20240608_言わないことの可能性

気づいたらリビングからテレビの音がしている。娘が早起きしてテレビを見ているらしい。
約一週間前から娘は急な高熱をだし、熱も熱でしつこく娘につきまとっていた。生まれたときからめちゃくちゃ健康な娘で、その健康さに私もだいぶ救われてきたと思う。その娘が何日も熱をだしていたのでさすがに心配でかわいそうだったのだ。
その娘が今日は先に起きてテレビを見ている。
すこやかさの証ではないか。ハレルヤ。

私を起こしに寝室までやってきた姿を見ると、すでにお気に入りのワンピース(肩がでるデザインのやつ)に着替えていた。おぉそうかそうか。
彼女の姿かたちを確かめるように呼び寄せてだきしめた。

ぼちぼち起き上がり、いつもどおりの朝食。でも、娘がちゃんとご飯食べてるよー、と夫と頷きあう、
ついでに、今回の発熱は娘のソフトウェアの大幅なアップデートに伴うものかもしれないと話し合った。
よく子どもが原因のよくわからない熱をだすと「知恵熱」と言ったりすることがあるが我が子はまさにそれで、熱を出すとそのあと幾分キリッとして受け答えなどが進化する。
ここまで長い発熱だったのだから、余程のアップデートがなされているはずで、私たちはそんなに急に性能が上がった娘を扱いきれるのだろうかと恐れおののいているのだ。

洗濯や夕飯の準備をして、私は終日外出。

まずは新しい勤務先での仕事。トークイベントのホスト的な業務だ。仕事といっても今日はまず中に入って参加してみてください、とのことでありがたく一般参加者として加わる。他の仕事先では常々こうしたイベントのスタッフ側にたっていたので、一般参加者として居るつもりでも性根がどうしてもスタッフ寄りになり、受付まわりでソワソワしてしまった。腹を決めて着席。
トークゲストがとてつもなく魅力的なかたで、ぐんぐん引き込まれながらお話をうかがった。
なんであんなに目がキラキラしているんだろう……。しかもそれが希望と熱と野心に加えて、謙虚さをたたえた光なのだ。年を経て、自分がそうした熱意や野心だけでドライブできなくなってきた今、おそらく同世代のかたがあのような目の輝きを放っていることを心から尊敬するし、胸が熱くなった。

胸の熱さをいだいて、次の行き先へ。
これまた熱い議論の場に居合わせることができ、メモにつぐメモ。
さらに興が乗って懇親会にも出席しいろいろな方とお話させていただいた。

帰宅する道すがら、自分の人との接し方について、ある種の癖がどこで染みついたものなのか、またはそれを今後どのように扱ってゆくかについて、ウェイツキン「習得への情熱」を読みながら思案した。
今日の前半の仕事と後半の会合とで見えてきたのは「言わないこと」の可能性についてだ。
私はどうもしゃべりすぎる傾向があって、それが相手へのアイスブレイクにもなるが、時にそれが愚かに見えたり、相手に対して最初に全ての手の内を見せて詰みになることもある、というのを恥ずかしながら40にして感じている。

明日も朝から夜まで予定が詰まっている。
ネイルを塗ろうかとおもったが、よして寝ることにした。










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