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トルデジアンのススメ ④ レース編section1(スタート)

興奮のスタート!

9月10日、いよいよレース当日。
朝ごはんをしっかり食べて、アキラさんやアキラさん通じて知り合った美和さん永助さんと歩いてスタート地点へ。
当然スタート地点で写真撮りまくり。

ついにキター

列に並んで待っているとDJがいい感じで盛り上げてくれます。イタリア語なので何言うてるか全然分からんけど(;^_^A

BGMはパイレーツ・オブ・カリビアン

特に緊張とか高揚感とかなくリラックスした状態。
フルマラソンとかだとスタートからいきなり勝負なので緊張するけど、6日もあるから始めから緊張してたらもたないしね。

カウントダウンからの10:00スタート!

沿道の皆さんの応援を受けながら3キロほどロードを下ってトレイルに入ります。
第1ウェーブの500~600人が一気にシングルトラックに入るので当然渋滞。

ガンガン横から抜いていく人もいるけどまだ347kmもあるんだし、慌てない慌てない。
流れに任せてのんびり登っていきます。
樹林帯を抜けると牧草地帯が広がり、牛がお出迎え。

のどかだ

カウベルの音が聞こえてきて、こんなところまで応援してくれるのか!と思ったら牛が動き回っているだけでした。まあカウベルの本来の使い方ではあるんですが。
牛と共に現れるのが牛のフン。
そこら中に落ちてるのでよけられるレベルではありません。乾燥してるので臭いはそんなにないけど。

氷河が圧巻

最初のコル、Col Arpまでは約6kmで1510mアップ。
1000~1500のアップダウンが延々繰り返すのは高低図で見て知ってましたが、いきなり広河原から日本2位の北岳に登るぐらいの標高差です。

Colって何?

この”Col”というのが実際に行くまではイメージ湧きませんでした。
コルと言うのは2つのピークの間のへこんだところで、「鞍部」と言ったり、「峠」と言ったりしますが、それが目的地なの?と疑問でした。
日本だと尾根や稜線を歩いて頂上を目指すのが、いわゆる”登山”。
でもイタリアの山歩きにはピークハントも稜線歩きもほぼありませんでした。
基本はトラバース(山腹を横切る)あるいはつづら折りで、コルに着いたら石碑みたいのがあってそこから下りに変わります。
文化の違いなのか山の形状の違いかは分かりませんが、だいぶ違うなと感じました。

コルにある石碑的なもの

Col Arpを超えたところで最初の小屋登場。
クラッカー、パイ、チーズ、ハム、オレンジなどが並んでいます。
まだお腹はすいてないのでオレンジをかじって水を補給してすぐに再スタート。

前半は軽食中心

1300mほど下ると街のエイド「La Thuile」に到着。
ハムやチーズなど軽めの補給をして2つめの山へ向かいます。
それにしても暑い。水場を見つけるたびに頭からかぶります。
このへんから川の水も飲み始めました。
日本でもたいていの水は飲んでるし、流れている水なら大丈夫かなと。
ペットボトルのミネラルウォーターも硬水だし、どっちみちお腹はゆるくなるはず。
それなら川の水も飲んじゃえ、という感じ。
他の日本人の選手でそんな人はあまりいませんでしたが…。

絶景だけど暑過ぎ

暑さと闘いながら3つ目の山を終えて、最初のライフベース(LB) Vangrisenche(ヴァングリゼンケ)に着いたのが22:18
想定タイムが12時間18分だったので誤差0分でした。

レースプラン

今回のレースは”梅プラン”のみ。
普通は松竹梅の3パターンぐらい用意するもんですが、完走第一でゴールタイムを142時間半で設定(制限は150時間)。
梅プランより遅れたら完走が危うくなるんですが、実際には貯金ができるはずなので気分的には楽です。
最初で最後の海外レースなのでタイムは二の次で何としても完走だけはしたい、ということで安全策を採りました。
なので「無理はしない」「前半は温存」「よく寝る」「よく食べる」というシンプルなレースプランで臨みました。

LBのコット(簡易ベッド)に入って「さあ寝るぞ!」と思ったもののさほど疲れてないし、前日も十分寝てるし、全然眠くない。
1時間ほどもぞもぞしてたんですが諦めてマッサージへ。
これがゴリゴリのマッサージで気持ちよくてリフレッシュできました。
足が軽いぞ!
食べ物をかきこんで第2セクションへ。

<Section1 Courmayeur~Valgrisence>
 D+4586m 54km
 実測 D+3776m 52.85km 12:18

<LB1 Valgrisence>
 IN   9/10  22:18 
 OUT  9/11  00:28
 滞在  2:10 睡眠 0:30

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