これも先生の話の方で触れていただく図かなという風に思っています。創憲会議新憲法草案全文というものですが、これが創憲会議が提案した全文と解説本なんですが、今はなかなか入手がしにくいという事で皆様のお手元に条文の全文を持っていただいて、今日のお話を聞いていただこうということでご用意を致しました。是非参考にしながらお耳を傾けていただければ幸いです。それでは加藤先生改めてどうぞよろしくお願いいたします。
・加藤秀治郎先生
(加藤)
どうもご紹介ありがとうございます。東洋大学名誉教授の加藤と申します。5年ほど前まで東洋大学で政治学を講義していた者であります。ですから憲法論についても一般でなされているものとはかなり違うものがあると思いますが、その点をお含みおきいただきたいと思います。それで講義をしなくなって5年くらいになるものですから発声の機会が少なくてですね、少し滑舌が悪いということを時々言われます。お聞き苦しい点あるかと思いますがご理解いただければ幸いです。
それで、お手元の資料に基づいてお話をさせていただきます。私も座ってさせていただきますのでよろしくお願します。
タイトルは「国を創る、憲法を創る」というタイトルでお話させていただきますが、今日が第2回ということですが、お断りしなければならないのが、米印で書きました全て一個人としての見解ですということで、私は現在、政策研究フォーラムというところで副理事長という役をしておりまして、その組織が憲法草案を創るのに関係したものですから、関係あると言えばあるのですが、色々違いが内部にもあります。その点を私個人の意見と言うことでご理解いただきたいと思います。
まず、「1.はじめに」というところから入らせていただきますが、私は政治学から憲法の問題を議論し始めまして非常に違和感をずっと覚えてきました。日本では政党が色々ありますが非常に変則的でヨーロッパなどではこういう形になっている国がまず見られないと思います。それで日本では1955年体制と呼ばれるのですが保守革新ということで対立が軸ができたのですが45年から55年ぐらいまでの10年間は必ずしもこういう図式ではありませんでした。ですから戦後すぐからそうなったと思わない方がいいのですが、今55年頃からこういう図式ができました。ヨーロッパでの西洋の左右軸、これは当然あるんですがこれが日本の場合、非常に大きくなっているということでして、図表裏表になってるほうを見ていただきたいんですが、図表のa、これは政治学で一般に言う右左でありまして左右の全体主義があって間に自由民主主義体制を尊ぶ勢力があります。間にはそうでないはっきりしない勢力があるのですが、こういうのがあり当然であります。日本では真ん中のところ自由民主主義と呼ぶのは、これをおこがましくも政党名に使っている政党があるものですが、これは保守主義、自由主義、社会民主主義、民主社会主義を全部ここに包含されます。
それでレジメの所に戻りますが戦後変則的になった一番大きい理由は、外国でしたら左の側でも防衛を肯定するというのあるんですが、日本でもありました、共産党や社会党に関係した荒畑寒村さん、小堀甚二さんっていう方がいましてこの人達が中心になって社会主義軍備論で社会主義の立場から準備が必要だっていうことを唱えたんですが、この人たちが党内闘争で破れます。その結果ほとんど左側には軍備の肯定論がなくなりました。今は肯定するような議論が少しはあるんですが、何か歯切れはよくありませんが、かつてそういうのあったということは頭に入れておいて良いかと思います。
後は多く指摘されていません、共産党、戦後すぐの憲法論・防衛論がありまして、現在はそれを変えてきております。2004年からはさらに分かりにくくなってまして、共産党の主張を理解するというのは大変難しくて、私も書くときは間違いないようにですね、いちいち改めて記憶にだけ頼らないで書いている次第であります。憲法制定時に9条に反対したはっきり反対した政党は共産党であります。防衛戦争はどこの国もやってるんだからそれいいじゃないかっていう主張しています。そんなことで憲法が非常に政治的に分かりにくくなっていますが私の政治的な立場ですけれども専門にしているのはドイツなんですが、ドイツやイギリスなどヨーロッパの感覚からいますとは中道と言われる所に位置してるものであります。それで私は日本に紹介した学者はダーレンドルフという人ですが、この人はドイツで活躍をした方でありますが、ヨーロッパでは中道中の中道の立場の人ですが、私は改憲を言ってるものですから、その辺からですね、ネットではウヨ呼ばわりをされてましてですね、まあそんなことは気にしないでやれって言われんですが少しは気になりますね。そんなので嫌ですが書かれます。ですから改憲だけでそういうのはおかしいのでありまして、共産党とも関係のあった荒畑寒村とかですね、そういう方は軍備を必要だって言ってたけれど、それで憲法論議といますと神学論争という言葉が出てきますが、日本では神学というのはよくわからないもんですから、ただ神学論争だって言うことを言ってますが、非常に例えを私も探してきて話すことにしています。
ユダヤ教を例に出しますがドイツに行った時、隣の部屋にアメリカ人でユダヤの同じ歳の男性がいまして、彼と一緒に食事に行くとその度に大変だったのですが食事のタブーがたくさんあります。何がダメかと言いますと鱗のない魚介類はだめだっているが旧約聖書に書いてありまして、これを厳格に守ろうとするのはユダヤ教の信者であります。それで日本に来ると、この人たちが非常に迷うのは何かと言うと、大変匂いのいいウナギというものがあってですね、日本人は美味しそうに食べているけれど鰻は食べていいのか?だめなのか?っていうのがですね、日本にいるユダヤ人の間で悩ましいところであります。大抵の人はあれは鱗が見えないだけ見えにくいだけであるとされてるから食べていいんだってのが、日本にいるユダヤ人の人達ですが、外国にいる人はそんなけしからんことをやってるのかっていうなことになります。
これに類することが自衛隊は軍隊かどうかみたいなことで、皆さんがまあ神学論争という言葉が出てきたら、あ、こういう領域に入っておるなということですね、ちょっと思い出していただければいいかなと思います。
学者の議論も非常に歪んでおります。無条件降伏をしたのかどうかということでありますが、今の年配の方はご存知ないでしょうが、高校の教科書には日本は無条件降伏をしたと書いてありません。いつ頃でしたか正確な年を確認してくれば良かったのですが、私なども言ったのですが、これはもう無条件降伏だって言った方が無理なんでして日本が受諾したポツダム宣言には英語の正式名称をみますと日本の幸福の条件を定めたる宣言でありまして、ポツダム宣言というのは条件を列挙した文章であります。ですから無条件のはずがないのでありまして、長い間無条件と私も学校で習ってきましたがこんなのむちゃくちゃもいいところだと思います。今、幸い教科書ではこれは直りました。
もう一つは安保法制の時問題になった集団的自衛権でありますが、ベトナム戦争の頃、私は学生時代がちょうどそれなんですがこの頃、いわゆる活動家の学生が何て言ったかというと「沖縄の基地から、ベトナムに向けて戦闘機が飛んでいる。お前たちは戦争に加担しているのだ。集団的自衛権を認めていいのか」っていうようなことをして憲法学者は当時何て書いていたかというと「基地の提供もそういうわけだからアメリカの権利の行使に日本は関与してるんだ」ということでありました。
それがいつのまにかですね安保法制の時は実力をもってする行使だけが集団的自衛権で基地の提供は集団的自衛権に当たらないということであります。解釈変更がいいのか悪いのかというのは憲法学者が大好きでやっているのですが、自分達も解釈変更やっているのですがちょっとおかしいんじゃないかっていうことであります。最近の言葉は立憲主義でありまして、それを名乗ってる政党についてのコメントはしませんが、立憲主義ということ言う以上、憲法を大事にするということですから緊急の時にも、大事にしなきゃいけないということであります。
それで後で詳しい文章を紹介しますが、ビスマルク、ドイツの統一を果たしたビスマルクは何て言ったかといいますと、「緊急は法を破る」っていうですね法格言を作っています法律で何と定めていようと緊急の時になったら必要に迫られれば法律なんか無視してあるもんだということを政治家なりの表現でやったものであります。とすれば緊急の時にですね耐え得るような法律にしておくというのは大事なことでありまして、戦後のドイツの代表する憲法学者ヘッセっていう人でして、文学のヘッセとは別人でありますが、憲法は緊急時にも価値を発揮すべきである。ですからドイツの憲法は緊急の事態に耐えるような憲法を作ろうということで実にその辺ですね、行き届いた規定をしています。これに対して日本はどうかと言うと護憲勢力改憲勢力ということ言ってますが私は護憲は現在言っている人の課題は9条至上主義、9条守るってことだけを言っていて他についてはほとんど議論しないという状態になってきました。それで他は全て目をつぶるのかということでありまして、今日話ししたいことの重点の一つが両院制。民主党が政権につく前後、非常に混乱をしましたがこれは日本の両院制がかなり無理のある現状にそぐわない規定になっているからであります。もう一つが衆議院解散であります。菅首相が誕生して年内にも解散かと言われておりましたが、そういう時、新聞は首相の専権事項だというし、政治家の人みんな軽々しく、首相の専権事項って言いますが、こういう文章はどこにも書いてありません。勝手にそう呼んでるだけです。金利と解散は他は言えないんだなんてことをですね言ってますが、これ自体非常におかしいということです。
それで今日ご紹介しますのが「創憲会議」という団体の経緯でございます。これは名前が何度か変わりまして、私の記憶に間違いなければ一番最初は「護憲連合」という名前だったと思いますけど、その次は憲法を論じようってことで論憲会議という名前になって、最後に落ち着いたのが「創憲会議」で憲法を創るということになりました。それで2001年頃からここの団体ですね。民社党それに近い労働組合それに近い学者、こういうグループの中で2001年頃から研究を始めようじゃないかというところで私もこれに入りました。それでこの2001年頃の段階では学者だけです。
私は東洋大学に来るまで京都産業大学におりまして2000年に東洋大学に来たんですが、来てすぐに自由に憲法議論するから入ってみないかということで、詳しくないですがと言いながらこの主査にさせられました。それでいいんだっていうのは9条に限らず幅広く検討するからということでありました。この成果を私の編で「憲法改革の構造」という本に2002年にまとめましたが、ほとんど売れないまま過ぎました。(会場笑)そこでどんな議論が出たかですが、幅広い方にお集まりいただきました。憲法学者だけだと話が偏るのでですね、そこに政治学者も入れる国際政治学者もいれる、あと変わったところでは経済学者も入っていただきました。どんな点が論点になったかということで論点列挙しますと、9条改正論、集団的自衛権論、首相公選制論、これはここの2001年の時の団体では両方ありました。やったほうがいいという方と、ない方がいいということ。私はないほうがいいと思うので、ドイツ式の総選挙で首相候補も明示して戦うというのでいいんじゃないかと言いました。
