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【いそがしいとき日記】その3



やっぱりどこまでいっても、演劇が好きなんです。

演劇をやり始めて、ほんの3年とちょっとぐらいだけれど、「僕の人生は演劇に出会うためにあったのだな」って思えるぐらいには演劇が好きです。

もちろん音楽も好きだし、歌うことは僕にとって呼吸みたいなものだけど、芝居をしたり、芝居のことを考えたりする時間がない生活も、もはや考えられない。


このあいだ、とある演出家さんと話をしていて

「役者の仕事とはなにか」

という問いを出されました。

いろいろ考えた上で僕はまず「人を愛することだと思います」と答えました。仕事、というとズレるかもしれないけれど、俳優存在としては絶対的に必要なポイントだと思います、と。

そしたら、「うん、それもあってる。でも求めてるのは少し違う答えだよ」と促されました。

またしばらく考えた上で僕は「戯曲を元に、劇作家の意図を具現化すること」と答えました。その演出家さんも「俺もそう思う」って言っていました。



演劇を考える、というのは、自分が劇作家でない限り、二次的な創造活動です。戯曲を元にして、その世界をどうやって実世界に再現していくか、という営みです。

戯曲を元にする、ということは、まず、それを書いた劇作家の人生を尊重するということです。

見ず知らずの、会ったこともない、もしかしたら生きた時代も違うかもしれない他人の考えや人生に思いを馳せ、それらをまず愛することからしかスタートできない仕事です。

少なくとも、僕自身はそう思っています。


僕が演劇を大好きなのは、「自己表現ができる」からではありません。

その営みの根底に、愛があるからです。



読んでくださってありがとうございました!サポートいただいたお金は、表現者として僕がパワーアップするためのいろいろに使わせていただきます。パフォーマンスで恩返しができますように。