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みなさん、こんにちは。
暑い日が続く毎日ですが 、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

今回、私は、山梨県立美術館で 7月1日(土)から開かれている開館45周年記念の特別展「ミレーと4人の現代作家たち ―種にはじまる世界のかたちー 」に行ってきました。

山梨県立美術館 の代名詞ともいえるミレーの作品が、この45年間の歴史を個性的に表現されていました。ここでは、この展示会の魅力や私が感じたことを紹介させていただきます(多くの写真は撮影できますが、今回は許可もいただいています)。

はじめに、この展示会に足を踏み入れる前に、テーマが4人の現代作家たちということなので、それぞれの作品がシンプルに展示されていると思っていました。

しかし、その予想は的を外れました。

第一章の展示会の様子

一目見て分かるように、普通の展示会ではありませんでした。それぞれの作品の近くに地域環境や生活環境を表す道具や人が細かく展示されていました。

全体的に暗い雰囲気で、それぞれに本物かのような人がいるので少し恐怖も感じました。

刻み込む土地

この作品は、第一章の中で最も印象に残った一つです。

背景に聖母が描かれている作品が飾られ、その前で二人の音楽家たちが演奏をし、それに合わせて右手の一人が祈りを捧げながら歌っています。

結婚式なのでしょうか。三人とも白い服を身にまとい、歌っている人は新婦のような白いバラの装飾がついた華やかな衣装を着ています。

キリスト教式の結婚式であると思うのですが、床は畳で後ろには屏風があり、キリスト教と仏教の葛藤のようなものを感じました。

coconogaccoと富士吉田

もう一つ紹介したいのが、こちらの作品です。

よく見てみると、少し大きい頭には暗い表情をした顔がうっすらとあり、手には二つの表情を下げています。

この作品は、coconogaccoの活動に参加した個性豊かな受講生たちが手掛けた作品だそうです。作者の意図は詳しくはわからなかったのですが、なぜかいくつかの表情を持っていることに共感してしまいました。

人間は社会に出ると上手に生きようと、いくつかの人格を持ちます。それが表情として表現されているのかなと思い、共感しました。

さて、第二章に行ってみましょう。

こちらも圧巻させる作品たちでした。

まず、入るとすぐにこの作品が出迎えてくれます。すごい迫力ですよね。

ジャン=フランソワ・ミレー《種をまく人》1851 山梨県立美術館蔵
淺井裕介《移動と輸送》2023 山梨県立美術館蔵

山梨県立美術館の代名詞である、「種をまく人」を中心に壮大なアートが繰り広げられています。

なんとこの色は、山梨県各地の農園や神社から採取した泥で描かれているのです。この事実を知った時に、とても驚いたとともに泥の可能性やそれぞれの土地の生命力を感じました。

そして、第三章 循環、再生です。

《《Scenery in DialoguesScenery in Dialogues》》 丸山純子
《Scenery in DialoguesScenery in Dialogues》 丸山純子


なんとこちらの花びらや茎は、ビニール袋や発泡スチロールなどの私たちが日常的に使っているものを用いて表現されています。

普通だとこれは無意識のうちに捨ててしまうものですが、このように表現されることで再び命が宿ったかのように生命力を感じ、新たな視点を得ることができました。

4人の現代作家がそれぞれの感性や個性を表現した作品たちは非常に面白いので、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?

山梨県立美術館開館45周年記念の「ミレーと4人の現代作家たち ―種にはじまる世界のかたちー」は2023年8月27日(日)まで開催されています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

文・写真:大森美季(山梨県立大学国際政策学部2年)

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