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【自問自答】本のワーク②「似合う」??

↓前回




「似合う」本って、なに……?


・講演会の質問コーナーでその点についてあきやさんに質問してくださった方にここで感謝しておきたい。
「しっくりくる」「なんとなく自分が書きそうなテーマである」というのをとっかかりにして見てみることにした。

・「書きそうなテーマと感じること」と「実際に自分で書ける」はもちろん別ものである。
あくまでも、表紙+タイトルの印象から直感で選ぶ!というワーク。

・実際に書店でたくさんの本を目にすると、わからなさすぎてずっと「似合うとは……?」「しっくり……書きそう……?」と繰り返していた。

・「しっくりくる」=自分がいつも考えていることに近いと感じる、とした。もし自分のなかにあるものを取り出してなんかええ感じに本にできますよと言われたらどんなものになりそう?という妄想をふくらませることでなんとなく見えてくるようになった。

・・・

「似合う」の1冊


・今回のワークに関係なく、発売情報をキャッチしたとき「あーーこれは絶対に買う」と思っていた1冊。私が得ている情報はこの書影のみ、作者や内容についてはなにも知らない。「好き」の直感ではあった。
・早い段階で「似合う」はもしかしたらこれでは?と浮かんでいた1冊でもある。店頭で出会えるかわからないけど実物を見ないことには……と思っていたら運よく入荷していて、見たうえでやっぱりこれにしたいなと感じた。
・「死」については私がつねに頭の片隅に置いて暮らしのそばにあるものとして考えていること、外せないテーマで、そうするとこの枠に挙がってくるのは自然なことである。
・「死」について考えることは「生きる」について考えることだと思う。それがもし自分のなかから出てきて本のかたちになるのなら短詩かエッセイのようなものになりそうな気がする。こちらは短歌。帯の1首は静かに胸がきゅっとなるね。好きです。
・装丁が好き。手ざわり、大きさ、静かで落ち着いているけど暗くはない感じ、イラストがきれい、ゴールドの部分は箔押しできらっとしているけど仰々しくなく。

「似合う」候補


・帯の文言がよい。あと、タイトルの上にちっちゃく「生きるために読む」って書いてあるバランス。
・ちらっと表紙をめくるとそでの部分に「この世界の誰も、死んだことがない。だから考える。ことばが残る。」とあっていいなと思った。
・装丁が好き。手ざわり、大きさ。配色、フォント、余白のバランス。黒の分量と色ののりかた。テーマに対して強すぎず眩しすぎず、軽すぎずな感じがする。ざらっとした壁紙みたいな質感に黒い文字だけほんのりつやっとしてて、これってどういうんだろう(印刷技法?的なこと)。
・もし自分が本として表現するなら名言集にはならなさそうではある。こういう多くの人に伝わりそうなわかりやすさ、とっつきやすさのようなものは自分からは出てこなさそう。


「似合う」、手持ちの本より

表紙+中身なども加味して。

・「似合う」本、とは?となったとき、考え始める前にぱっと浮かんだのがこの1冊。なのですべてがこれに引っ張られている感はあるが、方向としてしっくりきてしまった。
・装丁が好き。タイトルの上にある小さな点がなぜかすごく印象に残っている。銀色の点で描かれたイラスト、私の「土に還りたい」で浮かぶイメージはこれに近い。つぶつぶ、きらきら。分解されていく感じ。
・これは帯なしのほうが静かでより好きなんだけど、裏表紙側の帯に「分かりやすく書く」と著者からの「約束」があって、とてもいい。
・するする読める。むずかしいことをむずかしい言葉をつかわずに順序立てて人に伝えることができる人ってすごい。尊敬。


・たしか上の本と同時に購入したので芋づる式にこれも浮かんだ。ここまで挙げたものの中ではぱっと見が一番キャッチーな気がする。でも「おもしろおかしく」ともすこし違う。そのバランスが好き。ユーモアというか。
・対談を猫が聞いている、というのもいい。猫にはそばにいてほしい。
・そうか、対談、いいな。こういうテーマでお互いに引き出し合える関係性。
・書いているうちにだんだん「なりたい」寄りな気がしてきた。でも「なりたい」ではない。


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雑感

・共通点は「死」、比較的フラットに扱われている気がする。

・「似合う」を探すときになんとなく暮らし(ライフスタイル)の棚にあるかも?と思って見たがぜんぜん違った。自分では書かなさそう。ぜんぜんしっくりこなかった。他人の暮らしのことが書いてあるからだろうか。ほぼ人文、ときどき詩歌の棚で出会う。

・絵本は「好き」が強いというか、「似合う」の枠に入るものには出会わなかった。表現方法の可能性としてはあり得なくない、残しておきたい、という感じ。

・「好き」は抵抗なく挙げられるが、「似合う」は引っかかりを感じた。自分が身につける服の「似合う」とは別の感覚。とくに創作物に対して「誰かのだいじなものを踏みにじっていないか?侵害していないか?」という部分に強い恐れのようなものがあることに気づいた。「中身を見ていないこの本に対して私が好き勝手そんなこと言っていいのか?」みたいなこと(べつにいいと思う)。今回、それがより一層「似合うとは……?」につながっていたのだと思う。

・「好きだけどしっくりこない」はあるが、「しっくりくるけど好きじゃない」は私の場合あまりないように思う。どうだろう。

・なんというか、ないものは出せない。似合うとはそういうことなのかもしれない。

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次は「なりたい」についてまとめる。

つづく。

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