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10月21日に山梨県立美術館へ行ってきました。この日の美術館の特設展は「新版画」展(10月24日まででした)。

さて、新版画とは?

「新版画」とは、大正から昭和にかけて、絵師、彫師、摺師(すりし)の協同作業によって制作された木版画のことです。版元である渡邊庄三郎が提唱し、伊東深水や川瀬巴水、吉田博、小原古邨といった絵師たちによって、新しい時代に見合った版画芸術が次々と生み出されました。
(太田記念美術館WEBサイトより引用)
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/kasamatsu-shiro-the-last-shin-hanga-prints-artist

ざっくり説明すると、江戸時代に生まれた浮世絵の技術を海外に向けて発信し、もう一度復興させようとしたものらしいです。

この特設展に行くまでは新版画という言葉自体も知りませんでした。そも
そも浮世絵に対する知識も全くないのに新版画なんてわかるのだろうかと思っていました。 しかーし!、全然そんなことなく初見さんの私でも楽しめました(笑)。

特設展に入ってすぐ私たちを待っていたのは、当時の歌舞伎役者の版画でした。その力強くも、奇妙な眼光に立ち止まってしまいました。

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Wow , Japan!! 

私は日本人ですが、きっと外国人の方のような反応をしていたと思います。

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ひととおり版画を見ていて「持てる女シリーズ」についクスッとしてしまいました。

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きっと持っている、という意味の題名なのだろうけど、この「持てる」を、「私は持つことができる」のほうと勘違いしてしまいました。そして、このシュールな雰囲気を放った版画は、明らかに周りの作品のなかで浮いていたのです。

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同じゼミ仲間のもちはるさんがこの時私の横で「持てる女」を真剣な表情で見ていたのですが、きっと笑いを堪えていたことでしょう。なぜなら彼女もくだらないことが大好きだから。

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いろいろな作品を見歩きましたが、これらの作品が全て版画で出来ていることを忘れるくらい、新版画の技術の高さに驚きました。普通に描くよりも手間のかかる版画という技法を使って細かいところまで描かれた作品から、几帳面で職人気質な日本の技を感じました。

ぜひ外国人の方に来ていただきたいです。

文・写真:山﨑倫太朗(山梨県立大学国際政策学部2年)


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