見出し画像

9話 破壊

「で、どうするよ。」
「もうここまで来たらやれるだけのこと全部やるか。」
割といろんな犯罪をやらかしちまったことが確定したから寧ろ清々しくなってきた。
「っていうと例えば?」
「ジョンにはまだ教えてなかったか、俺の特技。」
特技?
そりゃ確かに聞いたことがない。
「なんだいそりゃ。」

「ハッキング。」

「は・・・は!?」
「今までの経験上一番ゆるいのは広報部門だ。俺が潜り込んだことにすら気付けてなかったからな。」
おいおいおいおいおい!
「なんでそういう面白そうなこと先に言わねーんだよ水くさいだろジャック!」
「サプライズってのがしたかったから。」
全く、これだからジャックは最高だぜ!
「ってなワケで潜り込むのは簡単だけど、何をどうする?」
「そりゃ、居住区のモニターというモニターに『これ』を表示させるとか。」
そう言って俺は、辞書の一冊を指さす。

「あーね。『実は疾患じゃねーですよ』ってのをでかでかと表示するわけか。アリだな。」
「じゃ、早速頼むわ。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?