両院制の改革、これは早くからですね、今、玉川大学にいらっしゃいますが憲法学者の小林さんっていう方がですね、両院制は問題があるっていうこと言いました。それを聞いてまして私は最初ピンとこなかったんですが、よく聞いてみるとこれは問題があるなということでありまして、両院合同会、衆議院と参議院を一緒に開いてそこで何かを決めるようなことをやってはどうかという提案もそこでありまして、解散制度の問題もありました。後は政党への助成が始まっていながら、憲法上の規定がないのはおかしいと言う議論。それで財政民主主義、今、額は相当減ったんだと思いますが、いわゆる財政投融資で第二の予算とかと言われたと思います。非常に大きな額を扱いながらここについて国会が関与しない。それは憲法で言ってる財政民主主義に反するんじゃないかと、憲法に書いてあることと実態がずれてるのはこういうところにもあります。後はいくらでも赤字増やせることになりますがそれは問題だという経済学者が外国にはたくさんいまして、規律ある財政運営を憲法上何かですね、書いてはどうかということであります。
あとは今日に繋がる問題ですが、新しい人権、情報の自由と保護、環境系の問題こういうのですね、議論しようじゃないかというところでした。それでこの時の提言はこういくら並べても結論の出ないのもありましたから、提言としましては9条の改正と両院制改革を急いでやってはどうかということであります。それで翌年2002年頃からは、もう少し具体化しました。それで今日のタイトルにあります「国を創る憲法を創る」っていうのは、こういう本にまとまっているんですが、これを創る経緯になりましたのは政治家の方がはっきりと関与をしてきました。どうしてそうなったかですが、私もすっかりこの頃のことを忘れていました。読み返していましたら、2002年7月に当時の民主党憲法調査会の報告で憲法の議論を真摯にしていくということで、謳ってるわけです。ですからこれから、民主党として憲法をどう書いたらいいかということで、はっきりそういう段階に入ってきましたから、論憲っていうところはもう間違いなくなりました。それが憲法創ろうじゃないかということで、創憲に行きましてパンフレットを作りました。まず最初は創憲を考えるための提言って言うことで、2005年にパンフレットを作りましたが、その後、最終的に条文案まで作成いたしました。この時、新憲法草案という名前になっており、これが創憲会議編「国を創る、憲法を創る」というところで一芸社という小さな出版社から私が出してもらいました。このタイトルを考えたのは私です。つけた時は非常に良くて、これは相当売れるんじゃないかなと思いましたが、案の定外れました。今回残部はないのかということで問い合わせがありまして、倉庫から4部だけ出てきまして、案を創るとき大事でしょうからってことでお渡しをしたような次第です。
その後どうなったかということで、こういう動きをしますと、日本の政治学者や憲法学者の間では非常に問題になりやすいです。もう一度、図で説明をさせていただきますが、図の入りました表裏の資料を見ていただきたいんですが、先ほど言いましたように色んな勢力がある。それ少し立場ごとに分けたのが、図表のBであります。日本では長い間、保守革新と言っていましたが、革新という言葉はいつからか使われなくなりました。それで保守中道というふうに言いましたが、西洋では四つぐらいは最低分けなければいけません。面白いというか知っておい方がいいのは次のところです。国際性と組織というのがありまして、似たような立場の各国の政党が作っている団体があります。そして自民党はかつて国際民主同盟というところに入ってました。二階堂さんという方がこれに熱心でしたが、いつ離脱したのかわかりませんが、今はこのメンバーじゃないとおっしゃっておおり、私の想像するに会費を払わなかった時期があるんじゃないかと思ってます。
次の自由主義というところは、今は日本で非常に自由主義って言葉がでたらめに使われていますが、西洋では中道中の中道として重心インターナショナルっていうのがあります。中道、日本語ではそう言われると思うんですが、中道左派的なスタンスでイギリスの労働党、ドイツの社民党などヨーロッパで強いのが社会民主主義、民主社会主義といってもよろしいんですが社会主義インターナショナルというのがあります。これに対して共産党は共産主義はですね、コミンテルン、コミンフォルムそして長く世界共産党会議と言うのが組織しており、これは全く立場が違います。そこに汚いですが私が手で太く線を引きましたのは、他の3つとここに重大な違いがあるということです。55年の日本の政党は社会党で同じ党内に右派と左派のところで、この一番太い線で分かれていてこれが憲法に絡まった対立視点であります。ですから私は政治学者で、政治学会の会合に行ったりしますと、彼は憲法改憲論者ということで、それだけで敵のように見なす方がいるわけです。これは西洋のことを考えましら、非常に変則的であります。
裏に行きますと、さっき申し上げたように右左で別れるなら全くわかりやすいんですが、日本では55年後の頃から、それ以外の要因が非常に強かったです。経済社会政策で別れる右左に加えて、憲法防衛政策などをめぐって普通の国ようにやろうじゃないか再軍備も一定の範囲でいいんじゃないか、後は日本は自由民主主義の体制なんだから西側同盟でいいじゃないか、という立場の勢力が片方にいて、それに反対する勢力がいまして私が勝手に特殊な国と名付けましたが、それを目指す勢力があったわけであります。そうしますと政治勢力を分ける時、この二つを一つにして込みにしますと、保守革新ということですね。非常にヨーロッパとは違う図式になってきます。それで先ほど出ました民社党という政党は、右左の軸でいうと中道的な所にいますが普通の国の路線を早く言ったためにですね、これを二つの次元を一つにしますと、かなり保守の方に位置づけられるということで、長らく新聞は、民主党は自民党よりも右という位置づけをされてきた政党であります。それでこれはおかしいのは外国なら政争は水際までということでですね、上下の軸はほとんど無いに等しいんですが、これが無いに等しいってね先ほど言いました荒畑寒村、西堀さんという人たちが残ってればあの左の方にも普通の国の勢力があったんですが、これはほぼなくなりましたからこうなりました。それで図表のdといいますと、これは冷戦が終わった後、返って状況は酷くなってですね、左右の対立で経済社会問題よりも安保防衛・憲法問題ですね。これが大きくなってきたというところがあると思います。それで政治学者でも憲法学者でも一番遠く大きく分け隔つものは、改憲か護憲かみたいなことになってしまいまして非常におかしいところであります。また後で時間があれば触れさせていただきます。レジュメに戻りまして、2ページ目のところであります。国を創る、憲法を創るというところで今日お配りいただいた条文まで入ってるんですが、この条文、私が中心的な位置にいましたが、憲法学者じゃないですから条文は書けません。それで序文もあった方がいいなと思ってましたら大変エネルギッシュな方がメンバーに一人いらっしゃいまして、帰ってきました。この方は当時、山梨大学にいらっしゃいまして、東京と山梨の間をですね、バスで移動する間、ノートパソコンに打ち込んできてですね、それを提示しました。今、日大の法学部にいらっしゃる池田実さんっていうですね、教授の方ですがその方の案をみんなで叩き台にしてこの案にまとめたということであります。その後どうなったかっていうと、ここからがですねとんとん拍子には行かなかった訳でありまして、停滞を見たということであります。同じ政党の中にいろんなこという勢力がいる。それで残念なのはメディアがいつまでもさっき言ったような図表のcやdのような論調でやっていまして、私も改憲を唱えたことでですね、この新聞からはほとんど取材をされないとかですね、この新聞からはされるとかそういうような色づけがされてしまって、それが固定化して今日に至っています。それで2011年、政経フォーラムでは何をやったかというと、緊急事態法制、これはご承知のように3.11ですね。これがあったので必要ではないかというところでまとめました。参考になるのドイツの例で、この言葉はもう何度引用してもいい言葉ですが、先ほど言ったヘッセの言葉ですが「憲法は平常時においてだけでなく緊急事態及び危機的状況においても真価を発揮すべきものである。憲法がそうした状況を克服するための何等の配慮もしていなければ責任ある機会には決定的瞬間において憲法を無視する以外に取り得る手段は残っていないのである。」ですから、立件ということ言う人ほど憲法を現実に合う憲法にしなきゃいけないってこと言ったんでありまして、これは本当にこれ以上の表現は取りようもないのでですね、ぜひ覚えて政治家の形になっては演説でですね、ここはちょっと耳で聞いただけで分からないでしょうからプリントにしてですね、お話いただきたいと思います。それで日本人は忘れやすいんで2011年大騒ぎしたんですが結局何も憲法は変えないまま今日に至っています。2017年、もう一度研究委員会を作りましたが、この時はどうして進まないのかという点から改正論議のあり方がどうもおかしいからじゃないかというところでこれは私が持論だったんですが、憲法の世論の啓発に向けてもう少しちゃんとやるべきじゃないかっていうことを唱えました。パンフレットを作りました。良いパンフレットなんですが、例によってですね、政経フォーラムが出したパンフレットで一番読まれないパンフレットになっています。(会場笑)
パンフレットの一番最初、これはもうよく引用される言葉、次の言葉の方が有名なんですが同じ京大の哲学者の田中美知太郎さんが言った言葉ですが「過去がいつまでも支配できるのは死んだ人間が生きている人間を支配することだ」とこういうことです。これは立憲を言って憲法を簡単に変えるべきでないって事言う人がいますがこれで反論も十分つきます。1946年に決めてしまった憲法をですね、どんなに国際状況が変わろうと何でもそのままっていうのは、当時の人が決めたことを現在生きてる我々がですね支配されている。孫子の時代になればですね、もっとそうかもしれませんが、京都大学の先生ではいいもんだなと思って引きました。次のことは非常に有名です。「平和憲法だけで平和が保障されるなら、ついでに台風の襲来も憲法で禁止しておいた方が良かったかもしれない」ですから憲法九条の横にですね、日本は台風を放棄する。襲来もダメだと書けばですね、台風が来ないんでしたら非常に助かるんですが、そんなことは台風のような自然現象には関係ないし、外国の中国なんかも日本の憲法を守る筋合いはないのでお構いなしです。次の言葉は英国のジョージオーウェルという作家で有名な作品は1984年っていう48年にだして84年ですね。村上春樹さんが「1984」っていうのを出しましたが、それの元になった小説を書いた方です。
絶対平和主義者、これがパシフィズムという英語の言葉では非常に特殊な言葉です。一般の人はほとんど言わないですね。日本では私は平和主義者ですというのは皆言いますし私は平和主義者でないってことをいうのは、非常に勇気のいることですが、訳すとすれば絶対が頭につきます。絶対平和主義者が暴力放棄できるのは代わりに誰かが行使してくれているからです。憲法9条が、日本を守ったっていうことよく言われるんですが、日本を持ってきてくれたのは自衛隊があって日米安保条約があって、米軍と日本の自衛隊で守ってくれてるんだということであります。代わりにその人達がやってることを忘れたふりをして9条があるから平和を維持出来たというのはですね、こういうことばっかり言ってるのはちょっと私、特殊な日本だけの話ではないかなと思います。東洋大学にいた時にですね、時々、東洋大学法学部加藤秀二郎様って言うのですね、葉書が来ましたが何が書いてあるかというと憲法9条は私たちの宝、誰にも手を付けさせない。これで終わりですね。要するに私が9条改正したらどうかってこと言うとそういう事やるのは許しがたいということですね、どこから調べてきたのか分かりませんが、東洋大の住所を調べてそういうの送ってくるわけであります。オーウェルの言葉、日本で戦争放棄できるというのは誰かが代わりにやってくれるから。国内で私たちが暴力を振るわなくて済んでるのは警察の方が治安の維持をしてくれてるからであります。
