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「山野さん!オススメの本はありますか?」

今日も質問箱の質問にお答えしてみたいと思います〜。


色んなジャンルの本を読んでいる山野さんに質問です!ここ最近読んでいてオススメの本はありますか?もしわけられれば山野さん的ジャンル別に知りたいです。


「オススメの本」についてのご質問!

僕、本読むの好きなんですが、じつはここ3ヶ月ぐらいはあんまりじっくり本を読む機会がなくって。なんか、いろいろな余裕がなかったんだと思います。

このところ落ち着いている状況で改めて思うのは、「僕は本を読んでいないと自分を見失う」ということ。

本を読むことでもしかしたら、自分の芯みたいなものの垂直度を調整しているのかもしれません。

最近、という枠を少し拡大して、いまの僕が思い返してすぐに浮かぶ記憶に残った本たちをご紹介してみます。



①すこし生きやすくなりたいとき

いきなりすごい見出し。笑

まあ、そう堅苦しく考える必要はないです。

北海道は北見市で薬屋さんを営んでいる櫻井大典さんによる「ゆるゆるとした養生」の方法を紹介した本。

中医学の見地から、不調もそれほどひどくなく、なんとなく元気に過ごすためのコツみたいなものが書かれています。

健康を維持するためにみなさんそれぞれ、色んな方法を生活に取り入れてらっしゃると思うんですが、僕はあまり非科学的なものやスピリチュアルなものは好みません。

しかし、中医学というのは壮大な統計学だと、僕自身捉えていて、けっこう僕の生活スタイルや思想の好みに一致するところがあるので、好んで取り入れるようにしています。

しかもこの本は、「こうしなければ健康でいられませんよ!」みたいな、方法を押し付けるような書き方をしていないところがとてもよいのです。

「まあ、これだけたくさん紹介しましたが、無理のない範囲で、取り入れられそうなものだけ取り入れてみてください」っていうスタンスがよいかんじです。


②自分らしさってなんだろうって思ったとき

これまたすごい見出しだな。笑

「誰かや社会にあわせて生きることのしんどさ」を抱えている方に。

僕はこれ読みながらしくしく泣いたので、心と身体が元気なときに読むことをおすすめします。

僕はこの本を読めて、よかったなあと思いました。


③野菜をもっと美味しく食べたいときに

料理の本です!

表参道の名店「ラ・ブランシュ」のシェフ、田代和久さんのレシピ本。

野菜に対する調理法の、たくさんの発見をこの本から得ることができました。

野菜を茹でるにしても「ボコボコと煮立ったお湯に入れない。熱湯に浸す、ぐらいの感覚で」というやり方に目から鱗。でもたしかに考えてみれば、沸騰したお湯で茹でなくても、火は通るものなあ。

プロの料理人による半分プロ向けの料理本は、一種の画集やアート写真集を見ている気分にもなれるので好きです。

たしかに難しい調理法も出てきますが、なかには素人の家庭料理レベルでも取り入れられそうな簡単で効果的なテクニックも書かれているのでオススメ。


④考える力を鍛えたいときに

これはずっとオススメしている本です。

社会派ブロガーのちきりんの書籍。

ちきりんさん自身が社会人になりたてのころ、上司から「考えが浅い!」「もっとよく考えろ!」と叱られた経験から、「考えろって言われるけどこれ以上なにをどう考えたらいいかわからない人」向けに、何をどう考えればいいかの指南本として書かれてます。

仕事にしろ趣味にしろ、考える力を持っているとより楽しめる領域が増えるものなので、考える力を身につけることは、人生をより楽しく生きることと同義だと僕は思っています。

ちなみにこの本、高校生のいとこにプレゼントしたことあります。


⑤モヤっとした気分になりたいときに

けっこう、僕はあるんです、こういうとき。

なんか「意味がわかりやすくて、すべてが整然としたものはいらない!」って思う瞬間。世間のマスな情報って、「わかりやすいもの」に偏向していますから、そういうのに辟易しちゃうんですね。

