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3話 古きモノの星

「意外と2日って短ぇな。」
コールドスリープなしでの移動。
体感時間にして2日後。
通称『古きモノの星』につくなり、ジャックが言った。
「Best friendといたからかもな。」
「なんじゃそりゃ。ま、とにかく、この黒い円盤に関する情報を集めよう。」
しれっと飛ばした冗談がしれっと流されたところで、捜査開始ってヤツだ。
じゃあとりあえず。
「手分けする?」
「いや、折角だし二人でああでもねぇこうでもねぇってやろうぜ。」
「Gotcha!まずはそれ買った店からだな。」
「そんならこっち。」
ジャックの案内で路地裏を進む。
これ俺帰れっかな。
覚えられる気がしねぇ。
そうして10回ぐらい角まがったところに、その店はあった。
「・・・・・・おおお!マジかめっちゃあんじゃん!」

「・・・待って、これ。」
めぼしいモンを探してたら、何やら文字が書いてある『レコード』があった。
見覚えのない文字。
これはもしや。
「・・・・・・うわ旧暦時代文字じゃん。」
「よな。うわー、ここに来て文字の壁が。」
旧暦時代文字。
人々が宇宙に出る前に使っていた文字、らしい。
今じゃまず見掛けることのない文字だ。
「どーする?これ。」
「こういう店の本バージョンとかさがすか。」
「okey-doke。じゃあ取り敢えずここはこれぐらい買うか。」
このためにわざわざ安い方のプランで行ったってワケ。

「旧暦時代文字の解読が出来そうな本探すかー、と。」
「辞書とか?ほら、文字移行期間の頃のやつ。」
文字移行期間、ってーと。
新暦40NRぐらいのやつか。
めっちゃ古いやつだな。
そうそううまいこといくか?
「これとかわかりやすくない?」
いったわ。
「お、割と読めるな。これと、これが対応してて?ええと。」
「あんさ、せめて買ってからやらねぇ?」

「いやぁ、買った買った。」
「こんだけありゃ、どっかしらにゃあるだろ。」
「辞書5冊に円盤10枚、こりゃ豊作だな。」

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