3番、改正の手順についての話に入りますが、私はまあそういうわけで2000年頃からですから、ずいぶん長い間、会見の議論に加わってきました。そうしますと非常にそういう会合で他の憲法改正論者の方と話をする機会がありますが、非常にがっかりすることがありました。何かっていうとだいたい私はここを変えるべきだってこと強く主張されます。そしてこれが受け入れられないなら私はこの会合から抜けるとか言うのが大体日本の改憲論者のパターンであります。これに対して護憲派って言うのは、非常に柔軟で、共産党と旧社会党に代表されるんですが、共産党旧社会党はあちこちで激しく争っています。
今、学術会議が問題になりましたが、大学という世界に行きますと共産党と旧社会党系の人たちが新しい先生を誰をとるかということをですねお互い自分たちに近い人を採ろうとしますから、激しく争うんですね。本当に激しく争います。それでそういう人たちがこと9条の議論になったら何するかというと、普段対立してることはすべて収めて9条を守るためには一緒にやるということであります。共産党の9条の考え方は屈折しておりますが、一応そういう点での護憲では一緒にやっていました。ですから、どちらが政治的に現実的なのかってことをもう少し考えたらいいのかなと思います。それで全部にわたる案を作りましたが、こういうのは草案であります。前後して首相になりました鳩山由紀夫さんなども憲法案を作りました。たくさんあるんです。そのうちの一つが私達の案でありますが、全文作ったってしょうがないじゃないかっていうのが私の個人的な意見です。ですから、にも関わらず全部あった方がいいっていうのはですねこういう人たちはこういうことを目指してるんだなっていうことが分かるからであります。それで全部の条項をですね、先ほど言いました池田稔先生のたたき台を元に作りました。
池田さんなんじゃないのは前文だけでしてですね前分は実は私が書きましたってね。P114、別刷りの新憲法草案の前文というところに一番最初が前文であります。前文にこだわる方はたくさんいて、私は普通会合では前文はそのままでいいってこと言ってるんですが、ないと困るからってことで書きました。それで私が書いたのは「一つ日本国民は悠久の歴史を通じて云々」ていうことを書きました。一つ何々長いのは読まれないからですね。こういう事にやった方がいいんじゃないかってんでしたら、それがいいとトントン拍子でここは決まりました。そして作りました。作ったのはビジョンしました書いてあります。別名に戻ります。具体的には優先順位をつけて一つ一つ提案をする。ですから改憲の時一緒に出してもしょうがない面があります。あとはせいぜい一つか二つだと思いまして少数をまとめての提案ということですが、これはものを決めるときのルールですけれど、賛成か反対かっていうことを言いますと賛成は全部の賛成しかありえませんが、反対はどれか一つでも反対になると反対になります。
例えば前文の改正に私が賛成しないのは中曽根さんが書いきました。そうするとここの表現が気に入らないとかですね、みんないうわけです。こういうことにこだわる人は聞いてると嫌になっちゃいますが、大体ここはこうすべきだとか言い出します。そうするとその人は前分にこだわるためにこの案に反対だということになってしまいます。ですからこれは大変愚かしいことで順番をつけてやるということでしかしょうがないと思ってます。
それで現在の国会の状況ですが、衆議院は残り任期があまり多くなくなりました。私は憲法審査会を早く動かしてもらいたいと思っていますが、そのためには自民党は4点まとめている9条論については封印するのも考えていいのではないか。というのは何かというと、残り1年ではとてもまとまりません。まとまらないことを理由にですね、世論が熟していない。大体こういうんですね。決まりきった表現でして先日もある党の幹事長の方が「世論は成熟を見ていない」ということをおっしゃってましたが、そうすると決まりません。というので他の点で急ぐ点、私は例えば衆議院解散の情報を制限するのもいいと思いますし、これは議論が相当ないと両院制はできないかもしれませんが、そういうあたりが一つあるかと思います。解散の制限は割と条文的には簡単に出来ると思いますが、日本は議院内閣制をとっているから解散もなきゃいけない。なければ困ることもあるんですが、日本と同じようにかなり勝手に首相の専権事項みたいなことで簡単にやってたのは、議会制の母国イギリスでありました。イギリスは、ずっと勝手にやってました。ところがそのイギリスが2011年に制限をしまして、任期5年あるんですが原則的に任期を固定するという法案をつくりました。昨年でしたか解散をしましたが、それ以後の一回の例外的な適用でやってるんです。これは困らないんです。それはその後で出てきますからそこでお話をいたします。
それで4番に入ります。統治機構の改革これは憲法学整備は政治学者の方が言っていいことであります。笑ってしまいますが、ドイツ人のインテリが集まっている団体が東京にあり、そこで今度は日本で憲法が議論されてるようだけど改憲論者と護憲論者を呼んで、意見を聞こうということをやる。ついては私の同僚のドイツ人が「お前は改憲論者らしいから来て喋ってくれ」と言われました。「私はいいですよ」とかって言って、喋ることの内容について「ドイツ語の表現をどうするかはあなた協力してくれます」と言ったら「いいから」と言うんですね。それでたくさんいる護憲論者からそれで憲法学者は留学先としてドイツが多いんです。ですからドイツ語ができることになっています。それでずいぶんあちこち探したっていうんですが、結局誰も「はい。行きます」っていなくて。なかなか決まらなかったんです。それで最後に早稲田大学のある憲法学者の方に決まりました。この方は何て言ったかと言うと、「私は頑なな護憲論者ではありませんが、誰も出ないと言うんでは困るでしょうから行きます」と言ってきました。ということは何かって言うと、聞く人がドイツ人で少しは知識のあるインテリだとなると、そこの前で日本の憲法論ですねそのままいうのは大変だということをやっぱり意識してるからだと私は勝手に解釈してますが、それはお前がそう思ってるだけと言われればおしまいですがそういうことです。統治機構について憲法学者から放っておけない。9条を守るためにだけ統治機構放置されない。非常に迷惑だと政治学者の私は考えます。まず両院制の改革これを放置しますとスムースな政権交代は困難になる。これはもう実証済みです。皆さんご承知のように第1次安倍内閣ができたとき参議院選挙で敗れて衆参のねじれが発生しました。その途端に日本の政治は急に動かなくなりました。顔を変えて福田さんになり麻生さんになりましたが全然だめ。解決する方策は連立をするしかなくてご記憶のある方もいると思いますが、福田康夫内閣の時民主党は小沢さんが代表ですがその時ですね、連立の呼びかけがありました。そして私は大連立をやったドイツの研究者ということで実はその時自民党に呼ばれて話に行きました。それでは私はやった方がいいということを言いまして説いたんですが、あの時小沢さんは自分もやりたい。ただ党に持ち帰らなきゃいけないって持ち帰ってできないでしまいました。ということは何かって言うと衆参ねじれが生じた場合、一番簡単な解決は連立を組み直して平らにする事やるとかですね、なんかすればいいんですがそれができない場合はどうなるかって言うと混乱です。それでその後生じた福田内閣、麻生内閣、鳩山内閣もちょっとは良かったですが社民党が離脱してからは大変なりました。そういうので両院制の改革。私は参議院ですがこれを提案を述べました。それで参議院をちょっと権限を弱めるというのは私の経験でこれを参議院議員の方の前でしゃべって反対されると思って喋りましたが当時の民社協会の国会議員の方は「あんたの言ってることはその通りだ」と言うんですね。「自分達はその通り線でやりたいと思うから、案を詰めてくれ」て言われました。それで阻止する参議院が現在の強い参議院として非常に強くなっています。分かりやすく言うならば拒否権のある参議院です。もう参議院反対したらそれでストップです。それを参議院が反対したら決まるのが遅れるだけでいずれ決まるということで「遅らせる参議院」にするというスローガンにしました。それでその間に遅れてる間に世論調査があります。世論調査があるとこれに弱いのが国会議員の方ですぐ変わりました。変わらない方もいるでしょうが、世論調査で参議院の言ってることの方がいいじゃないかとなったら参議院の方の案に乗る可能性が多いですね。そうしますと衆議院で1回目に通った案のまま賛成ってことを採決に強引にやるかというとその可能性は政治的にはあまりありません。したがって名を捨てて実を取るっていうことで参議院はどんどんおかしいと思ったら別な意見を言う。そして遅れたらどっちがいいかは世論を見ながら決めるってことです。その時大事なのは両院をまたがる党議拘束を外してですが国民は党議拘束どうされるのか私新しい分について知らないと言うんですが。党議拘束、自民党はこれに賛成、参議院でも賛成。立民は衆議院でも反対、参議院も反対となれば衆議院・参議院議員問わず賛成・反対、党が決めた通りやんなきゃいけないんでして、これが両院をまたがる党議拘束ですがこれをやってると参議院せっかくおいても、別な議論ができないんで、 参議院なくせってのは実は一般の人の声には非常に多いですが、それは同じ事やるならいらないじゃないかっていうことであります。まあそういうのでここを何とかしたほうがいい。それで変えれば参議院の権限を弱めると名は少し権限ですからちょっと弱くなりますが実を取ることになって参議院の議員が注目される。それで憲法を改正する必要ありませんが両院協議会ってのがあるにはあります。それで現状はどうなってるかっていうのは、両院から賛成・反対の同数の議員が出てくる、10人、10人だったんですが、衆議院が賛成で通った、参議院反対で否決されたとなると衆議院から賛成の人だけ10人来る。参議院から反対の人で10人来るとして、これでは決まるはずがありません。しかもここで決まるには2/3がなければ成案が得られないって言うんですがこんなものではわざわざ決まらないように決めてるルールですね。おかしいもほどがあるかじゃないかというふうに私なんかは言いたくなりますがそういう制度です。これも放ってあるのはどうかと思います。衆議院解散制度の制限。これはもう全く私は聞いてて呆れる毎回。また言ってるけれど私がいくら言ったってもう何も動かないからですね、諦めながらも言うだけ言ってるのですが。GHQ 憲法制定に関与しましたが占領下で吉田内閣の解散をしようとした時、西吉田内閣は7条で解散しようとしたんですが、それはダメとストップかけられました。それで形式的に69条と整合的な形をとってやりました。それで解散なくしていいのかっていうことを言う人はいますが69条の書きぶりがちゃんとどこの国もそうですが「不信任が成立したら解散する」これはその通り。その後に何て書いてるかて言うと、信任が否決された場合も解散に行く可能性があるように書いてます。ですから外国はどうするかって言うと信任を否決すれば可能なんですね。ドイツは戦後70何年かで2回でしたか解散しましたが、形の上ではこれです。わざわざ与党側が信任案を出します。今の内閣でやっていいかどうかを測りたい。それでそれは今のままやりたいんですが否決するには野党だけが反対してるんじゃだめですから与党側から欠席者を作ります。欠席者を作りますと与党と野党が議場に来てる人の数が逆転して否決となりますからこれでいいわけでしてドイツはこの方式です。私は衆議院の無制約な解散に反対するのはデタラメと書きましたがお金がかかるです。それで解散風が吹いたとなると街中ポスターが貼られ始まりましてですね、ベニヤ板にポスターを貼ってアルバイトの人を雇って電信柱にくくりつけて一枚何円するとかですねいうようなことをやってるんですが、これがなければいいんですね。参議院の方は次の選挙は6年後ということで途中に解散がないんですから、解散風におびえる必要はないんですが衆議院は大変ですね。ご同情申し上げますが、まあですね私も政治家になろうと思ったことは一度もありませんがこのこと考えただけでですね、ありそうだとなったらですね、またどこかから金を集めてきて、ポスターを貼って歩かなきゃいけないというのであります。
