中小企業におけるデジタル化に向けた組織改革・デジタル化推進に向けた業務変革(中小企業白書2021年度版より)
本日は、「第2部 危機を乗り越える力」「第2章 事業継続力と競争力を高めるデジタル化」の続きです。
「第4節 中小企業におけるデジタル化に向けた組織改革」より、今回は「デジタル化推進に向けた業務変革」について紹介します。
以下、「中小企業白書2021年度版」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
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4.デジタル化推進に向けた業務変革
最後に、本項ではデジタル化推進に向けた業務の変革について、見ていく。
第2-2-86図は、デジタル化の定着に向けた取組を示したものである。
これを見ると、「日常的な改善活動」を挙げる企業が多いことが分かる。
また、IT活用レベルの高い企業は、活用レベルの低い企業と比較すると「IT活用の継続的な見直し」や「IT活用に関する日常的な情報収集」に関して20%pt以上の差が生じている。
第2-2-87図は、デジタル化において実施した業務プロセスの見直しの範囲について示したものである。
これを見ると、業務プロセスの一部を調整した企業が約半数存在していることが分かる。
程度の差はあるが、半数以上の企業がデジタル化に伴う業務プロセスの刷新・調整を実施していることが確認される。
第2-2-88図は、従業員規模別にデジタル化において実施した業務プロセスの見直しの範囲について示したものである。
これを見ると、従業員規模が大きい企業ほど、デジタル化において業務プロセスの見直しを実施している傾向にあることが分かる。
第2-2-89図は、デジタル化において実施した業務プロセスの見直しの範囲別に、デジタル化推進による業績への影響を示したものである。
これを見ると、業務プロセスの全体を刷新、若しくは一部を調整した企業は、実施していない企業と比較して、プラスの影響を及ぼした割合が高いことが分かる。他方で、業務プロセスを変更していない企業では、半数以上の企業が「どちらとも言えない」と回答しており、業績への寄与を実感できていないことが確認される。
第2-2-90図は、業種別にデジタル化において実施した業務プロセスの見直しの範囲について、デジタル化推進による業績への影響を示したものを示したものである。
これを見ると、業種にかかわらず、デジタル化の推進において、業務プロセスの見直しを実施した企業は、業績にプラスの影響を及ぼしている割合が高いことが分かる。
第2-2-91図は、従業員規模別にデジタル化において実施した業務プロセスの見直しの範囲について、デジタル化推進による業績への影響を示したものである。
これを見ると、従業員規模にかかわらず、デジタル化の推進において、業務プロセスの見直しを実施した企業は、業績にプラスの影響を及ぼしている企業の割合が高いことが分かる。
第2-2-92図は、デジタル化を進めるに当たっての社内ルールの見直しの有無別に、デジタル化推進による業績への影響を示したものである。
これを見ると、事業課題の解決のため、社内ルールの見直しを進め、その一環としてデジタル化を進めた企業は、デジタル化推進の取組によりプラスの影響を及ぼした割合が高い傾向にあることが分かる。
第2-2-93図は、従業員規模別にデジタル化を進めるに当たっての社内ルールの見直しについて、デジタル化推進による業績への影響を示したものである。
これを見ると、従業員規模を問わず、デジタル化を推進する際、社内ルールを見直した企業は、業績にプラスの影響を及ぼした割合が高い傾向にあることが分かる。
最後に、第2-2-94図は、ITツール・システムの導入と業務プロセスの見直し方法について、労働生産性との関係を示したものである。
これを見ると、業務プロセスの見直しに合わせてITツール・システムを導入する企業の労働生産性の平均値は、導入するITツール・システムに合わせて、業務プロセスの見直しを行う企業の84.4%の水準となっている。ITツール・システム起点で、業務プロセスの見直しを行っていくことが有効であることが示唆される。
以上、デジタル化に向けた業務プロセスと社内ルールの見直しについて確認した。デジタル化を単に推進するだけでなく、デジタル化の取組に合わせて、業務プロセスや社内ルールなどを調整し、社内環境を整えていくことが重要であると示唆された。自社のデジタル化に合わせて現場部門と間接部門が連携しながら、社内の改善活動を効果的に実践している一つの例として、事例2-2-20における製造業の取組を紹介し、本節の結びとする。
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よく言われることですが、業務を単純にデジタル化するのではなく、デジタル化に伴って業務プロセスを見直し、生産性を高めなければ意味がありません。
そういう考え方である企業の方が、生産性が高い、というのは当たり前と言えば当たり前ですね。
伍魚福でも現在中期経営計画を取りまとめ中です。重要課題の解決のためには、デジタル化が必要不可欠です。
情報収集を続け、DXを実現しながら、中期経営計画の目標を達成したいと考えています。