そういうときに、不条理演劇の戯曲とか、現代美術とか、そういったものを身体と心が欲するようです。

この小説はそこまで不条理ではないですが、「この作品ではこんな教訓を持ち帰ってください」みたいな主張がなくって、宙ぶらりんになるような気分が味わえます。

じつは最近、小説を読む頻度がとっても低くなってきているんですが、ポール・オースターの新刊だけはいつも買う習慣がついています。

でもこの「インヴィジブル」は、発売後すぐ買ったはいいけど、家の本の山に積んだまま、ずっと読んでなかったやつ。

先月読んで、「やっぱり好きだな」ってなった本です。


⑥教育的立場に立っている方に

ちょっとしんどめの本なんですが。

長年、少年院で法務技官として働いていた児童精神科医の宮口幸治さんによる著書。新書サイズだし、文章も平易で読みやすいです。僕はひと晩で読み終わりました。

少年院や医療少年院といった施設には、さまざまな犯罪を犯し逮捕された少年(少年院には男性が、女子少年院には女性)がいるのですが、児童精神科医の立場で彼らと向き合ってきた筆者によると

窃盗・恐喝、暴行・傷害、強制猥褻、放火、殺人などといった非行行為・犯罪を行った少年たちには、「5点セット+1」の共通する特徴がみられる

とのこと。

それは

・認知機能の弱さ
・感情統制の弱さ
・融通の利かなさ
・不適切な自己評価
・対人スキルの乏しさ
+1 身体的不器用さ

であると書かれています。詳しくは書籍の中の解説を読んでいただければと思うのですが。

この「非行少年に見られる特徴」が、小中学校における「問題児」と呼ばれる子どもが持つ特徴と似通っているようなのです。

その上で筆者は、「本来だったら学校教育や社会福祉で支援でできたはずの子どもが支援からこぼれ落ちてしまうと、社会生活の中で生きづらさを感じ、そのストレスで非行行為に走ってしまうのではないか」と指摘しています。

学校教育の現場や社会福祉の段階で、こういった特徴を持った子どもに適切な支援が与えられれば、犯罪件数を減少させ、犯罪被害者をより少なくし、刑事施設を運営する経費なども圧縮できるのではないか、と。

なにより、僕としては、自分では想像もつかなかったような見方で、世界に対峙している人たちが少なからずいるのだ、という事実に驚愕しました。

僕も教える立場になる可能性が高い働き方をしていますので、この本で得た知見はとても重要なものだと感じました。


⑦動ける身体を手に入れたいとき

これまたちょっと毛色の違う本ですね。

これ、中に書いてある文章と表紙の絵がめちゃめちゃ矛盾していて笑っちゃうんですけど。笑 いいのかなこのマーケティングで。笑

著者のポール・ウェイドの主張を僕なりに要約すると

ジムのマシンで作られる筋肉は見た目はいいが、人間の身体が本来持っている身体の連動性を無視した筋肉肥大をさせるので、機動性に劣る
一方、この本で紹介するキャリステニクス(自重トレーニング)は、さまざまな筋肉や腱、関節を有機的に動かすことで身体を鍛えていくため、故障や怪我につながりづらく、機動性のある、動ける身体を作れる

とのこと。

まあ、その主張を鵜呑みにするかどうかはおまかせするとして、僕としては長々と書かれている彼の持論に「たしかに一理あるな」と思ったりしたのと、そもそも身体を鍛えたくてもジムという空間が好きじゃなくって通う習慣ができなかったので

ジムの器具ではなく、自分の身体を使って、見掛け倒しではない実用的な身体、を作れるメソッドはとても魅力的だったのです。

特に僕は、ボディビルダーになりたいのではなく、舞台俳優としてパフォーマンスの高い身体を手に入れたいものだとずっと思っていたので、この本が与えてくれる情報はとても有益なものだなと感じています。

いきなり「腕立て伏せ100回!」とかじゃなくって、

まずは壁に向かって立って腕を伸ばし壁に手をつき、そのまま腕立て伏せと同じ動作をしましょう。初めは10回を1セットで。

というところからスタートするワークアウトの指南です。どんなに筋力のない人でもはじめられます。




今日のところは、こんな感じでしょうか!





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