というので私は政治腐敗、日本はやっぱりこの問題は戦後大きな問題ですがそれをリスクを減らす可能性がある。首相公選論、これは反対です。それでドイツ式に総選挙の時首相候補を維持して自民党が勝ったら菅さんでいきます。立民が政権を取ったら枝野さんでいきますとかね。そういうことを言って。共産党も枝野さんとします。国民民主はちょっとまだ決めてませんから、あとでですね。行くのかどうか分かりませんが、そういうことをドイツの場合ですね、小さな政党も含めて我が党は選挙後はこうやって投票しますってことで、連立のあり方と首相を総選挙で選べる。総選挙はご承知のように議員の選挙ですが、実は首相も選べる。そしてアメリカのように「大統領をみんなが選べるからいいじゃないか」って言いますが「大統領をみんなで選んでいいか」ってですね。今回の選挙なんか見ても別に誰もいいと思わない人の方が多いんじゃないかと思いますが、まあそんなことです。司法の改革。司法の改革は私の詳しくないところですが、私の個人的に思ってることはあります。それを申し上げますと、裁判費用ですがこれはほとんど議論されていません。それで東洋大学の法学部にいた時ロースクールができましたからロースクールの先生とよく一緒にですね話す機会がありましたが、「法律学者は裁判にかかるお金の事は議論しないんですか」って言ったら「そう言われれば確かに聞いたことがありません」みたいなことを言うわけです。それでかかってるんですよ。それで私も詳しくないからですが「裁判で負けた方が裁判費用を出す」て書いてありますが、あれはごく一部でしかないのですね。ですから「国の予算で裁判にどれぐらいお金が入ってるか」そして「無駄な裁判が減ったらこれだけお金が浮きます」てなことをですねもう少し議論があっていいと。それで抽象的な判決が効力を持つ例えば私はあの選挙制度が一番の専門ですが一票の格差は何倍まで、2倍未満ならいいというのが大体の判決です。そしたら一箇所でそれは出て特別変える必要が生じないうちはいくら訴えてもですね、それを却下して裁判にはならないということでこれをやるだけで相当お金が浮くと思っています。ところがどうなってるかと言いますと、今のままですと裁判の政治的な利用があります。裁判闘争と言ってですね、裁判を逃走手段に使ってる人がいて。私が頭に来るのはその一票の格差で弁護士。弁護士の方は私はあまり好きになれない方が多いんですが、自分達が裁判を起こして、で自分たちで裁判やるんだから、金はかかりません。それで判決の降る日にはですね、裁判所の前でこうやってあの横断幕を掲げて行列をする。そうするとそこにですね、それを裁判やってるお金のある弁護士の方とあとそういうことを闘争に利用している政治的な色のはっきりした弁護士。この人達がグループを作って行進をする。そこが映るわけですね。そうしますと例えばそういうようなことが簡単にできる人とそういう組織に関係のない私がどう違うかと言いますと、私が自由に発言できるってしたってそれは報道されない。それに対してその政治的な一票の格差裁判もやっている人達はですね、ものすごい有名人になります。あとどこのひかた?ですからって別に対してですね、誰々さん、はーって。状態であります。私はですからこれは過剰の影響力が片方にあって、そうでない方がないということですね。それで資料をいろいろ作りましたが参考資料は討論のところで必要になったらやろうと思ったもので、早急されます?危機管理能力で最後です。2011年以後出てきましたが、これはこれも来てからでは遅いんでして泥縄は良くないので早く決めた方が良いと思っています。それで非常事態での首相の権限強化。これはどこの国も大体そうですね。権限は細かい規定のない国はどうしてるかっていうと、大統領にやるというの大体そうであります。それでもう一つのやり方これはそうやると独裁になるって事を言う人がいますが、ドイツはどうしてるかって言うとですね、機能的な議会、国会そのもの全部が動かすのは大変だという時どうするかって言うと、ドイツは縮図的委員会って私言葉を作りましたがこれは説明するとき縮小コピーって言ってますが、国会議員の中から20人ぐらいの方をあらかじめ指定してて大変な時はその人達だけで集まってもらって半年だとか1年間だけ有効な法律に代わるものを決めて対処する。これがドイツ方式です。これは独裁じゃないからいいんじゃないかなと思うんですがこういうことをですね提案してもですね、知らなかったとかっていうようなことであります。こういう問題についてはいわゆる護憲の方で小林直樹さんという東京大学の活動の憲法学者の方が一番詳しくて大変良い本を書いてるんですが、この本の結論は非常に途中までずっといいんですよ。ものすごくいい本です。いい本ですが結論アメリカや西ヨーロッパの国がこういうことやるのはいい。民主主義が成熟しているから。これに対して日本はこれをやるのは非常に危険である独裁に変わるからですね。これを読んで68年かなんかの頃の本だったと思いますが、これを読んで今のアメリカを見ててですね、アメリカの国民と日本の国民を比べて民主主義の民度みたいのがどっちがいいかって言ったら私は日本の方がいいと思ってます。ドイツと比べてもいいぐらいでしたね。これはその小林直樹さんという東大の先生がですね、そう書いてるだけであなたの頭の中では日本国民はだめでしょうが、現状の日本国民はあなたが思っているよりずっといいですよと言うようなことを東大出身でない私は言いたいわけですね。国会の議場で東大の憲法の先生の本をかざして「これを安倍首相読みましたか」なんてことを質問する方がいますが、まあとんでもない話だと思います。以上、言いたいことを言いましたが、私の話はここまでにして質問をお受けしたいと思います。
■質疑応答
(山尾)
先生ありがとうございました。上品なのに直球みたいな学びたいと思います、本当に。個人的にはたくさんもう今語録をいっぱい取ってたんですけれども、「9条を守るために統治機構の改革を阻止されるのは迷惑だ」という言葉も非常に頭に残りました。皆さんの中にもたくさんいろんな気づきがあったかと思います。それでは残りの時間あと1時間ございますので、議員あるいは一般の方関係なくただちょっと早めに出なきゃいけないので、先に質問したいご意見言いたいという方からお伺いしたいと思うんですけれども議員の方ももちろんです。どなたか皮切りをしていただけないでしょうか、はい、どうぞお願いします。
(質問者)
先ほど加藤先生がおっしゃった、いろんな知恵を持った方がおられますので、その前文いわゆる99条までの一つ一つの条文についてでもいいですし、それから全部についてもいいですけども国民からいわゆる市民から私擬憲法みたいな形で非常にそういう意見を取り入れてそれを草案に反映していくというような機会があればそういう形が取れればと思います。以上です。
(山尾)
さかもとさんご提案ありがとうございました。先生の方からコメントあればお願いします。
(加藤)
どうもありがとうございます。3つありましたが3番目はご希望を党のほうに寄せられたものと思います。一番目と二番目ですね。前文の問題ですけれど、私は憲法学者の方にですねよく質問したのは「前文と1条以下のですね条文とで裁判上どっちが重いんですか」ということを聞きました。どの方ももう間違いなくですね、実際の1条以下の条文の方が重くて前文についてはあの法規範性だとかなんかですね、憲法学者の言う特定の表現があるんですが、その点で1条以下の条文とはよりは落ちるっていうか、重要性は低いのであなたの色でもいいんじゃないですかってことで前文を絶対変えないといけない。そういう条文もあるかもしれませんけど、基本的には私は前文をいじることについては最後の段階でやるならやるでもいいと思います。2番目の憲法改正をする場合の外国の扱いですが私は基本的にはまあ日本で議論して日本で決めるんでいいんだと思うんですね。それで説明は外国に対して丁寧にするならするってのはいいと思いますが、いわゆるお伺いを立てるときにですね「ここを変えたいと思いますがいかがでしょうか」とかそういうような方式は聞いたこともないですよね。どこどこ外国で。ですからまあ丁寧な説明した方がしないよりはいいと思いますが、いわゆるお伺いを立てるってのはやらないほうがいい。あとは周辺諸国が反発をするとかですねいう言い方も9条の場合必ず出てくるんですが「周辺諸国ってのは具体的にどこですか」てね。いろいろありますがまず中国はそうでしょう。北朝鮮もそうかもしれないし韓国は相関します。他はどこですかってなことをですね、聞きたい気持ちに私なんかはなる方で、いわゆるお考えはするには反対というか。そういうことを議論する体質がまあ戦後の日本の特殊な状況で。国を創る、憲法を創る、って言うんですが、どこがそうなのかと言うと、憲法を議論することはそういう面でですね、日本の戦後日本が忘れてきた国としての気概とかそういうものをですね、もう1回回復するきっかけになると思うので、国を創る、憲法を創るっていう両方セットで言ったのは非常に良いなと自分では思ってますが、ご理解いただければ幸いです。
(山尾)
ありがとうございます。提案の方ですけれどもせっかくこうやって一回二回とみんなでお話を聞いて多分回を重ねていくと、一般の方からも話を聞いていてやっぱりこの条文はこういう風に変えたらいいんじゃないかとかこういう条文を作ってったらいいんじゃないかとか具体的な提案も出てくると思いますので。何かしらの憲法調査会でそういう意見を吸収できるようなことも工夫して考えていきたいというふうに思ってます。ご提案ありがとうございました。それでは引き続き手を上げていただければと思います。順番に伺いますね。はい、わかりました。はい、こちらからも議員からも伺います。
(質問者)
でも今参加したんですけどもこの前の集会にも参加してその統治機構の部分が破壊され続けて今は何とか守ってるのは人権規定の部分でなんとか今は生きてるのはあるのと思うのでやはり人権っていうところでやはり日本、主権者たちがまとまることが必要なのと。一番最後提案ですね。集団的自衛権と集団安全保障の違いももっと明確にしていかないと議論がうやむやになるかなと思って提案させていただきました。すいません、まとまりのないコメントですけども。
(山尾)
ありがとうございます。あの安全保障とか9条を議論していく上で大事なポイントだと思います。先生の方から今の話でコメントございますか?
