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シダネルとマルタン展を訪れて

2021年11月10日、「シダネルとマルタン展 最後の印象派」を山梨県立美術館で見てきました。

アンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタンの2人は絵画の表現において共通点も多く、生涯にわたる親交の関係を結んでいました。

今回は同じ印象派でもシダネルとマルタンそれぞれ2人の絵画表現や個性を掴みながら観ることを意識して観てきました。

まずはシダネルの「エタプル、砂地の上」という作品です。

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シダネルが淡い色彩の変化を好んでいたためか、作品を観ると柔らかで優しく、落ち着いた印象を受けると思います。

シダネルは1900年以降、画中から人の姿が消えていきましたが、その代わりにテーブルの上に整えられた食器や、窓から溢れる室内の灯によって人の存在を暗示するようになっていったそうで、1910年ごろに描かれたとされる「」(撮影不可の作品)という作品は雪景色に囲まれた広場の建物の部屋に灯が灯っており、間接的に人がいることを感じ、寒さの中にホッとするような温かい印象を受けることができたところが印象的でした。

続いて紹介するのはマルタンの「ガブリエルと無花果の木」という作品です。

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この絵からもわかると思いますが、マルタンの作品は小刻みに震えているかのように変化の富んだ細かいタッチの点で描かれているように見えます。

他にもマルタンの作品ではシダネルより鮮やかで濃く、力強い印象を受ける部分がありました。

シダネルとマルタン展を訪れて、同じ印象派でも描き方や筆の使い方に違いを感じたり、身近な人物を描くことを好むという共通点を見つけたりすることができました。

シダネルとマルタン展は山梨県立美術館にて2022年1月10日まで開催されています。

私がここに書いたことだけでなく、自分で訪れることで新たな点に気づくことができると思います。

この機会に是非訪れてみてください。

文・写真:青柳琴音(山梨県立大学国際政策学部1年)

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