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回顧録-2

「隕石だぁ?」
「『アマノイワト』・・・・・・あんたも名前ぐらい聞いたことあるだろ?」
アマノイワト、ってーと。
ああ、あそこか。
「立ち入り禁止だろ、あそこ。」
「聖域だからねぇ。」
あの辺には草も生えねぇ、んだったか。
聖域ってわりに物騒だ。
「まだアレがただの隕石だって言われてたときさ。『あんなのが落ちたら星が滅ぶ』ってんである意味みんなお祭り騒ぎ。」
いくら彼女とて流石に吸い過ぎたのか、火をつけないままタバコをくわえている。
「それでも日常は続いてた。学校・・・あー、勉強するための場所へは行かにゃならなかったし、仕事だってあった。」
「で、なんだって『聖域』の名前を。」
「そりゃあ、出さないわけにもいかないさ。あたしが『天使』に会った場所はそこだったし、なにより。」

「――あそこは昔、あたしの家があった場所なんだ。」

「あり得ねぇだろそんなこと・・・。」
流石にホラが過ぎる。
思わず頭を抱えると、ヤツはけらけらと笑い出した。
「ま、あんたにゃ信じらんないだろうねぇ。アンタが知るあそこは草木も生えない『聖域』だろう?」
「そうだが。」
時刻は天高。
太陽が一番高いところにある時間だ。

「まぁ、聞いてなって。こっからが面白くなるんだ。」

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