(加藤)
集団的自衛権と集団安全保障の関係ですが、これは安保法制の時の議論でかなり理解されたと私は思ってたんですが、今なおやはりこうやって出るんですからまだ必要かなと思います。まあ私は大学の教師として大学を終わった人が国家や地方の公務員の試験を受ける人の指導をやるんですがこれは大卒程度の公務員試験ではもうはっきりと割れててですね。それに正解しないと合格しないようになってきています。ですからそれ向けの本にはきっちり書いてあります。私の書いたものもですねそれ向けとしてはかなり良くできた本だと思うんですが、まあ私がそう言ってるだけですが。それで混乱はいろいろあるんですが自由権を個別と集団をですね、いちいち細かく分けてこんなに議論してるのは日本の文献だけじゃないでしょうかね。他でしたら守るのは自分であれ正当防衛で言ったら自分を守る、家族を守る。こんなのに分け隔てがないのでですね、それを個別か集団かということを分ける必要はない。それでまあそんなんで私はま例えば集団自衛の方、共同防衛だとか、訳語を変えるってのもひとつだと思いますが、まあ言ってもたぶん変わらないなと思います。私の色々な本にもうたくさん書きましたので見ていただければいいと思いますが、図表までつけて大体書いているので今大学レベルの本では大体この点での混乱はないと思います。それで10年ぐらい前まででしたらどういうことになってるとか一例を出しますが、『国際政治経済辞典』というのがありまして。そのころ?は主要な大学の先生達が編纂をしていたんですがこれでその頃までもなおですね、混乱した記述をしてまして。例えばこれで国際法の方は絶対間違えをしない。国際法の方は間違いないので国際法の方は「NATO北大西洋条約機構みたいなものは集団全保証ではない」と書いてあるんです。その辞典では。それがNATOのことを書きました、大学名を挙げて恐縮ですが中央大学なんですね。国際政治学者の方が前書いた項目ですが「NATOは集団安全保障機構である」て言うと同じ辞書の中で矛盾する記述が別の人が書いたんですがあったぐらいでこれではなかなかわからないのは当然だろうなという思いをしてます。ここは政治学の講義の場ではないので確認してください。
(山尾)
ありがとうございました。あと合わせてありせさんでしたっけ?デモにも参加されたりもしてたっていうことで。私もやっぱり第2次安倍政権というのは日本の統治機構で特にやっぱり内閣が突出して強かったり国会が弱くなっていたり裁判所もすごく頼りない部分があったりっていうことをすごく世の中に浮き彫りにした政権だなっていうことは思っているのでそういった何というのかな、統治構造が歪んでバランスが悪くなっているっていう事を安倍政権や自民党政権にちゃんとバランス良くやってくださいと。憲法で予定しているルールを守ってくださいということも大事なんだけれども、一方でやっぱりきちんと守らせるように、もう1回統治構造を憲法の議論の中で組み直すということも大事かなという風に思ってやっています。それではたくさん手が上がってましたので、足立議員そしてこちらに参りますね。
(足立)
参議院の足立信也です。選挙制度についてお伺いしたいと思います。加藤先生にも選挙制度協議会、参議院に一度来ていただいてご説明を受けましたけれども、まず先生が書かれた4番の「7条解散はやめるべきである」というのは大賛成です。それから両院制の改革。特に両院をまたがる党議拘束を外す。これも大賛成です。後は選挙制度です。これは二院制を前提に帰る?と思うんですが、結局ですね最高裁の判決、一票の格差というのはその投票行動が及ぼす影響力の平等なんですね。それで私はどっちが現役政府?に提案したんですがなかなか賛同を得られない。ということの中でこれはもう都道府県代表にしてしまうか参議院のですね、あるいは比例代表のみにしてしまうか、あるいは中間的な西岡副議長が提案されたブロック制にしてしまうか、何もこれは法改正でできますね。しかし今自民党が言ってるように今の形を維持したまま一票の投票の影響力の平等を保とうとしたら憲法改正しかないという話になってるわけですね。ここの法改正でやるべきこととここ今の現状維持した場合の憲法改正まで必要だということに対して先生のご意見を伺いたいと思います。
(山尾)
お願いします。
(加藤)
参議院の選挙制度については私は宿題としてずっと残ってると思います。これで変えないことはもう参議院議員の方のですね、衆議院が変えた後、参議院はずっと変えないまま来てて。それで新しい議長が誕生するとこれはそろそろやるとかですね、みんな言ってるんですが全然手付かず。これ許しがたいことで「参議院は理性の府」でしたか。自分たちで勝手にそう呼んでますが、そういうこと言うならですね、現状のこれは絶対変えないとだめ。それでおかしい、これは根本的なとこから議論していただきたいんですが、まず一つは日本の国会、衆議院・参議院両方合わせて国会と呼んでるんですが、そこで何をするのかって言うですね議論を必ずやってもらいたい。ですから「決定を下せなくたってそれが民意だからいいじゃないか」とかですね、「いた、決定できないのは困る」とか言ってますがこれはそういう議論をすっ飛ばしてずっとやってきたからですね。それで図表も入った、Eを見ていただきたいんですがEはアメリカのポルスビーって人が分けた分け方で。これはドイツなんかでは前からあったんですが議会には二つある。片方はアメリカのようなところで議員が実際の立法作業になる議会であるというもの。もう一つはイギリスのように議員は討論すればいいだけで法案を作ったり修正したりは別のとこでやればいいと言うんですが、日本はどっちを目指すのかっていうことをまずやってそれがないと参議院の選挙制度はどっちがいいですとかですね、そういうことは言えないわけです。どっちか決めてもらわないと「こうしたいがこうしたらどうですか」とかですね、いうことが言えるので、この点の議論を是非していただきたいということで。これはちょっとそんな難しくないと思うんですが、私は新聞社の論説委員の方の後に取材された時は10分ぐらいはかかりますが説明します。そうすると「分かりました」って言うんですが記事にはならないですね。記事にするにはちょっと難しい。そしていつまでもやらない。で、国会でも参議院で述べました。後は旧民主党の時参議院の時でも述べました。ですがなんか議員さんの方から「こういう議論があるとか聞いたことない」とかですね。その点をやっていただきたいですが参議院の現行選挙制度が究極的にだめな理由は、今は変わりましたが改選数2、てのがこの間定数是正でもやたら多かったですよね。改選数2のままものすごい増えるとどういう事態になるかはちょっと想像してみていただくと分かりますが、日本中ほとんど2になったとします。それで自民党一人、旧民主党一人、これが当選するとですね、参議院はいつもフィフティフィフティ、50,50です。それでどっかの県だけがちょっと変わったと言うとそれだけで参議院の動向が決まりですね。これは二人選ぶ時、一人しか書かせないって選挙制度は外国にはないんです。日本だけです。だからこんな制度放っておいて減ったからいいって言うんですが、減っただけでまたあって。例えば広島ですが広島はどうして今問題になったかと言うと、あそこから二人いるのにですね、自民党から二人いけるんじゃないかってんで二人立っててちょっと問題になったんですけど、そういう選挙区を残しながら一のところで激しく争ってるわけですね。だから全然別な選挙制度を取りながら、名称上は参議院選挙区選挙という名称で同じようなことにしてるわけですね。これはもう恥ずかしくて外国の学者には説明できません。恥ずかしくない方もいるかもしれませんが、私は少なくとも恥ずかしいですね。それぐらい変わった制度でこの辺から議論しなきゃいけないし、後はこの問題を解消するための憲法の議論もあるでしょうが、憲法以前の問題でやれることはたくさんあるのでぜひ足立議員の奮闘で選挙制度の議論が始まることを期待したいと思います。私の『日本の選挙』っていう本でですね、手短に述べましたので是非活用いただきたいと思います。
(山尾)
はい、ありがとうございます。それではこちら行きましょうか。もう一度手を上げていただけますか。こちらにも来ましたね。はい、じゃあ順番にメガネの方で、お隣の女性、そして前と行きたいと思います。
(質問者)
埼玉の川越から来ましたさとうと言います。よろしくお願いします。今この会見の議論がもうぐちゃぐちゃになっちゃってもう私も一般の人なんですけど、先生のご説明ですとかここでこういう場でいろんな人の話を聞いて色々勉強してるんですけどもこんがらがった糸みたいにもうぐちゃぐちゃになっちゃって全くわからなくなってるんですね。この議論はもっと早くやるべきだったんじゃないかと保安隊だとか警察予備隊だとか自衛隊発足時に本来であれば裁判所が最高裁判所が「これ軍隊だから行けんだよ」と国民投票で決めちゃった方がいいよってそういう議論するべきだったと思うんですけど、今日に至るまでこんなにこの話が長引いてしまった根本的な原因というのは一体どこにあるのか。なかなか長い話を聞いててもちょっと私なんか集中力が途切れてしまうんで分かりにくいんで、できれば3行ぐらいで、今なんて言うんですか、日本学術会議の菅総理の問題があるけど私なんかあれよく母親から「あれ何を揉めてるんだ」ってよく聞かれるんですけど、「あれはね、菅総理が日本の軍国化に協力しない学者たちに腹を立てて嫌がらせしてるんだよ」ってこのように説明してるんですけど、先生だったらばこの今の改憲問題どうしてこんなぐちゃぐちゃになっちゃってるのか3行ぐらいで説明するとしたらどういう風に説明していただけますか?
