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医療関連イノベーションの推進・医薬品・医療機器開発などに関する基盤整備(令和3年版 厚生労働白書より)

本日は、「第2部 現下の政策課題への対応」の「第6章 医療関連イノベーションの推進」、「第2節 医薬品・医療機器開発などに関する基盤整備」を紹介します。
以下、「令和3年版 厚生労働白書」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
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第6章 医療関連イノベーションの推進
第2節 医薬品・医療機器開発などに関する基盤整備
1 健康・医療戦略について

政府の成長戦略の柱の1つである医薬品・医療機器産業を含む健康・医療関連分野において、革新的な医療技術の実用化を加速するため、2014(平成26)年5月に、「健康・医療戦略推進法」(平成26年法律第48号)及び「独立行政法人日本医療研究開発機構法」(平成26年法律第49号。現在の法律名は「国立研究開発法人日本医療研究開発機構法」。)が成立した。また、各省の医療分野の研究開発関連事業を集約し、一体的に実施するため、同年6月に内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚で構成する「健康・医療戦略推進本部」が設置された。
2014年7月には、医療分野の研究開発及び健康長寿社会の形成に資する新たな産業活動の創出・活性化に関し、政府が総合的かつ長期的に講ずべき施策を定めた第1期「健康・医療戦略」が閣議決定された。また、医療分野の研究開発に関する施策について、基本的な方針や政府が集中的かつ計画的に講ずべき施策等を定めた第1期「医療分野研究開発推進計画」が策定され、①医薬品開発、②医療機器開発、③臨床研究中核病院などの革新的な医療技術創出拠点、④再生医療、⑤ゲノム医療、⑥がん、⑦精神・神経疾患、⑧感染症、⑨難病の9分野で重点的に研究支援をしていくこととされた。
2020(令和2)年3月には、第1期終了を受け、2020年度から2024(令和6)年度までの5年間を対象とした第2期「健康・医療戦略」が閣議決定され、また、第2期「医療分野研究開発推進計画」が策定された。第2期においては、モダリティ等を軸とした6つの統合プロジェクトに再編し、①医薬品プロジェクト②医療機器・ヘルスケアプロジェクト③再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト④ゲノム・データ基盤プロジェクト⑤疾患基礎研究プロジェクト⑥シーズ開発・研究基盤プロジェクトについて横断的な技術や新たな技術を、多様な疾患領域に効果的・効率的に展開することとされた。

2 研究開発の振興について
各省の医療分野の研究開発関連事業を集約し、基礎段階から実用化まで切れ目のない支援を実現するため、2015(平成27)年4月に、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)が設立された。
厚生労働行政に関する研究開発のうち、医療分野の研究開発は、厚生労働省に加え、文部科学省、経済産業省、総務省の4省に計上された医療分野の研究開発関連予算をAMEDに交付し、AMEDにおいて実施している(2021(令和3)年度医療研究開発推進事業費補助金等約476億円)。
AMEDにおける医療分野の研究開発として、例えば、以下のような取り組みを行っている。
①医薬品プロジェクトにおいては、医療現場のニーズに応える医薬品の実用化を推進するため、創薬標的の探索から臨床研究に至るまで、モダリティの特徴や性質を考慮した研究開発を行う。
②医療機器・ヘルスケアプロジェクトにおいては、AI・IoT技術や計測技術、ロボティクス技術等を融合的に活用し、診断・治療の高度化、予防・QOL向上等に資する医療機器・ヘルスケアに関する研究開発を行う。
③再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクトにおいては、再生・細胞医療・遺伝子治療の実用化に向け、基礎研究や非臨床・臨床研究、応用研究、必要な基盤構築を行いつつ、分野融合的な研究開発を推進する。
④ゲノム・データ基盤プロジェクトにおいては、ゲノム医療、個別化医療の実現を目指し、ゲノム・データ基盤構築、「全ゲノム解析等実行計画」の実施、及びこれらの利活用による、ライフステージを俯瞰した疾患の発症・重症化予防、診断、治療等に資する研究開発を推進する。
⑤疾患基礎研究プロジェクトにおいては、医療分野の研究開発への応用を目指し、脳機能、免疫、老化等の生命現象の機能解明や、様々な疾患を対象にした疾患メカニズムの解明等のための基礎的な研究開発を行う。
⑥シーズ開発・研究基盤プロジェクトにおいては、新規モダリティの創出に向けた画期的なシーズの創出・育成等の基礎的研究や国際共同研究を推進する。また、橋渡し研究支援拠点や臨床研究中核病院において、シーズの発掘・移転や質の高い臨床研究・治験の実施のための体制や仕組みを整備する。
第2期においても、医療分野の研究開発の推進に関係省庁と連携して取り組むこととしている。
なお、医療分野の研究開発以外の厚生労働行政の推進に資する研究については、厚生労働省が実施している(2021年度厚生労働科学研究費補助金等約94億円)。

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3 次世代医療基盤法
匿名加工された医療情報の安全・適正な利活用を通じて、健康・医療に関する先端的研究開発や新産業創出を促進するため、「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」(次世代医療基盤法)が2018(平成30)年5月に施行された。2019(令和元)年12月及び2020(令和2)年6月、本法律に基づき、主務府省(内閣府、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省)において、第1号及び第2号となる認定匿名加工医療情報作成事業者及び認定医療情報等取扱受託事業者の認定を行った。引き続き、本法律に基づき、国民の理解の増進をはじめ、産学官による匿名加工医療情報の医療分野の研究開発への利活用を推進する措置を実施することとしている。

 4 研究者等が守るべき倫理指針について
医学研究の分野では、研究を適切に実施する上で、個人情報保護を含む研究対象者保護の観点から研究者等が守るべき倫理指針として、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(医学系指針)」、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(ゲノム指針)」、「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」等の各種指針を定めている。これらの指針については、医学研究を取り巻く環境の変化等に応じ、必要な見直しを行っている。
近年、ヒトゲノム・遺伝子解析技術の進展に伴い、医学系指針及びゲノム指針の双方が適用される研究が増加してきたことや、両指針で共通して定義される項目に差異があることから、2018(平成30)年8月に医学研究等に係る倫理指針の見直しに関する合同会議を設置し、現在両指針の統合作業を進めている。
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神戸市は「医療産業都市」を目指しています。
1995年の震災からの復興事業の柱の一つとして構想され、実行されてきたものです。初めて聞いたときは、ちょっと唐突な印象がありましたが、現在の少子高齢化の状況などを振り返ると正しい戦略だったと先人に頭が下がります。
国の成長戦略の中でも医薬品・医療関連機器など医療関係のイノベーションに取り組む方針が示されていますが、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発の状況を見ていると、まだまだ欧米各国に遅れをとっているように感じます。
医療機関の逼迫がなく、ワクチンの3回目接種が終わっていれば、コロナ前の生活に戻れているように思うのです。
コロナ後は、頑張って対策をしていただいたように感じますが、収束後も一定の予算や人員の確保が継続できることが重要ですね。
医療の生産性を高める、医療関係のイノベーションと共に考えなければならない問題です。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan