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動画とテキストで新型フィットを解説

ブログがオワコンで、YouTubeも飽和気味といった声が聞こえてくる今日この頃ですが、これからのメディアというか、表現では動画とテキストを組み合わせたものになるであろうというのが個人的な予測。というわけで、新型フィットを題材に、15秒程度の動画と短めのテキストをミックスさせると、どのようなコンテンツになるのか実験的に作ってみようと思う次第です。

ホンダの中で保有台数ナンバーワンの主力車種

2020年2月、ホンダ・フィットがフルモデルチェンジを果たした。フィットとしては4代目になる新型は、これまでのシャープな顔つきから一転、グリルレスで親しみやすいフロントフェイスに変身している。その狙いは「心地よい」パートナーという開発テーマを伝えるためといえる。

スタイリングでいえばサイド面のキャラクターラインを最小限としているのも「心地よさ」の表現と感じる。細身のAピラー(といっても実際に支えているのはドア側)からの流れをフロントフェンダーに溶け込ませているのはワンモーションフォルムを強調する効果があり、その点においてはフィットの伝統をしっかりと守ったスタイリングといえる。

ドラスティックに変えたようで、それでも伝統を受け継ぐ必要があるのは、フィットの国内保有台数が180万台とホンダ車では最多モデルゆえだ。買い替え需要をフォローすることは重要であり、まったくの別物に仕上げるのは難しいという事情がある。もっとも、伝統のワンモーションフォルムを維持したことで、ドライバーはノーズ位置をほぼ視認できないというのはマイナスポイント。視界が広いのはストロングポイントだが、見切りが悪いというのはコンパクトカーとしては疑問に感じる部分もある。慣れればAピラーの角度からなんとなくイメージできるのだが。

人にフォーカスして開発。数字は追いかけない

キャッチコピーのひとつに『人がココチいいなら、クルマは嬉しい。』とある。新型フィットの開発では、数値ではなく人中心で、人の気持ちを研究して開発したという。すなわち開発リソース(予算)をスペックでは測れない部分に振り分けたということだ。

その象徴といえるのがシート。基本骨格は従来通りというが、フロントシートでいえば内部構造やクッションを新設計することで体幹を支え疲れにくいシートに仕上げたという。その良さは、パッと座っただけでも感じることができる。1時間程度の連続ドライブでも腰回りの疲労などはまったくなかった。リアシートについてもパッド厚を増やすことにより、適度に沈み込んで姿勢を維持するシートに仕上がっている。あえてリクライニング機構を外すことでベストの角度を守る(そのかわりに荷室を少しだけ広げる機能を失った)ことを最優先しているのも見識だ。

長時間座っていると徐々に腰が前に出てしまいヘンな姿勢になってしまうクルマは多いが、新型フィットではそうしたことはなさそうだ。4人がしっかりと座れるシートが出来上がっている。

なお、フロントは『ボディースタビライジングシート』、リアは『コンフォートULTRAリアシート』という名称がつけられている。

静粛性の高さは驚異的。骨格もレベルアップ

乗り込んで最初に驚くのは静粛性。ドアシールの全周二重化や遮音材・防音材の多用によりコンパクトカーとは思えないほど静かなキャビンを実現している。そのまま走り出してもエンジンやタイヤのノイズは最小限といえるレベルだ。

『e:HEV』と名付けられた新型ハイブリッドシステムは1.5リッターエンジンに2つのモーターを組み合わせたもの。高速走行以外はモーターだけで駆動するタイプで、市街地走行レベルにおいてはエンジンは必要に応じて発電する際に動くだけとなっている。モーター駆動だけに加速はスムースで、遮音性もしっかりしているのでエンジンノイズが気になることはない。

ガソリンエンジン車は1.3リッターエンジンでトランスミッションはCVTだけの設定。こちらもCVTらしいスムースな加速だが、モーターに比べると加速感はマイルドだ。ただし、そのマイルドさは「心地よさ」という指標においてマッチしているようで、乗り心地と加速感のバランスは好印象。肩の力が抜けた走りが味わえる。

ハンドリングもけっしてスポーティ方向ではないが、タイヤからのインフォメーションはしっかりと伝わってくるもの。サスペンションの取り付け部などを補強した効果といえるが、とくにダッシュパネル(バルクヘッド)の板厚を0.8tから1.2tに上げた効果が大きいだろう。剛性感というより「しっかり感」の高まったボディと表現するのが適切だ。

いずれにしても、新型フィットを理解するには従来的価値観ではなく、「心地よさ」という新指標で開発されたことを前提にする必要がある。心地よさの解釈は人それぞれだろうから、それによって評価も変わるだろうが、少なくともスペックを並べるだけの比較はナンセンスと感じられた。

最後に~取材メモから~

最後に取材メモに残っていたプチ情報を羅列。

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