見出し画像

事業承継を通じた企業の成長・発展①休廃業・解散の動向(中小企業白書2021年度版より)

本日より、「第2部 危機を乗り越える力」「第3章 事業承継を通じた企業の成長・発展とM&Aによる経営資源の有効活用」に入ります。
「第1節 事業承継を通じた企業の成長・発展」より、今回は「1.休廃業・解散の動向と経営者の高齢化 ①休廃業・解散の動向」について紹介します。
以下、「中小企業白書2021年度版」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第3章 事業承継を通じた企業の成長・発展とM&Aによる経営資源の有効活用
我が国の高齢化の進展に伴い、経営者の高齢化も進む中で中小企業の事業承継は社会的な課題として認識されている。我が国経済が持続的に成長するためには、中小企業がこれまで培ってきた価値ある経営資源を次世代に承継していくことが重要である。
中小企業にとっても、事業承継は単なる経営体制の変更ではなく、更なる成長・発展を遂げるための一つの転換点になり得る。また従来、中小企業にとってのM&Aは事業承継策の一つとして注目されてきたが、近年では成長戦略の一つとしても関心が高まっている。
本章では第1節で休廃業・解散や経営者の高齢化の状況も踏まえつつ、中小企業の事業承継の動向について分析する。第2節では、近年のM&Aに対する関心の高まりを概観し、中小企業のM&Aの動向について分析する。

第1節 事業承継を通じた企業の成長・発展
本節では、中小企業の事業承継の動向について分析する。はじめに、休廃業・解散や経営者の高齢化の状況について概観し、その上で事業承継の動向や事業承継実施企業のパフォーマンスについて分析する。また、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、経営者の事業承継に対する考え方の変化について分析する。

1.休廃業・解散の動向と経営者の高齢化
①休廃業・解散の動向

(株)東京商工リサーチの「2020年「休廃業・解散企業」動向調査」を用いて、休廃業・解散企業の現状について確認していく。

画像1

休廃業・解散件数は、2019年までは4万件台の半ばで推移していたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響などにより、調査開始以降最多となる4万9,698件(注)となった(第1-1-42図(再掲))。
(注)なお、(株)帝国データバンクの全国企業「休廃業・解散」動向調査によると、2020年の休廃業・解散件数は5万6,103件で、前年比5.3%減となった(第1-1-43図)。

画像2

調査ごとに傾向に差異は見られるものの、休廃業・解散の背景には構造的な要因として経営者の高齢化や後継者不足が存在することがいずれの調査においても確認されている。

第2-3-1図は、休廃業・解散企業の業種構成比を見たものである。

画像3

2018年から2020年にかけて、休廃業・解散企業の業種構成比には大きな変化は見られない。第1-1-42図で確認したとおり、2020年は休廃業・解散件数が増加しているが、業種にかかわらず休廃業・解散が増加している様子が見て取れる。

第2-3-2図は、休廃業・解散企業の従業員規模を確認したものである。

画像4

全ての業種において、休廃業・解散企業の95%以上は従業員20名以下の比較的小規模な企業であることが分かる。

次に、休廃業・解散企業の代表者年齢について確認すると、2020 年は「70 代 」が最も多く41.8%となっている(第2-3-3図)。

画像5

また、70代以上が全体に占める割合は年々増加傾向にあり、2020年は59.8%となっている。

第2-3-4図は休廃業・解散件数と我が国企業の経営者平均年齢の推移を見たものである。

画像6

近年、経営者の平均年齢は上昇傾向にあり、休廃業・解散件数増加の背景には経営者の高齢化が一因にあると考えられる。

第2-3-5図は、休廃業・解散企業の業歴別構成比を示したものである。

画像7

これを見ると、業歴「5年未満」が14.6%となっており、比較的業歴の短い企業の休廃業・解散も生じていることが確認される。創業期に経営が軌道に乗らず、休廃業・解散に至ったものと推測される。

続いて、休廃業・解散企業の業績について見ていく。

画像8

休廃業・解散した企業のうち、直前期の業績データが判明している企業について集計すると、2014年以降一貫して約6割の企業が当期純利益が黒字であることが分かる(第2-3-6図)。

また、休廃業・解散企業の売上高当期純利益率を見ると、2018年から2020年にかけて、利益率が5%以上の企業が4分の1程度となっており、業績不振企業だけでなく、高利益率企業の廃業が一定数発生していることが分かる。(第2-3-7図)

画像9

休廃業・解散企業の中には、経営者自身が事業を継続する意向がない企業も含まれることに留意する必要があるが、一定程度の業績を上げながら休廃業・解散に至る企業の貴重な経営資源を散逸させないためには、意欲ある次世代の経営者や第三者などに事業を引き継ぐ取組が重要である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

休廃業・解散する企業が年間約50,000者、
6割は黒字、その半分以上が3%以上の純利益率。
従業員数が20名以下という企業が95%以上、
経営者は70代以上(約6割)。

後継者が不在で、黒字で人に迷惑をかけないうちに廃業する、という姿が想像できます。
もったいない、というのが正直な感想です。

20201111伍魚福エンターテイニングスパイラル図

我々は「伍魚福エンターテイニングスパイラル」が良い方向に回ることを理想としていますが、お客様や協力企業にとって「おもしろい」を実現し、関係する企業の事業承継にも貢献することを目指したいです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan