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山梨県立大学と拓殖大学のまちづくり事例

本学は、拓殖大学と共に、内閣府「地方と東京圏の大学生対流促進事業」を実施しています。今年度も、杉山ゼミナール(山梨県立大学)、徳永ゼミナール(拓殖大学)、富士川町の関係者方々の三者で協力し、富士川町名産のゆずと町内の特産品がセットになっている返礼品「お家でゆず湯セット」を制作しました。

では、内閣府「地方と東京圏の大学生対流促進事業」事業で、どのような活動が実施されているのか。拓殖大学国際学部国際学科の徳永達己教授が寄稿してくださいました。

 山梨県立大学と拓殖大学の教育連携プログラムが、2018年度第1回内閣府地方創生支援事業「地方と東京圏の大学生対流促進事業」に採択された。この事業は、東京圏の大学の学生に地方の魅力を認識してもらうとともに、地方圏の大学も東京圏で学ぶ機会を作ることで地方圏の大学の魅力を高め、地方への新しい人の流れを生み出すことを目的としたものである。
 事業名は「Miraiプロジェクト」を中心としたやまなしキャリアデザインの推進。4年間にわたり、本学の国際協力、観光、農業、デザインなどの教育プログラムに山梨県立大学の学生が参加し、山梨県立大学が県内各地で地域の課題を解決するインターンシッププログラムに本学の学生が参加することを目的とする。
 私どものゼミナールも山梨県立大学国際政策学部の杉山歩ゼミナールと共に富士川町を舞台として「新しい地方創生のカタチつくり」プロジェクトを実施している。本年(2020年)度はコロナ禍の影響を受け、現地に行くことが困難となったが、これまで築き上げてきた信頼関係とネットワークを活かし、ふるさと納税に対する支援活動を行うことが出来た。新しい試みであったが、オンラインも活用し学生によるまちづくりの新しい取り組み事例を示し得たと考える。
 大学生が「地方創生」やまちづくりに関わるときに、大事なのはフィールドとの距離間だ。地域の活動は、誰もがゼロからのスタートとなる。そこから、活動経験を重ねて人間関係を構築し、地域に溶け込んでいくことで、そこの課題や新たな魅力が見えてくる。そのためには、学生が定点観測可能か、経済的な負担が大きくならないか、フィールドへのアクセスの良さが重要となる。大学生は就職活動や卒業論文の執筆などもあり、自由がきく時間は2・3年生のうちだけで、その期間に、現場での実施回数を多く踏めないと、大学4年間では地域課題を見つけるだけで終わってしまう。そこから課題解決に向けたアイディア創出、アクションを行うまでには至らないケースが多い。
 本学のキャンパスは東京都八王子市高尾に位置する。山梨県立大学と協働し、隣接する山梨県においてまちづくりのプロジェクトを行うことは、アクセス面からすると理想的な環境と形態にあると考えている。内閣府の事業は来年度で終了する。しかし今後も引き続き相互のプロジェクト活動を継続し、さらに相互間の信頼関係を深め、地域活性化および学生の能力向上を図っていきたい。

(見出し画像の写真は、富士川町増穂地区の登り窯にて)

徳永先生、お忙しいところ、寄稿してくださり、ありがとうございました。これからもよろしくお願い申し上げます。

編集:兼清慎一(地域研究交流センター運営委員)