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山野羊
2023年3月17日 20:21
雪に、焦がれている。音を吸い込み、世界を静寂に包む。空気から気温と埃を吸い取って消えていく。雪が降る世界は静寂と美しさを作り出す。そこは私にとって、世界で唯一の居場所のように思った。世界が停止する、そんな世界でのみ、私の存在は許される気がする。それはただ一つ、呼吸がしやすいというそれだけでしかないが、たったそれだけが世界という巨大なものにこのちっぽけな存在を許されたかのように錯覚する