(山尾)
すいません。難しいリクエストで。
(加藤)
ありがとうございました。3つで答えるというのは一番目、まず吉田茂首相が簡単な方法をとったってことですね、一つ。2番目はそれに便乗して不都合があるのに変えないできた政党勢力が多い。この二つでいいんじゃないですか。これで3行に収まると思います。ちょっと附随して6ページ目のところの話をさせていただきますが、6ページ目に参考資料「憲法をめぐる世論の推移」ってところがございます。そこですが先ほどちょっと触れましたが、1950年代改正派が多数で変えろってことが多かったんですが、55年ぐらいからだんだん変化がしてきまして、60年代から90年前では改正論がタブー。タブーってのはさっき言ったようにこれ食っちゃいけないとなったら理由は分からないけど食べちゃいけないんですね。今日本ではインドカレー屋さんがたくさんありますが私なんかも皮肉にね「ビーフカレーないですか」とかね言いたくなりますが、ビーフカレーはインドではないんだと思いますけど、要するにタブーってことは触れるなってことですから、その時期があまりにも長く続いた。それで第3期ですね、改正論が多数派になってきましたが、また2007年頃から慎重になってきたっていうことですね。それで大事なのはこの2番です。2、「これまで憲法改正はしていないが変化はある」てのはこれ、条文を変えないで解釈を変えたり色々してきてるというとこですね。それで大事なのここです。「世論を追認している」大事な変更があったんですが、大体世論は後で認める。それで世論は概ね後追い的に承認してきている。現状維持がキーワードって世論調査を見ますと、大体現状でいいって話になります。それで自衛隊、最初は反対もあったけれど今自衛隊に反対する人はほとんどいない。日米安保、作ったという議論があったけどいろいろある。安保法制、私はやり方に問題があるとあったという指摘はあるかもしれませんが、やって結果的には良かったと言いますが、あれを廃止しろっていう声が世論調査で多いかっていうと、多くはないですね。ですからこれは何を言ってるかっていうと、政治家は「世論がこうだからこうだ」ってなことばっかし言ってないで、世論をリードする姿勢を政治家は持たなきゃいけないということです。それで私は一歩前に行くのは大変だけど半歩ぐらいを前に出してもらいたいっていうことですね。政治家は国民世論を半歩前に出てリードする姿勢を持ってもらいたいということであります。それで日本はそのために考えておかなきゃいけないことはしばらく年数が経つとすぐ変わってしまいます。それで「台風型政治文化」って言葉を出しましたが、これは私の慶応大学の先生の先生さらに先生で大正世代に中村菊男と言うですね、政治学者がいたんですが「日本は台風型政治文化だ」と言うんですが、台風で大騒ぎするけどしばらく経つと忘れてしまうんですね。それで去年の今頃の台風も随分大騒ぎしたんですが、あれ、まだ1年なのかなってことを私も気づいて反省しましたが過ぎるとすぐ忘れてしまっていうことで、自衛隊の議論、湾岸戦争で議論になりました。二院制の議論もさっき言ったように言いましたが、2012年、国会混乱で改正論は54%と大幅に上昇した。13年、ねじれを放置してはいけない。それですが14年になると、もうテーマとしても下がってしまってですね、しばらく経つとだめになっちゃうんですね。緊急事態についてもあれほど大騒ぎしたのになぜ今議論しないかってのはおかしいので、さっきから「世論は熟していない」と言い方をしちゃいけないし、してばっかしいられたんじゃ困ります。そしたら国会議員はいらないし、後は中小の政党で我々は世論政党だっていうことを色んな機会で言う政党がありますが、そういう政党ばっかしなら政治家はいらないんです。世論調査で政治をやればいいというので、政治家の方には是非半歩は前に出てもらいたいというので、国民民主の今回の動きが是非期待をしたいなと思ってます。
(山尾)
ありがとうございます。さとうさんからいただいたね、憲法議論が長引いた根本原因っていうところで、「憲法を議論しましょう」って言ったらちょっと過激なハッシュタグで「裏切り者には死を」というように、でそこを受け止めた時のちょっと玉木さんの感想っていうのを聞いてみたいんですけどいいですか?
(玉木)
何かを議論して、そういうものに対して死をっていうのは、根本的な言論そのものを封じてしまうので。やっぱりいろんな意見があっていいと思うんですよね。で議論をするということが大事で、議論の前提は意見が違うってことが前提で。それを寛容に受け止めながら新しい答えを導き出していくプロセス、これをですね日本の議会やあるいは議会だけではない日本全体の言論空間に取り戻さないと、我々は常に何かある瞬間を切り取った時の意見の違いで敵か味方に分けてですね、「お前けしからん。私はけしかる」みたいな話から早く抜けないとこれは憲法議論だけではなくて日本の民主主義が成熟したものにならないし、私は非常に危機的な状況に陥ってんじゃないかなという認識が必要だと思っています。ですから今日あったようなですね、なんか根本の今おっしゃったような根本的なですね、そういう理解と柔軟な受け止めということを我々がみんな持つべきだなと。だからなんか議論したら死をっていうことをすると議論ができなくなってしまうので、違うなら違うということを出ていって明確に言うと。そういうことを是非ねこの場で育んでいきたいなと思いますね。
(質問者)
そうじゃなくてまあ日本国民だけじゃないと思いますけど、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」になっちゃってそれを追認と取られたらたまったもんじゃないんで。それを悪用されてるような気がするんですね。どうせ国民はすぐ忘れちゃうだろうと。何年も経てばね、5年前に安保法制、悪い、悪いあんなの戦争法案だと言ってたけどもう5年経ったら誰も文句言ってないじゃないかと、これは国民に認められたんだとそういう解釈されたら大変なことになっちゃうんで。いくらでも閣議決定で新しい法律どんどん作れちゃうことになってしまいますので。そこを悪用する政治家がいたら国民民主党さんにはぜひそれは「こらー」と大きな声で怒ってもらって「国民は怒ってるんだから私たちが代わりに怒ってあげるよ」とそういう立場をとっていただきたいですね。
(山尾)
わかります。特にね、黙ってるから決して追認してるわけではないし、声あげてる人もいるんだよっていうことをきちんと受け止めてね、やっていきたいと思ってます。ありがとうございます。ではお隣の方いいですか。はい、お願いします。今マイク行きます。
(質問者)
タイミングを逸したような形で同じような質問かもしれません。加藤先生のお話でテーマの国を創るということを考えて、憲法のお話を聞けるのはすごく先週に引き続きありがたいなと思っているんですけども、ちょっとお話しかぶってしまうので、もう質問を諦めようと思ってたんですが、こういった機会を私も国民的議論しようという市民のイベントを企画しているので、玉木さんや山尾さんにもご協力いただいて一般の人と議論する場を作ってきたこともあるんですけれども。今日もこのことをちょっと行ってきますというような報告した時にやはり今大事なのは経済。明日も来年もお正月を迎えられるかどうか分からない人がいっぱいいるのに「憲法は優先事項じゃないんじゃないですか」っていうコメントをいただいて。私はもちろんそれも重々わかります。国会であれ国の成り立ちであれ憲法に根ざしたものから作られている。それが大事だっていうのは護憲であれ改憲であれ反対勢力みたいな話であれ、みんな憲法が大事だとどっかで思ってるからそういう意見をぶつけあったりしてる場が露呈するんですけども、実際選挙があるのにそんなこと言ってられないでしょうとかそういうこと言われることが多くて。実際ここにいらしてる国会議員の先生方はどんな気持ちで憲法調査会、憲法を議論を国民に広めようと思っているのかなという緩い質問をしようと思ったんですが、各論に入ってしまってちょっと恐縮しています。
(山尾)
こちらからちょっと今の話で矢田さんどうですか?私達議員がやっぱりこうやって、確かにね、今優先順位憲法じゃないんじゃないの?って結構言われることも、私なんか憲法おたくとか言われることもあるぐらいなので。ただ私なんかは「全ての政策テーマと憲法って全部繋がっていて憲法がハブみたいなものだから憲法をやってます」っていう話をしながら理解をもらってるんですけど、まあこうやって議員もいろんな勉強会や仕事がある中で、憲法調査会もこうやって参加もして一緒に行ってくださってるわけですけど、ちょっと国会議員はどんな気持ちでこの憲法問題に取り組んでるのか、すいません、ピンポイントで聞いてしまって。
(矢田)
すいません私は参議院、矢田わか子と申します。よろしくお願いいたします。私はですね。おっしゃる通りで、今コロナでですね、苦しんでる人こんなにいて、私は女性政策とかを専門でやってるので女性の自殺者も沢山出られていて早くここを何とかしたいと思いは常にあります。でもこの根本にあるところの憲法もとっても大事なものだと思っていて。私、実は参議院の憲法調査委員なんですけどこの2年間ですね、全然論議してないんですね、参議院憲法調査員会。調べてきたら、11分しかやってないんですね。11分って請願の確認して終わりなんですよ。全くしてないんです、でも本当にこれだけ論議しなくていいのかなっていう気持ちを持っていて。せっかく加藤先生とかね、細貝先生?来ていただいてるので、この2時間ですね、集中してしっかり自分もベースとなるところを理解しつつ今後どうしていくかってこと考えたくて参加させていただいています。そして皆さんの意見をですね、こうして聞けるのは大変貴重な機会だと思っていますのでよろしくお願いします。
(山尾)
ありがとうございました。
(山尾)
今中継で見てくださってる方が153名いらっしゃるんですけれども、色々コメントをいただいていて今の話しで言うと、「どっちも大事なんだよってことを理解してほしい。AをやってるとBができないってわけじゃないんだしね」っていう。仕事人としてある意味当たり前の指摘なのかなっていう風にも思って今コメントを見させていただいておりました。それでは前の、はい。先ほどから手を挙げて。私もあるよって方、一度全体で手を挙げてくださっていいですか。はい、わかりました。じゃあまずは前の方、はい。
(質問者)
1つちょっと気になったのが両院制の改革のところなんですけれども「阻止する強い参議院を遅らせる参議院にする」という風に先生はおっしゃっておりましたけれども、遅らせるという意味で言えば、予算案なんかに関して言えば今も現実遅らせるという機能にしか今なってないと思うんですが、ただ結局それを見ていても今あまり機能していないというか。確かに遅らせてはいますが、そのまま通るというか結局衆議院に戻って、そのまま再可決されるとそれで終わるという形になっていると。で、その間に世論調査などの結果でという風に書いてありますが必ずしも私は世論調査でいうのは実施する主体によっていろんな何て言うんでしょう、偏りが出てくるものだという風に思ったりもするので。例えばまあそういうでもそれを大きく実施してしまったらまるで国民投票になってしまいますので。具体的にはどんな形にすればそ参議院が遅らせる参議院が正常に機能していくのかなっていうのがちょっと疑問というかどうしたらいいんだろうなって思いまして、その点をご質問したいと思います。
(山尾)
先生からよろしいでしょうか?
