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未知の生物?との遭遇

山梨県立美術館で4月24日から始まった『テオ・ヤンセン展』に行ってきました。美術館に行くのは、とても久しぶり。わくわくしました。「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも称されるテオ・ヤンセンですが、正直、名前も知りませんでした。

展示会場に足を踏み入れると、まず、プラスチックなどで出来た巨大な模型のようなものがいくつか展示してありました。これが「ストランドビースト(砂浜の生命体)」です。砂浜で風を受けて動くといいます。

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テオ・ヤンセンは、1990年からずっと、この「ストランドビースト」の制作を開始し、改良を重ねているという。

なぜ、この制作に生涯をかけているのだろう?

最新技術を追い求めているわけでもなく、誰も考えたことのないものを発明しようとしているのでもない。

ただひたすら、砂浜で風や砂に耐えられるような強靭な模型をつくり、より生命体に近い動きを追い求めている。

芸術の代表的なものである絵画や彫刻ではなく、なぜこの「ストランドビースト」というものを制作し続けているのだろう。

そんな考えが頭に浮かびました。

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実際に人工的に風を送り、「ストランドビースト」が動く実演もありました。そのときのナレーションが印象的でした。あたかも「ストランドビースト」が生き物であり、感情があり、生と死があるように語っていたのです。正直に言うと、最初は違和感がありました。でも、ナレーションを聞いているうちに「ストランドビースト」を生き物としてだんだん受け入れて愛着を感じてしまっている自分がいました。

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実際に、いざ動いているところを見ると、圧巻でした。電力を使っていない動きだとは思えませんでした。虫のような、動物のような、何ともいえない動きでした。機械的な動きでは全くなく、関節がいくつもあるような、滑らかな動きでした。未知の生物に遭遇したような恐怖心さえ感じました。

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様々な解説を読んでいても、「ビーストの食べ物は風」「体長9メートル」「一生を終える」など、本物の生命体という扱いをされています。とても不思議な感覚でした。「生命体」の定義とは何なのだろうと感じました。

「ストランドビースト」は、言ってしまえば、あってもなくてもいいものなのかもしれません。そこに力を注ぎ込み、「ストランドビースト」がより長く、強く、危険を回避しながら砂浜で生活できるように改良を重ねているテオ・ヤンセン。「ストランドビースト」から何を学んでいるのだろう。「ストランドビースト」を作り続ける意義は何なのだろうか。そんな疑問と好奇心を持ち帰った私は今、『テオ・ヤンセン展』について、研究してみようと考えています。

『テオ・ヤンセン展』は6月22日まで開催されています。事前予約が必要です。

文・写真:武井里奈(山梨県立大学国際政策学部国際コミュニケーション学科4年)



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