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新たな出会いを求めて

みなさん、こんにちは。だんだん暑くなってきましたね。私は2023年4月27日、山梨県立美術館で開催されている『山梨県立美術館コレクションREMIX』の取材に行きました。(写真は、取材のため特別に許可を得て撮影しています。)

この特別展の魅力は、なんといっても普段一緒に展示されることのない作品同士が出会うことで、さまざまなジャンルの作品を一度に楽しむことができることです。一般的に美術館の展示会では「油絵」や「水彩画」などで分けて展示したり、作家に焦点を当て同じ作家の作品を展示するということが多いのですが、この特別展では一見バラバラに見える作品を同じ場所に展示しているのです。並んでいる作品を見てみると、たくさんの共通点が見てきます。そして、この特別展の何より凄いことは、展示されているすべての作品が山梨県立美術館に所蔵されているものだということです。

では、実際の展示の様子を見てみましょう。

このように作品二つが並んで展示され、その横には二つの作品の特徴や共通点が簡単にわかりやすくまとめられた4コマ漫画があります。左の作品は小野洋さんの『縞 B』、右の作品は石井精一さんの『畳の記憶(A)』で、どちらの作品にも畳が描かれています。『縞 B』は畳だけが一面に描かれているのに対し、『畳の記憶(A)』には原稿用紙とそこから飛び出してきたかのような少女が描かれています。この二つの作品はどちらも畳の細かいところまで緻密に表現されていて、い草の良い香りがしてくるような気がします。

このように絵画以外の作品も展示されています。左の作品はのむら清六さんの『ハハコ像』、右の作品は武田成功さんの『花蛍(韮崎は蛍の里)』です。私はこの展示を見たとき、「日本画とガラス作品に共通点などあるのだろうか」と疑問を抱きました。しかし4コマ漫画を読むことで、これらの作品はどちらも「光」が大切なものとして表現されていることや、「岩絵の具」を使って作品が築き上げられたのだということを知りました。そして、それを踏まえて作品を見ることで、より細かな部分まで注目してみることができました。4コマ漫画があることで作品の理解を深めることができ、展示をより楽しむことができたのです。

この二つの作品はとても面白い共通点をもっていました。左の作品は萩原英雄さんの『〈三十六富士〉山又山』で、山梨県立文学館講堂の緞帳に使われています。それに対し右の作品は望月春江さんの『惜春』で、山梨県立県民文化ホール大ホールの緞帳に使われています。どちらも日本の象徴が描かれていて、美しい自然の風景に触れることができます。

他にも山梨県立美術館の45周年の歴史を実際の写真や作品とともに知ることができる展示や、21世紀に作られた作品の展示がありました。初めての出会いでありながら共通点があるという、少し不思議で新たな展示を楽しむことができる特別展でした。

みなさんも山梨県立美術館に足を運び、作品同士の出会いの場に立ち会ってみてはいかがでしょうか。あなただけが発見できる作品の共通点もあるかもしれませんね。

『山梨県立美術館コレクションREMIX』は2023年6月11日まで山梨県立美術館で開催されています。

最後まで読んでくださりありがとうございました。取材をさせていただいた山梨県立美術館の関係者のみなさま、ありがとうございました。

文・写真:岡崎心琴(山梨県立大学国際政策学部2年)

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