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器用貧乏コンプレックス

よく見がちな気もするタイトルですがコンプレックスについて書きたいわけではなくて、
いつの間にか器用貧乏への道を歩いていた自分への労りと、これからもがんばろねの気持ちで書きます。


器用貧乏という表現

器用貧乏といっても色々あって、本当の本当に何でも出来る人がいたらそれはスーパー優秀な人であって、器用"貧乏" ではないですよね。

"貧乏"と称するところに、そこまで到達できない歯痒さとかプロとの隔たりの感覚があって、一般的には出来たらちょっとすごいけど「いやあそこまでレベル高くないんだよね」と説明を入れないと気恥ずかしいのが器用貧乏かなと思っています。

DIYがメインの器用貧乏もいれば、DTP系の器用貧乏、執筆系、回線系、修理系、事務系、などなど、色々なかたちの器用貧乏がいると思います。

「〇〇系」と書くのが器用貧乏のミソというか、細かなDIYがちょこちょこ出来るタイプの人が家の配線にも強かったり、自転車修理も少し出来たりと、決して一点特化型ではないから"器用" が付く。

後に "貧乏" が付くから、子どもの時は「何かかっこわるいや」と思っていたけど、自分がいつの間にかその道を歩いていて、かつけっこう役立っているので、まあ悪くはないわねという気持ちです。

器用貧乏の初め

中学生の時、文化祭でダンスを披露するクラスメイトのために、ダンス用に音源を切り貼りしたCDをつくりました。

といってもかなり簡単で、いわゆる歌の2番をカットして1番が終わったら最後にもっていく、みたいな形でしたが、
家のPCに入っていた編集ソフト(おそらく父が入れていた)を初見でぽちぽち触って、何とかつくったのでした。

その時、やったことなくても案外触っていれば出来るな、と思って、wacomのペンタブを買ってデジタルお絵描きを始めたり(これはあまり上達しなかった)、それに付いていたPhotoshopの体験版でデータを作るのを覚え始めたのが、器用貧乏の初めだった気がします。

ペンタブこれしか使ったことない

高校生になってもDTP系のソフトは Photoshop Elements9 しか持っていませんでしたが、部活のパンフレットをちょっと豪華に作ったりするのに活躍して、大学でも同じく、サークルで使うチラシやパンフレットのデータをぽちぽち作っていました。

でも、これではただの「フォトショ若干使える人」であって、器用貧乏ではない・・・
社会人になってから、器用貧乏への道が加速します。

社会人が上手くできなくてウロウロした挙句

大学を単位ぴったり(ギリギリ)で卒業して、最初に入った都内の会社ではいわゆるSE(システムエンジニア)の仕事をしていました。

大学時代はバリバリ文系の学部だったのでまったくの未経験でしたが、文系かつ未経験をSEとして採用している会社は案外多く、同期もみんなそうだったので安心して入社し、研修に励んでいました。

正直、研修で教わったことは今は何も覚えていなくて、再びSEになるのはおそらく無理なのですが、プログラミングやWebデザインが身に付かなかった代わりに、エクセルに強くなりました。

(システム開発の現場はおそらく大体そうなのではと思いますが、まじで全てをエクセルで共有しています。ワードで済むようなテキストしかないものも、とにかく全てエクセルです。エクセルが世界の中心だった。)

SEとして働いていた会社は、2年目で心が辛くなって樹海に行くことを考えたりしていたので辞めて、その後は農園でバイトしたりコンビニでバイトしたりしていました。

農園バイトは、事務が出来る人があまりいなかったので、簡単なPC作業をやらせてもらったりして、最初は心がかなり平和でした。しかしここも、社長が苦手になり行くのが辛くなって辞めるに至る・・・

自分、まじですぐ辞めたくなるな、どうしよ、と思いつつ、一旦地元に帰って地元の会社でバイトを始めて、そこでもエクセル係(?)になってデータ整理とかをしていました。

その後、縁があり都内に戻り、知人の小さな出版社や本屋を手伝うに至るのですが、これが今思えば器用貧乏への本格的な入り口でした。

ひとり総務部 まず「法定調書をつくる」?

