【忙しいとき日記】その22
日々、「ヤマガヒ」を作っています。
今月、12月21日と22日に、僕の生まれ故郷である山梨県は甲府市で上演する創作音楽劇です。
昨年の7月に初演したものの再演ですが、かなりの部分をリクリエイションしています。もちろん、上演台本や使用楽曲の大部分は初演のままですが、細かなバージョンアップが施されているのと、シーンの作り方もいくつか変わっていたりします。
この作品は、ウェルメイドの類いではありません。つまり、話の筋の運びが論理的かつわかりやすく、物語の展開をテレビドラマを見るように楽しめるタイプの作品ではありません。
表現主義的な質感もあれば、不条理演劇の要素もあります。
「不条理演劇ってなに?」という疑問についてはこの記事をどうぞ。
とまあ、かなり複雑な構造を持った戯曲ではありますが、扱っている主題はシンプルです。
僕らはどう生きるべきであるのか。
これにつきます。あるいは、「どう死ぬべきなのか」という問いもその裏側にあるかもしれません。
物語の舞台は時代を特定されてはいませんが、今を生きる人たちにこそ「グサッ」とくる場面やセリフがたくさんあるはずです。それもそのはず、まさに今、「今」を生きている僕らが作っているからです。
たとえば、これは本当は書いてもいいのかどうかわからないのだけど。
台本のセリフにこんな一節があります。
過半数賛成につき、実行。
それが今日の稽古で、こんな風に変更になりました。
過半数賛成につき、いや、大多数無反応につき、実行。
今の日本を生きているあなたには、きっとさらっとは流せないような言葉になっていることでしょう。(そんなこと書いちゃダメじゃないか!って怒られたら消すね。笑)
「芝居は生き物だ」とよく言いますが、まさに創作の現場は生き物のように日々形を変えていきます。
さまざまなミザンスを試し、音楽のタイミングや使用する音色を選び、昨日やったことを今日ゼロベースにして新しく考え直したりしています。
僕としては、理想的な創作の現場だなあと思っています。本当にありがたい。
来週からは山梨入りするので、それも楽しみ。
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芝居を作っている時期っていうのはどうにも余裕がなくなりがちなわけです。
寝る時間が短くなったり、ぼーっとする時間が足りなくなったり、規則正しく食事ができなくなったり。
そういうことにイライラするとまた自分で自分を追い込むことになるので、普段だったら難なくやっていることでも「しんどいな」って思ったことはさささっと切り捨てて、できる限り自分を甘やかしてあげることが大切です。
僕はおとといぐらいまで、きちんとした食事を「自分で作る」ことをサボってました。かわりにコンビニでご飯買ってました。でも、カップラーメンとかじゃなくて、野菜もタンパク質もバランスよく摂れる系のやつ。
昨日は少し余裕があったから、スープ作ってみたり、こんにゃくを炒り煮にしてみたりしたのだ。できる元気があるときにはやればよい。
稽古場までの道のりも、15分ぐらい歩くのしんどいからここ数日はタクシーです。普段だったらそんな贅沢しないんだけど、今はいいのです。のっぴきならないのだから。
というか、500円ぐらいで10分ちょっとの寝る時間と、歩く体力を確保できるのならずいぶんと安い出費だなあと思います。
出費でいえば、稽古場に持ち込む食料のかんじも最大限に自分を甘やかしています。稽古場に行く前にある某高級スーパーで、いろーんなものを買ってます。
ちょっといいサラダチキン、なんかすごい煮卵、美味しそうなカップスープ、黒豆のしぼり豆、バターを使ってない食パン、めっちゃ甘いトマト、みたいなやつ。
冬の稽古場って暖房つけなきゃ寒いし、つけたらつけたで乾燥するし、床は冷たいしで、けっこう精神衛生上よくないんですが
「僕には充分なタンパク質がある」「身体が冷えたらスープがある」
とか思えると、だいぶ心の余裕ができるんですよね。我ながらナイスライフハック。
「芝居がしんどい」っていうことを言いたいんじゃなくって、むしろ「芝居を作り込むことに全身全霊をかけたいからこそ、生活の他の部分のしんどさをなるべく削る」という考え方で、ここ2週間ぐらいは生活しています。
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新しい出演情報が先日発表になりました。
大人気の歴史漫画が原作で、明治座さんが新作のミュージカルを作ります。
その名も「チェーザレ 破壊の創造者」。
今年に引き続き、また明治座さんの舞台に立てることを嬉しく、ありがたく思います。
あっきーさんをはじめ、藤岡さん、たくぴーさん、るんさん、島健さんといったジャージーファミリーはもちろん、「銀河鉄道999」で一緒だった安里さん、咲栄さんもいて、なんだか心強いです。
同世代の(というより僕より若い)俳優さんたちとお芝居できるのも楽しみだし、別所哲也さん、岡幸二郎さんの存在もめちゃめちゃ気になっています・・・!
ファンクラブ先行チケットについてはまたしばらくしたら担当スタッフよりご連絡が行くと思います、しばしお待ちください。
ファンクラブの詳細については、下の記事の「5、ファンクラブ「pretzclub」について」の項目をご参照ください。
なんとか、この弱肉強食の舞台業界で、来年の5月頭まで舞台に乗る機会をいただけました。
これもひとえに、いつも応援してくださるあなたのおかげです。本当に感謝しています。ありがとうございます。
「そんな、私はなにもできてないよ」とお思いかもしれませんが、僕のことを覚えていてくれて、こうしてこの文章を読んでくださってるだけでも、僕にとっては大きな支えなのです。
いち表現者にとって「忘れさられることなく、思い出してくれる人がいる」という事実こそ、日々の活力の源になるのです。本当に、ありがとうございます。
来年も頑張ります!
でもまずは目の前の舞台、がんばります。
最後に「ヤマガヒ」のPV貼っておくね!!!
読んでくださってありがとうございました!サポートいただいたお金は、表現者として僕がパワーアップするためのいろいろに使わせていただきます。パフォーマンスで恩返しができますように。