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個性×多様な解釈=無限の可能性

みなさん、こんにちは。
2023年7月6日、山梨県立大学で開催されている開館45周年記念の特別展『 ミレーと4人の現代作家たちー種にはじまる世界のかたちー』の取材に訪れました(本展示会は一部の作品の撮影が可能です)。

この展示会は、『ミレーの作品と共に、私たちと同じ時代を生きる4人の現代作家の作品を展観することで、多様な解釈を開くこと』を試みています。(山梨県立美術館WEBサイトより)。

今回の記事では、私が率直に好きだなと思った作品をご紹介していこうと思います。

まず、私は服が好きなので、ファッションデザイナーでもある山縣良和さんの作品の中から、私が実際に着てみたいと思った服を2つ紹介します。

1つ目はこちらです。

この作品を一目見たとき、私はこの服を着て動物園か牧場に行きたいと思いました。なぜなら、動物園ではシマウマに、牧場では牛になりきれると思ったからです。
私の中で、同じ柄のフードが付いているのがポイントで、これを被ることによって、頭から足の全身が牛柄(シマウマ柄)に覆われます。
さらに、私はこの服に加えて同じ柄の靴を履きます。そうすることで、より動物たちに溶け込めるのではないかと思います。
最終目標としては、動物たちから仲間だと思われ、群れに招待してもらい、彼らの生活を体験することです。
初めは、言葉も通じないかもしれませんが、同じような柄を体にまとい、共に生活するうちに、牛やシマウマの気持ちがわかるようになるのでは…
この作品の服を眺めていると、なんだかそのような気がします。

2つ目はこちらです。

この作品が目に入った瞬間、私は見た目のインパクトの強さとその存在感に衝撃を受けました。ということは、誰かと待ち合わせをしている時にこの服を着ていれば、一発で私だと気づいてもらえるのではないかとも思いました。そのため、私は待ち合わせのタイミングでこの服を着ようと思います。例えば、待ち合わせの場所として有名なのが、渋谷のハチ公前だと思うのですが、有名な故、いつも人で溢れかえっています。しかし、この服を着ていれば、ハチ公前に行かずとも、その手前の改札を出る前に気づいてもらえることでしょう。
電車やバスで移動するときは多少大変かも知れません… 
ですが、そんなことより早く待ち合わせがしたい、個性的でいたいと思う人にはピッタリの服だと思います。

次に、同じ山縣良和さんの作品の中でも、人形が持っている楽器に注目してみました。

それがこちらの2つの作品です。

一見似ているように見えるこの2つの作品をよく見てください。
何かに気づきませんか?

私は初めにこの2つの作品を見て、服装は似ているけれど、持っている楽器が違うなとだけ感じていました。これは一目瞭然なことなので、皆さんも気づいたと思います。しかし、持っている楽器の弦に注目してみてください。左の写真のバイオリンをよく見ると弦が切れてしまっています。それに対し、右の写真のチェロは切れていません。なぜなのでしょう。作者が意図的に切ったのか、はたまた、自然に切れてしまったのかとても気になります。意図的に切ったのだとしたら、それで何を表現したかったのかも気になります。

この作品のように「なぜ作者はこう表現したのか」という疑問に対して自分の頭の中で想像し、答えを導いてみる楽しさが美術館にはあると私は思います。

ちなみに、私はバイオリンだけ弦が切れている理由として、バイオリンはチェロよりも弦が細いため、同じ強さで演奏しようとしたら、弦が耐えられなかった。つまり、それだけ情熱的に音を奏でようとしていたことを表現したという答えにたどり着きました。みなさんはどのような答えを出しますか?

ここからは、丸山純子さんの作品の中で、私が印象に残ったものをご紹介します。

それがこちらです。

「あれ?作品じゃなくない?」と思ったそこのあなた!これには意味があります。
なぜ、作品ではなくタイトルだけ紹介したのかというと、1つの作品に絞って紹介するのがもったいほど、作品のタイトルが個性的で、面白いなと思ったからです。そして、その作品達がよい意味で私の想像をはるかに超え、インパクトが強いものだったからです。

私はこの中でも、「それは犯罪として認められませんね」というタイトルがお気に入りです。初めに、タイトルを見ずに作品を見たとき、まさかこのようなタイトルがついているとは思いもせず、「えっ!これが…?」という感じでした。しかし、タイトルを見た後にもう一度作品を見ると、不思議とそのように思えてきて、これを表すためにここをこう表現しているのか!というように点と点が線で繋がるような感覚を味わいました。

みなさんには、これらのタイトルがついている作品がどのようなものか想像してもらいたいので、あえて作品は載せないことにします。そのため、自分の想像と実際の作品が同じものだったか、はたまた全然ちがったのか、現地に足を運んで答え合わせをしてみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

この記事では、率直に私が好きだと思った作品を紹介しましたが、この中にあなたの好きな作品はありましたか?

展覧会では、ここで紹介した作品以外にも魅力的な作品がたくさんあります。さらに、ミレー作品と4人の現代作家の作品が一緒に展観されていることで、今までとはひと味違った「独特な世界観」を感じることができます。そのため、ミレーの作品は既に見たことがあるという方も十分すぎるほど楽しめます。

みなさんもぜひ、「独特な世界観」を感じに足を運んでみませんか?実際に作品を見て、自分だけの世界を作ってみるのも楽しいかもしれませんね。

『開館45周年記念 ミレーと4人の現代作家たちー種にはじまる世界のかたちー』は2023年8月27日まで開催されています。

取材をさせていただいた山梨県立美術館の関係者のみなさま、ありがとうございました。

文・写真:岡本楓花(山梨県立大学国際政策学部2年)

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