(加藤)
ちょっと急いだので二院制のところは言葉足らずだったんですが、資料の4ページ目をちょっと開けて見ていただきたいんですが、4ページ目は私達の主張を国会議員の方に説するとき作った文章でありますが、上の方の6番からは両院制です。6番、「現行の二院制では総選挙で与野党逆転となってもすんなり政権交代となるか疑問である。ならない衆参のねじれが生じると深刻な統治能力の低下が懸念される。衆議院の優越と言われるものの法律案では衆参両院の議決権はほぼ対等」参議院は強いんです。ですから「参議院で過半数を占めていない政権はデッドロックに乗り上げてしまいかねない」でデッドロックに乗り上げたのが福田内閣や麻生内閣。あとは民主党政権で言いますと、野田内閣などもそうでしょうが。7番「現状では総選挙での円滑な政権交代は不可能」何が民意かわからなく。8番、「衆議院の優越という誤ったイメージを捨て」優越してません。まだ半分しか優越してないというのが私の説で「衆議院の反優越」と呼んでるんですが、それを捨て二院制がいいのかどうかを議論しなければいけない。参議院の権限が強力な以上、非政党的な参議院は不可能。「参議院は全部政党なくせ」だとかそういうことを言う人がいますが、それは不可能です。参議院が強くなければいいんですが、「参議院の権限を弱めた上でなら参議院選挙制度の改革など自由に検討できるがそれなしには独自性を求めるような議論は無責任である」「具体的には法律案の衆議院での採決を2/3ではなく過半数とする」と言うんですが、採決をするまでに今期限の規定がないんですが、これを3ヶ月とかですね、6か月はやらないかもしれませんが何十日とか決めて、その間に世論調査があると衆議院は単純には決めないだろうというそういうですね。あとは一院制への移行はもうほとんど不可能だと思います。参議院議員も賛成しないと憲法案自体が成立しないですから大体こういうことは言ってもしょうがないというか。私は言ってもしょうがないことは提案しないことに今はしてます。でお分かりいただけますかね?遅らせるといいというのが私の考え方と。遅らせてる間に参議院の言ったことが世論に反映してそれを衆議院を動かすことがあるのでそれでこそ参議院の独自性が活きるんじゃないですかというのが私の主張なんですが。ちょっと表現舌足らずだったかもしれません。
(質問者)
てことはその遅らせてる時間の間に先ほど先生がおっしゃっていた半歩政治家の先生が前に出て世論をリードするような形をとってもらいたいということでよろしいですかね?
(山尾)
ありがとうございます。今の問題意識、私もすごくわかっていて。一部わかって。共謀罪の時とか外国人の技能実習生の時とかま私たちなりに真剣に議論をして世論の賛成・反対が変わっていくと議論が打ち切られて採決になるっていうような状況があったので。やはり今おっしゃったようにそうやって国会議員が世論の半歩先をリードして良識ある判断をしていけるかっていうことと、またそれをどこまで与党の議員の皆さんにも期待できるのかっていうところも含めて多分問題意識がおありなのかなっていう風には私は受け止めて、聞いておりました。ありがとうございます。それではこちらの前の、はい。お願いします。
(質問者)
加藤先生の憲法をめぐるより良い政治の形をめぐるお話と提言とても面白くためになりました。それで思うんですけれどもより理想的な憲法を目指すとかそういう時にまず違憲とか合憲とかそういうことを客観的に判断する期間の制定が重要なのではないかというふうに思うんですけれども、そのことについてのお考えを聞きたいっていうのと。違憲である時はもうそれは違うんだっていうような判断が憲法を変える時には必要になるんじゃないかと思うんですけれども、それでその憲法の議論が熟成されていったとしてそれが理想的にその手順を踏むための手順というのはどういう風にしたらいいのかっていうのはちょっと分からない所だと思うんですけれども。
(山尾)
ありがとうございます。いい憲法にしても合憲、違憲をきちんと判断する期間が必要なのでは?そういう議論も必要というお話です。後二人ぐらいちょっと質問いただいて、こちらの方でお答えしていきたいと思います。手をもう一度あげていただけますか。はい、そちらの女性とはい、そちらの男性の方お二人、はい。続けて聞かせていただきたいと思います。
(質問者)
朝霞で市議をしているとやまと言います。先生のこの創憲会議の新憲法草案っていうのを面白そうと思って見させていただいたんですけれども、この中で39条のところで「婚姻は両性の合意に基づいて成立し」ていうのはあの現行憲法と同じだと思うんですけれども、今LGBT の権利とかあって、話題になっててもう憲法上も両性にこだわらずに両人っていう形で性にこだわらずに認めたらいいんじゃないかなって思うんですけれどもそこはどう思われますか?っていうのが1点と、あともう1点、私は直接民主制に興味がありまして私も彼女と国民的議論っていうイベントをやったりあと知り合いと自分で憲法を作ったらどういう憲法ができるかなっていうのと直接民主制についていろんな国民が自分で発議して、こういうことを決めたいって言ったら、署名をある一定程度集めたら国民投票にかけることができるっていう国が今スイスとかを中心に何か国もあるんですけれども、私は憲法改正するんだったらば直接民主主義条項を入れたいなと思ってまして。スイスとか台湾とかすごく国民投票で結構いろんなことを決めていたりして。日本の規模だったら100万人ぐらい署名を集めたら例えば原発をどうするかとかあとスイスとかでは食糧安全保障についてとか、台湾ではちょっとLGBTQの権利についても結構国民投票にかけられたりしてそれはちょっと人権をそういうもので国民投票でやるのはどうなのかっていう議論になって、またそれが国民投票法改正されたりとか色々してるんですけど、今日本は憲法改正の国民投票しかできない感じなんですけど私がスイスとか台湾とか取材に行ったら、台湾の人とかにもに「日本は民主主義進んでる国だと思ったんですけど、国民投票1回もしたことないんですよ」て言ったら「一回もしたことないんですか」ていう驚かれて。だからそういう国民投票とかについてとか直接条項についてとか先生はどう思われていらっしゃいますかっていうのをお聞きしたいです。
(山尾)
はい、ありがとうございます。それではそちらの方、はい、お願いします。
(質問者)
そういうものもある程度知っていてと。でその中で国によって色んな憲法も様々なんですけど、とはいえほぼ世界共通の様式美みたいなものがあってそれはいろいろあるんですけど例えば統治機構に関する規定よりも前に人権規定があるとか、もう一つはその統治機構の中に限って言うと三権のことが書いてあって。でこの三権は一番最初に議会が書いてあって次に行政が書いてあって次に司法が書いてあるってのは僕の知る限りフランスの現在の第5共和国憲法が唯一の例外で議会より先に行政が書いてあるんですけど、それ以外ほとんどの国の憲法が議会、行政、司法の順番で書いてあると。でその時に例えば現在の自民党のいろいろ安倍改憲案にしても、今日配られたこの創憲会議の新憲法草案にしてもその観点からとても非常識な条文の作りになっていて。どういうことかって言うと国会人権規定よりも前にも自衛隊と言うか、軍隊の根拠条文書いちゃってるわけですよ。非常識でもありえないんです。北朝鮮とか中国ですら例えば中国は中央軍事委員会っていうのがあるけど形式上は国会立法府である全国人民代表大会がまず書いてあって、中央軍事員会は後に書いてありますよ。先軍政治って言われる北朝鮮ですらやっぱり軍隊の根拠条文は後で。この創憲会議の憲法草案も僕の知る限り日本国内で改憲案っていうものが出てくる時に、ほぼほぼ例外なく今現行の憲法でいうところの9条と10条の間に自衛隊の根拠条文無理やり入れようとするから結局その憲法が実現しちゃうと天皇、軍隊、自衛隊で人権規定。国会、内閣、司法っていう順番になっちゃって。こんな非常識な憲法典見たことがないんです。例えばアメリカの憲法を見るとまさに連邦議会、大統領、司法っていう順番で書いてあって軍隊に関する規定はあくまでも議会の権限として陸軍を編成・維持する権限が議会に与えられてる。海軍を設置して維持する権限が議会に与えられてるとか、大統領の今度規定の中に、「大統領は陸軍・海軍の最高司令官であって」て書いてあってという形で軍隊に関する条文と章があるんじゃなくて、あくまでも議会の権限として軍隊が設置できるよ。大統領の権限としてこいつがその軍隊指揮するんだよってことが書いてあると。でほぼほぼ世界の憲法っていうのはそうできていて。なので今後国民民主党さんが憲法案をまとめるにあたって。あるいは実際に改憲するにあたってこんなふざけた非常識なその国会よりも先に天皇、軍隊、人権規定。国会何ていう順番でそんな。先ほど加藤教授が「参議院現在の選挙制度が恥ずかしいと」おっしゃいましたけどそんな憲法が実現したら本当に恥ずかしいからそれだけは絶対にやんないでほしいということを私のお願いとして1点。
でもう一つ先ほど質問者の方から「なぜ9条に関する議論がこんなに放置されてたのか」っていうところに関して自分の私見を申し上げるとアメリカ軍が自主的に日本の占領も半世紀以上続けていては日本人が自分たちで防衛とか安全保障について考える必要がなかったからこれで特に問題がなかったから続いちゃっていたんだと。北海道から沖縄まで日本中にアメリカ軍がいて。そうすると日本に攻撃しかけようとした時にアメリカ軍を避けて攻撃するなんてほぼ不可能で。東京のど真ん中にもあのでっかいヘリポートとか横田基地があってみたいな中で、自主的に変える必要がなくアメリカ軍がいるからそれで安全保障を保たれるからっていうことがある中で。日本国内どの改憲案を見ても、日本国内に外国軍が駐留するにあたっての規定っていうものを改憲案に入れてる改憲案を僕自身は自分の知る限り見たことがなくて。よその国の憲法を見ると、外国軍の駐留に関する規定がある憲法って結構あって。だからそういうものも入れていただきたいなということを加藤教授とか政治家の先生方にお伺いしたいです。よろしくお願いします。