先に述べた知人をAさんとします。

Aさんは小さな出版社を昨年つくり、友人と2人で経営しているのですが、私が出会った時は事務と経理が滞り始めていて、どうやら「法定調書」をつくらなければならないのにやり方も分からず、時間もなく、詰みそう、という状況でした。

私は会社の仕組みなどは何も知らなかったので、なぜ詰みそうなのかも分かっていませんでしたが、とにかくネット記事や本を読んで、期限までに調書をつくり、提出し、ひとり総務部みたいなことを始め(てしまい)ました。

法定調書の提出期限は1月末なのですが、それが終わると今度は3月の決算があります。
やったこともない経理(というか、簿記?)を本を見ながら何となく覚え始め、領収書をファイリングして帳簿を整理して、税理士さんに投げて何とか初めての決算を乗り越えました。

決算は、それまでの経理作業が雑だと面倒になると分かったので、次年度から帳簿の入力や書類の管理をちまちまと担当するようになりました。こうして "ひとり総務部" の幅が広がっていきました。

ノベルティ?をつくる

Aさんは小さな出版社を経営する傍ら、小さな本屋もやっています。

"ひとり総務部" は本屋の開業前に始まっていたので、自然と開業準備も手伝うことになりました。(いつか本屋の話もしたいと思います。)

本屋では新刊やZINEのほか、古本も扱いたいとのことだったので、古物商を取らなければいけませんでした。
私は古物商のことも名前くらいしか知らなかったので、法人の取得の仕方を調べて、近所の行政書士事務所にメールして、手続きを始めました。

それと並行して、本屋のロゴを描いたり、ショップカードを作ったり、ステッカーやポストカードも作ることになりました。
すべて初めてやることでしたが、中学生の頃から使っているPhotoshop Elements9に支えられて何とかデータを作り、発注しました。

試作中

(正直、この頃からPhotoshop Elementsでは作業効率が悪いと感じていましたが、Illustratorを購入して覚える暇もなく、使い慣れたPhotoshop Elementsで何とかしのいでいました・・・)

初めて刷り上がったショップカードみた時うれしかった

誰に教わったわけでもなかったPhotoshop、しかも体験版が、まさか社会人になっても役立つとは思っていなかったです。

この本屋の開業準備をきっかけに、ノベルティ?作りが何となく出来るようになり、その後アクリルキーホルダーを作ったり、カッティングマシンを購入してステッカー作りに本気を出すようになりました。

ステッカーは意外と簡単につくれる

現在のひとり総務部

その後、本屋を手伝い続けるのは大変だったので、運営からは抜けてショップカードだけ時々発注したり、経理だけやるようになっています。

Aさんに「Illustratorがほしい」と言ったらあっさり買ってくれたので、空いた時間にちょこちょこ動かして、何となく使えるようになってきました。
(Elements時代からは想像もできない便利さでびっくり。もっと早く買えばよかった)

出版社の仕事で小冊子をつくる機会があったので、「私が出来るようになれば今後便利だよ」と説得してInDesignも経費で買ってもらい、
何となく組版を覚え始めたのが最近です。

初めてInDesignでつくった小冊子が先日届いたのですが、ほとんど想像通りの出来で安心しました。綴じが思ったより深かったので(表現たぶん違う)、次につくる時は内側の余白をもっと開けねば・・・という感じです。


このような感じで、全てプロの領域には程遠いのですが、DTP周りとか事務とか経理がちょこちょこ出来るようになってきています。

SEになりたての頃は、この道でプロになるぜ!みたいな気概がありましたが、段々とやる気を失い、その後やった色々なバイトでも「極めたい」と思うことはなく、スキルをつまみ食いしてきました。

いつか「極めたい」と思えるものに出会えるのでは、と、半端でいることにコンプレックスを抱いて出会いに期待して生きてきたのですが、
最近はこの "ひとり総務部" が楽しくなってきているので、別にプロにならなくても穏やかに生活が出来たらいいじゃんね、と思うようになりました。

今日はまだ生活を全然していないので、これからパンを焼き卵を焼き、また違う作業に取り掛かろうと思います。(小さい会社でも仕事はなぜか無限にある)


お読みくださり、ありがとうございました。

また気が向いたら更新していこうと思います。

グッズ作りに関しては少し詳しくなったので、質問ある方はどうぞです。

それではよい月曜日を~





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