見出し画像

鬼退治、なぜリンゴ太郎じゃなかったの

童話の定番「桃太郎」。ドンブラコと流れてきた桃から生まれた、その名も桃太郎がきびだんごを”餌”にいぬ・さる・きじを仲間に引き入れ鬼退治を行なうというストーリーは、いまさら説明するまでもないでしょう。

では、さっそく本題。なぜ、鬼退治をするのは桃太郎だったのか。たしかに桃から生まれたから桃太郎と名付けられたわけですが、じゃあなぜ桃が川上から流れてきたのか。たとえばリンゴではダメだったのか。色味や形状からリンゴだって大差なさそうでと思いませんか。

しかし、桃であることに意味があったのです。

古来、中国では桃は仙木であり仙果。桃は邪気を払う存在として知られています。ですから、鬼退治をするヒーローのシンボルとして相応しいフルーツは桃の一択であり、桃から生まれる必要があった。

日本でも桃の魔除け効果というのは信じられていたところで、「桃 邪気 百鬼」あたりのワードで検索すれば、古来からの背景を見つけることができることでしょう。

そして、童話を読みながらでも、こうした意味合いをさり気なく表現の中に含めることができるのが、真の教養なのだろうなと思ったりするのです。

ちなみに、リンゴと桃は、いずれも種に毒性があるのが共通点で、その意味では白雪姫が毒リンゴを食べさせられたというストーリーにおいても、リンゴを選んだ必然性があったのかもしれません。

だからといって、桃の種に毒があることを桃太郎の攻撃性に重ねてしまうのは考えすぎかもしれませんけれど……。

この投稿は、「みんなのフォトギャラリー」で見かけた画像からのインスピレーションでコラムを書いてみようという実験的文章です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?