(山尾)
はい、ありがとうございます。最後の方の質問はちょっと政治家に向けたメッセージっていうのもあったりとか国民民主党が新憲法を考えるにあたってのリクエストという風にも受け止めたんですけれども、おっしゃってる感覚は分からないでもなくて。やっぱりそれは憲法ってその国や国民が何をどういう順番で大事に考えてるかみたいな。そういう順番もその国の価値観をある意味示すものだという点はあると思うので、一つのお考えだと思うんですけれど、例えばですね、ただ私なんかのもしかしたら今の方より外国の憲法全部目を通してるわけじゃないのかもしれないんですけど、やっぱりいろんな憲法を見たりいろんな方と話してると憲法の順番とか規定の仕方って絶対非常識とか絶対ありえないっていうのはあまりないのかなっていう風には思ってるんですね。これあえて言いますけど例えばね、自衛権とかを主語をコントロールする側の国会の章に置くべきだとか。これ私すごく一つの大事な考え方だと思うんですね。ただもう一つ聞いてて思ったのは自衛権って本当に暴走すると最も危険な実力組織でもあるので、そういった自衛権を国民の意思でどうやって統制するのかっていうことはすごく大事なので先に置きましたっていう考えも成り立たないではないかなとか。それが様式美でどうだとかメリット・デメリットはどうだってそれまたいろんな議論があると思うんですけれどもちょっとそんなことを感想として思ったっていうそんなことを付け加えつついくつか質問を前の方も含めていただいたので先生の方に、憲法を変える、合わせて合憲・違憲をきちんと判断できる期間の議論の問題が1点いただきました。そしてまたの両性の合意を両人の合意で同性婚についてどう考えますか?って2点目いただきました。そして直接民主制の観点から憲法だけじゃなくって政策テーマについての国民投票の制度を入れるのはどうでしょうというお話をいただきました。また外国軍の駐留に関してはどうでしょうか?なんていう問題提起もいただきましたが、先生いただけるコメントあればどうぞよろしくお願いします。
(加藤)
これも考え抜いての結論というのは未だちょっと持ってないです。すいません、
(山尾)
ありがとうございました。ちょうど12時なんですけれども、どうしてもこの機会にという方いればはい手を上げていただけますか、ほかよろしいですか?はい、どうぞ。
(質問者)
当時これを議論されたときにはどういう議論があったかどうか教えていただきたいなということと。香港の問題が今ありますけどもこれに対してもなかなか日本政府は明示的なメッセージを出していませんけれども、例えば国民民主党で庇護権みたいな議論というものを憲法で議論する余地はあるのかということをお伺いしたいとこれを質問にさせていただきます。
(山尾)
2点いただきました。じゃあまず先生の方からお願いできますでしょうか。
(加藤)
まずどういうストーリーを考えて憲法を論じるかってことですが、私はあったほうがいいと思うので。戦後日本はちょっと押し付け憲法論だとか色々言われてますけれども、まあそういう感覚が残ってるならやはり変えるのがそれをですね、改める一つの契機になるんではないかなと思っています。それでこういうこと言うと憲法ってのはそういうですねものはなくて、味もない無味乾燥的なものだっていうのはここしばらくの憲法論に多いので、なんか自分たちのと違うのかなと思って聞いています。庇護権のことはこれも作ったのは随分昔になりますのでですね、今創るとしたらまた議論があると思います。私は政治学の出身で憲法の中の一部しか強い関心がなくて他のところはまあ憲法学者の方に議論聞いてて「こういうところでいいですか」なんてやったので、実際のところは確たる意見があるわけではなくて。それこそ案を作ったらやっぱりそろそろ再検討すべき時期にあるんだと思いますけれども。大体そういう機運がなかなか高まらないまま来ましたので、今日やその他のきっかけを生かして、少し呼びかけてみたいなと思っています。以上です。
(山尾)
ありがとうございました。それでは庇護権、何て言うんでしょうね、リベラルな権利保障を新たに位置づけていくようなこういう提案について国民民主党はどんな姿勢でいるのかというお話もあったと思いますが、今日の感想や取りまとめも含めて政調会長そして玉木代表とコメントをもらって今日はお開きにしたいと思います。
(船山)
はい。加藤先生そしてまた参加者の皆様ありがとうございました。「なるほど。そういう視点もあるんだな」というご意見もたくさんいただきまして大変私自信も勉強になりました。そうですね今の庇護権の関係で言うと、おそらくこれ難民認定制度とかこれから次の国会なのかその先なのか分かりませんけれども、送還忌避罪の創設の問題なんかもある中で、これは党内でもしっかりもっと議論してかなければいけないと思いますけども、私は基本的には何て言うんでしょう労働力確保のために何でも難民を受け入れるということに対してちょっと慎重なんですけども、ただやはり政治的な迫害を受けた人とかそういった人たちの保護というのはこれ世界的な条約の枠組みの中でも、日本はこうすごく非難されてますよね。そういった意味でこういった権利を議論し、憲法の中にどう書き込んでいくのかということは非常に大事だと思いましたので、いい論点提供できたらいいと思っております。そして改めてですね、「なるほどそうか。憲法にもいろんな順番、そこが何て言うんでしょう、理念、何を目指すのかってとこにも関係するんだなっていうことも含めて、あー、なるほどな」という風に思いましたし、これは憲法調査会と政策全体これから国民民主党とし何を発信していくのかも含めて今日の議論もしっかりと活かしていきたいなと思いました。どうもありがとうございました。
(山尾)
それでは玉木代表から。
(玉木)
今日も皆様のご協力ありがとうございました。いろんな我々もですね、新しい気づきとか発見をいただいて本当にありがたく思ってますし、加藤先生からはですね、これまでの経緯をまとまってお話をいただいて、改めて我々も頭の整理ができたと思います。平成18年の草案ですけれども、今もなお、そのまま生かせるものも多いなということも感じました。で具体的に今庇護権の話がありました、今日的にもう一度議論をしっかりやり直す必要があるのかなと思います。で、ここにもあるように13条の1項にある通り「権利の性質上日本国民にのみ認められるものを除いてこの憲法が保障する権利を享受する」と書かれていて。その日本国民には認めるものは何なのか。共通してこの我が国の領土と言うか、我が国の中にいる外国人にも共通して認めるものは何なのかというところをまずしっかりと議論していくことが今大事なのではないかなという風に思います。例えば参政権の問題とかこれ色々ですね地方参政権の問題なんかも出てきますけれども、そういったことについての整理をきちんとするという上では考えていくことが大事なのかなと。それと順番の話は私も非常に気になる議論でありまして。順番と密度ですね。国際的な比較は多分非常に意味があってやってみたらいいなと。この前山本竜彦先生の話にあったように、日本国憲法は非常に条文とか字の数が少ない。隙間があって隙間があるがゆえにあまり変えなくて良かった。統治機構とか特にそうだという話がありましたけども、どこまでですね非常に密度を上げて書き込んでいくのか、というところともう一つは順番も大事かなと。で、その時点このまま、今日この当時の草案を見てですね、一つ参考になるなと思ったのは前文は変えないということもありましたが、前文に加えて序章っていうのがあるんですよね。第1章の前に0章みたいなのもあって。0章に書いてあるいわゆる憲法の三原則についてアップデートしたような書き方がしてある。基本的人権の尊重とか平和主義とか国民主権。国民主権の裏腹にある天皇についての位置付けは、こういった基本的な概念を序章で書き込みながらそれを1章以下で色んな事を書き込んでいくということも一つの考え方ではないのかなと言って、この草案を見ながら考えましたし、各国の基本的に立法、国権の最高機関と我が国の憲法でも書かれてある立法府を書き、行政府を書き、司法を書いていくというのは一つの流れなのかなと。その中でその前に何を出して特出していくのかっていうところにビジョンがこもるのかなという気もしましたのでいただいたご意見も踏まえながらさらに議論を深めていきたいなと思っています。
(山尾)
オンラインでもずっとコメントが出ています。「難民を助けてあげたいって気持ちはあるけど労働力確保のための移民受け入れなんかもあってどうぞどうぞっていうのが難しい」とかですね。「でもまあ香港や台湾の政治難民は入れた方がいいよね」とかですね、様々なコメントを書きながら一緒に過ごしていただいたオンラインの皆さんもありがとうございました。来週ですけれどもまたこの同じ時間帯、同じ曜日で井上武史先生フランスではサルコジ政権、オランド政権、マクロン政権と政権・政党が変わっても改憲議論がきちっと積み上がっていくそのヒントはどこにあるんだろうかというようなことで、今日問題にもなった我が国の憲法議論の閉塞感っていうものを打ち破るきっかけをみんなで創っていきたいなという風に思っております。最後に何よりも今日は本当に楽しいそして極めて充実した憲法議論の講演をいただきまして本当に加藤秀治郎先生ありがとうございました。皆様からも拍手をお願いいたします。ありがとうございました。ではまた来週お待ちしてますのでどうぞよろしくお願いします。アンケートも是非ありがとうございます、帰ってくださって、はい、私受け取りに行きましょうか。ありがとうございます。
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