マコモの話し

山の美農園の敷地は、10反ほど。半分は30年、もう半分は20年耕作していなかったという棚田が山間部にあります。
すっかり自然林に戻ろうとして、2〜3m級の笹竹が栽培しているかのようにギッシリ伸び、巨大なススキの株や、広葉樹の10〜20年の自然木が育っています。もともと棚田だったところは、水が溜まり、イノシシのプールとなっているようなところでした。

4年かけて水はけが良く、木の生えていない場所を3反ほど畑にして、水のあるところには、3年前からマコモを増やし続けています。

植物には適材適所があって、その環境の条件に合わないと、思ったようには植物は育ちません。
すぐ近所には『マコモ池』と呼ばれる池があり、昔はマコモが自生してたと聞きました。
まさにマコモ栽培するにはとても合っている土地に違いないと思い、苗を植えてみることにしました。

マコモはとても強く、丈夫で、水を浄化し、根を張りながらどんどん株が増えていく植物です。しかも手間いらず。

自然に還ろうとしていた土地をできるだけ活かしながら農園創作していく中で、水が溜まっていて土地が崩れてしまって田んぼにもできないところはすべてマコモの草原になったらいいなぁと妄想しています。

長く美しい緑葉は、ピンとそびえ立ち、さやさやと風に吹かれ、枯れた葉は、どの草よりも白くてこれまた美しい!

マコモは万葉集には『菰』として出てくるそうで、稲作が始まる弥生時代の前の縄文時代では、食住の主流となる植物の一つだったと聞きます。
出雲大社の巨大なしめ縄は、このマコモを使用しているそうで、その浄化力を表しているとか。
スサノオさんが世界の最初に植えた植物だとか。

活用方法は様々です。
マコモの株の中心には季節になると白いタケがふっくら膨らみ、マコモ茸が成って、ほんのり甘みのある食材となります。
マコモ葉は、お茶、履き物、むしろ、枕の中身、など余すところなく人々の生活を支えていたそうです。

余談ですが、去年の出雲大祭にて、マーケット出店した時のこと。
スサノオさんにお参り。と、奥の院で柏手をうったタイミングで、大きな声で『わん!』と吠えられ、縮み上がる感じにびっくりしました。
周りを見渡してもワンちゃんはいないし。

あれは、マコモをどんどん育てましょう!ということだったのでしょうか?
今年はコロナ渦で、出雲大祭の市は春も秋も中止。残念です。

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私のマコモ茸の一番好きなレシピは、オリーブオイルたっぷりで炒めて塩糀での味付けです。

刻み方を変えて、にんじんやゴボウと合わせたきんぴらも美味しいです。

表皮の部分は繊維が硬いので、ピーラーなどで剥いて、白い、柔らかい部分を使用します。

BBQでは、表皮ごと焼いて、中身を食べます。
表皮も焦がすと、香ばしく、サキイカのように噛めば噛むほど味が出ます!

細く若い茸は、そのまま生でポリポリ食べても美味しいです。

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