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センセイの授業準備 蛍光ペン

塾講師だったころの思い出を細々とつづっています。

授業準備の第一歩が、テキストに答えを書き写す「写経」。ではそれが終わったら何をするのかというと、根拠探しである。
特に国語の場合、模範解答と全く同じか似た文が問題文のどこかに必ずある。物語文だろうが説明文だろうが論説文だろうが詩や俳句・短歌だろうが必ず答えを作るためのヒントや根拠となる文が隠れている。それを探すのが次の作業となる。

もちろん闇雲に文章中を探し回っていたら時間がいくらあってもたりない。解説の中に「何行目に注目」などと書いてあればその行の文を蛍光ペンでさっと引く。私はいつも、目に優しいマイルドライナーにお世話になっていた。いろんな色を使ったが、最終的にマイルドライナーのグレーが私の相棒になった。

国語の解説というのは解説になっていない物も多々ある。何を根拠にこの答えになったのか分からないものは、やはり自力で探すしかない。中学受験生、つまり小学生が解くのだから、全くのノーヒントという問題は少ない。たいていは問題になっている箇所の近くか、接続語をたどれば見つけることができる。

根拠をみつけてはグレーの線を引いていく。これを私は「線引き」と読んでいた。「写経」と「線引き」が終わったら、授業準備の準備がやっと終わる。ここからが授業準備の「本番」なのだ。

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